Sera の本棚

感動した本のことや映画を見たり、コンサートへ行ったりした感想、高槻の写真など記録できたらいいなあと思います。

「斜陽」

2007-06-26 13:50:02 | 

太宰治作「斜陽」、私はこの本も若いときに読んだことあります。内容を思い出そうとするのですが、どうしても思い出せません。一つだけすごく鮮明に覚えていることがあります。登場人物「おかあさま」がスープを召し上がるシーンです。一番最初の書き出しです。とても自然に上手に上品に、一滴もこぼすことなく静かに召し上がるシーン。持って生まれたお育ちの良さがにじみ出ていると思います。何故私はこのシーンだけはっきりと覚えているのかわかりませんが、たぶん、おっちょこちょいのあわてんぼうの私にはないものだからでしょう。かず子さん(主人公)の語り口調は大変滑らかで、男性の太宰治がこのようにすらすらと書けるのが素晴らしいと思いました。「革命と恋」に生きるかず子さんは逞しく、私には眩しかったです。

お気に入り度:★★★★★  図書館資料 分類番号:B/ダザ

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「人間失格」

2007-06-20 15:31:22 | 

太宰治作「人間失格」、この本を読むのは3度目です。1度目は高校生の時、2度目は20歳過ぎだったと思います。若い頃はどんな感想を持ったのでしょう。何十年もたって感想は変わっているでしょうか。何十年の重みがある感想を持っていたらうれしいですが、若いときのほうが案外素直に感じていたかもわかりません。嘘と真実、何が嘘で何が真実かもわからなくなります。「晩年」を読んだ後は悲しすぎる時は涙が出ないのかと思いましたが、「人間失格」では涙があふれました。何故か考えました。文体が違うからだと思いました。「晩年」は解説では前衛的な現代小説と書かれています。主人公「大庭葉蔵」の他に作者が直接小説に登場し、言いがたい真実を表現されています。「晩年」では小説でありながら作者が登場するので大庭葉蔵と作者と、実際は同じ人物太宰治なのですが、両方に感じるものがあり、読者にも深く問いかけられます。「人間失格」は普通の文体の小説なので、どんどんその世界に入り込み、涙があふれたのだと思いました。私は「夕鶴」に出てくる「おつう」を思い浮かべました。おつうが自分の羽からきれいな反物を仕上げるように、太宰治は自分の身を削って削って「真実」を表現したのだと思いました。私が20歳ぐらいだったと思いますが、阪急電車梅田駅構内で友達のお姉さんに呼び止められたことがありました。「どうしたん?死んだ人みたいな顔して・・・」と言われました。その時、私は「何のために生きるの?」と考えていたのです。失恋したわけでも特別悲しいことがあったわけでもないのに、そんな疑問がふっと思い浮かんだのです。梅田の雑踏の中へ消え入りそうな気持ちでした。「青春」という言葉はとても明るくて、楽しげで良さそうに聞こえますが、傷つきやすく、身の置き所がないのかなと思いました。

お気に入り度:★★★★★  図書館資料 分類番号:B/ダザ

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「晩年」

2007-06-18 14:31:22 | 

太宰治作「晩年」を読みました。この作品は太宰治の第一創作集でありながら、遺書のつもりで書かれた作品集です。昭和11年、太宰治27歳の時に出版されました。この本に収められている15作品の大半は23、4歳の頃に書かれたものらしいです。太宰治は人が一生かかってする経験をたった23、4歳ですべて経験したのではないかと思いました。頭が抜群によくて感受性が豊かすぎて、傷つきやすく、いつも過緊張の連続だったのではないかと思いました。旧家も悲しい、頭が良すぎるのも悲しい、無学も悲しい、金持ちも貧乏も、器量の悪いのも良いのも、真面目も不真面目もみんな悲しすぎます。それでも私はしばらく、太宰治の作品を読み続けようと思います。

お気に入り度:★★★★★  図書館資料 分類番号:B/ダザ

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2007年中国大連アカシア祭り

2007-06-05 14:32:30 | 旅行

大連のアカシア祭りってどんなのかな?と興味がありましたが、なかなか行くチャンスがありませんでした。次男が大連でお世話になっている香山磐根さんのツアーに参加させていただくことになって、お隣の奥様と一緒に行きました。この写真は大連市役所前で撮った婦人警官です。美しくてスタイルが良くて、おまけに頭脳明晰、婦人警官は大連ではエリートなんですよ。バスから撮ったので小さくしか撮れなかったのが残念です。


星海公園にある足型で纏足の足跡を見つけました。昔は小さいほど美人とされていて、顔よりも足を見たそうです。指がちょっとしかありませんね。この右の足跡、本当はへっこんでいるのに、盛り上がって見えませんか?へっこんで見えたり、盛り上がって見えたりするのは私だけ?


同じく星海公園で撮った写真です。像と人が一体となって本当に親子みたいでした。後ろでは足跡をきれいに水拭きされています。

追記:「デジフォト倶楽部」に「家族」という題名で応募しましたら6月の優秀作品に選んでいただきました。

藤のような房になった白い花がアカシアの花でした。花を口に入れると甘くて美味しかったです。大連の田舎には紅白のアカシアが沢山咲いていてとてもきれいでした。アカシアの咲いている道を歩いていると風に乗って甘い香りが漂ってきます。花を食べても甘くて、香りも甘いです。

                      2007-5-26(土) 撮影

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