Sera の本棚

感動した本のことや映画を見たり、コンサートへ行ったりした感想、高槻の写真など記録できたらいいなあと思います。

ロマンチック街道ースイス・アルプス・パリの旅紀行

2009-04-22 16:28:29 | 

古藤幸雄さんの本「花篝」と出合って、今度は古藤幸雄さんが書かれた「ロマンチック街道」を頂いて読みました。公立中学校の校長先生お二人が「ロマンチック街道とスイスアルプス・パリ8日間」のツアーに参加された時の紀行文です。古藤さんは「生涯外国なんて縁がない、芸術、文化、伝統美、自然いずれをとっても日本に勝る国はない、西洋感覚なんて生理的に受けつけない」と信じて今日までこられたと書いてありました。最初のこの文章を読んで私は一気にこの本の虜になりました。日本が1番と思っておられる方がヨーロッパへ行かれてどんな感想を持たれるのかと興味津々になりました。紀行文は詳しく面白く書かれていて読みやすく、ちょっと知っている簡単なドイツ語(Rathausー市役所、Autobahnー高速道路、Weiße Wurstー白ソーセージなど)が出てきて嬉しかったです。古藤さんは1を聞いて10を知る方ではないかと思うほど下調べも何もされていないのによくご存知で、見るべきところをしっかりとご覧になっています。もともと知識が豊富な上に熟慮される方なのでしょう。相棒の小野さんは場を和やかにする存在で、ツアー参加者から吉本芸人かと思われていたようです。私の1番の関心事、古藤さんがヨーロッパをどのように感じられるのか見逃さないように注意深く読み進みました。やはり立派な先生は見たとおり、感じたとおり、良い面はあっさりと認められ、どこが良いのか瞬時に体で感じられたのだと思いました。ツアーの最後はパリ。ルーブル美術館の「モナリザ」と「ミロのビーナス」は見たいと思われて地図を片手に、広い美術館の中を必死に探される様子、小野さんとのやり取りが面白かったです。私が中学3年の時、「ミロのビーナス」が京都市の美術館に来て友達と見に行きました。その時のことが思い出されてもう一度、今度はルーブル美術館で見たいと思いました。以前、三男から「ダ・ヴィンチ・コード」のDVDをもらいました。まだ見ていないのですが「ダ・ヴィンチ・コード」のDVDにはルーブル美術館が出てきます。この本にも美術館の様子が詳しく書かれているので、DVDで美術館の内部を見たいと思いました。古藤さんは挿絵も描いておられて、挿絵でその時の状況がよくわかり、想像が膨らみます。もし、ドイツ・スイス・パリへ行くような機会があれば是非、本に掲載されている所を回りたいと思いました。古藤さんと小野さんの凸凹旅、お二人とものびのびと、まあ添乗員さんにはいろいろ不満があったようですが、ヨーロッパの旅を満喫された様子でめでたしめでたし。「この1週間の旅は自分の価値観を一変させた。頑なな価値観も一度の訪欧によって崩されるのではといった危惧感はあった。それほど薄すっぺらな純日本主義だったわけでもないが、やはり生の芸術、文化との接触は自分を変えた。それだけの迫力があった。単なるエキゾチズムの魅力ではない。」と書かれている通り、たった1週間の旅でまた沢山のことを吸収されたのだなと思います。そして小野さんは今頃、美味しいお刺身に舌鼓をうち、誰に遠慮もなく美味しそうにタバコをスパッスパッとご機嫌に吸っておられるのだろうなと思いました。

お気に入り度:★★★★★  頂いた本

コメント
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