Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

深い溝

2015-05-13 01:00:00 | 雪3年3部(ディナーショー第三幕)
互いに殴り合い、蹴り合い、倒し合い‥。

河村亮と青田淳は、肩で息をしながら立ち上がる。



高校二年生の時に起きた、西条和夫の事件。

二人はその事件のことを、たった今回想し終えたところだ。

「誰がお人好しのカモだか‥」



亮は口元の血を拭いながら、皮肉るように嘲笑した。

淳は無言でそれを聞いている。



亮はもう一度、あの時仁に向かって言った自分の言葉を思い出した。

「おいおい、淳がどんなヤツかってのはよく知ってんだろ?

仁、お前の兄貴だから仲良くしてたってだけで、一緒に酒飲みに行くなんてー‥」




地面に手を付き、立ち上がりながら、目の前の淳を睨みながら言う。

「あん時、どうしてお前のことなんて庇ったんだろうな‥。

オレも同じように稚拙なやり方で潰されるって、気づくべきだったのに」




拭っても拭っても消えない傷。心の中にこびりついた毒。

その性質に気がついた今、淳のことを見過ごすことなどもう出来なかった。

「ダメージにつきまとうなだって?オレがダメージに迷惑ばっか掛けてるだって?」



「どうだか」



希望から絶望まで全てを知った左手が震える。

亮はぐっと拳を握り締め、淳に向かって言葉を続けた。

「オレもお前も、もうそんなこと突き詰める意味なんてねーだろ‥」



「お前だって、また問題を起こさねぇっつー保証は無ぇ」



そして亮は、最後にその真実を淳に突き付けた。

「お前の周りは、いつもそうだったじゃねーか」







彼の周りには深い溝があり、”線を超えた人間”は尽くその溝に落とされていった。

そして亮が懸念するのは、いつかその溝に雪も落とされるんではないかということー‥。




あれが、私達が共にテーブルを囲んだ、最初で最後の晩餐だった。







シンクに並ぶ、沢山の洗い物。

雪は少しウトウトしながら、夕食に使った食器を洗っている最中だった。



ふと携帯が震えたので、手袋を外して見てみると、メールが一通届いていた。

こんばんは、財務学会MST‥



雪は思わずうわっと声を上げた。

もしかしたら財務学会に受かったのかもしれないと、テンションが上がる。



するともう一度携帯が震えた。

見てみると、そこには先輩からのメールが一通届いていた。

ちょっと出てきてくれないか



たった一行のメッセージ。

先輩はとっくに家に帰ったはずなのに‥。雪は疑問符を浮かべて画面を凝視する。





決して入り込めない、私の知らない世界







駆け抜ける風で、落ち葉が舞った。

雪は夜道を疾走する。



タイマン勝負の果てに、亮は立ち去り、淳は公園で座り込む。

 





あの二人の間には何があっても埋まることのない、とても深い溝がある




だから皆で顔を揃えて集まったとしても




不可能は覆らないのだ。




最後のディナーショーが終わりを告げる。

決裂の結末は、決して覆ることは無かった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<深い溝>でした。

最初で最後の晩餐‥。

意味深なモノローグですね。先が気になります。。


次回は<夜更けの治療>です。


*ブログのテンプレを変更してみました。(*PC版のみご覧になれます)

ワイドになって字が大きくなりました~。また感想頂ければ嬉しいです♪



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タイマン勝負(4)

2015-02-28 01:00:00 | 雪3年3部(ディナーショー第三幕)


”被害者意識に囚われた、ゴミみたいなヤツ”ー‥。

盲目的な被害者意識に囚われたこの男からそう言われたことに、亮は耐えられなかった。

怒りのあまり震える手で掴んだ淳の胸ぐらを、ぐいっと自分の方に引き寄せる。

「オレがダメージの家族に良い顔してるって?」



亮は目を見開いたまま、瞬きもせずに淳に詰め寄った。

「じゃあお前は?」



投げかけられる亮からの問い。淳は呟くように口を開く。

「俺が何‥」



亮と至近距離で相対し、淳はその色素の薄い瞳の中に映った自分の顔を見た。

傷だらけの顔の中にある、光を宿さぬ陰った瞳。






自分は間違っていない、変なんかじゃないー‥。

そう幼い頃から肯定してきた自分自身。

しかし今自分は、亮から問われている。


おかしいのはお前自身の方なんじゃないか?被害者意識に囚われているのは、お前の方なんじゃないかー‥。


「俺が何だよ!!」



そう大きな声で叫びながら、淳は思い切り拳を振るった。

殴られた亮は顔を押さえながら、再び淳の胸ぐらを掴みにかかる。

「こんの‥クッソ‥!」



「自分で分かんねーのかよ!」



亮は淳の胸ぐらを掴みながら、彼の身体を強く蹴り上げた。

「この蛇野郎がっ‥!」



強いその攻撃に、亮の胸ぐらを掴んでいた手が外れた。

淳はその場でたたらを踏み距離を取ると、鋭い目つきで亮を睨む。



亮は溜まっていたものを吐き出すように、淳に対して思うことを捲し立てた。

「いつもいつも正義のヒーローぶってんのはテメーじゃねーかよ!

障った奴らに報復すんのに神経使ってご大層なこって!!」




「どんな時だって自分に被害が及ばねーように他人の後ろに隠れて!

彼女がストーカーに追っかけられてる状況でだって、

すぐ駆けつけるどころかあの男を利用することを考えて!」




心の中に燻っていた、炎が燃える。雪の存在が、それを焚き付ける。

「それがお前にとってのダメージを守る方法だってのかよ?!んな方法が?!」







心に湧き上がる、不吉な予感。

不安なのは、一番信用出来ない男が、彼女の一番傍に居るという今の状況‥。



亮は怒りのあまり大きく震えていた。

目の前の男を許せない、その思いが、雪が絡むとより顕著になる。

「ハッキリ言えよ。お前あの時ダメージを守ることよりも、

オレと静香を片付ける方法を考えてたんだろ?」




亮の問いに対し、淳が答えを返す。

「何にせよ雪を助けただろ。それがどうかしたか?」



その曖昧な返しに、亮は逆上した。

「よく言えたもんだな!静香がタダで動くわけねぇ!何か企んでんだろーが!

オレが見張ってる状況下だってのに、アイツを弄びやがって!」


 

怒りのあまり、亮の拳は震えた。

美術という夢の欠片を利用して、姉を動かしたことが許せない。

ピアノという何よりも大切にしていた夢を潰しておいて、何の罪の咎めも無い顔をしているのが許せないー‥。


淳は弁解しない。亮は感情のままに叫んだ。

「そら見ろっ!テメーには罪悪感も、それを変えようとする意思もねぇ!オレにも!ダメージにも!」



亮がそこまで言ったところで、淳は亮に対して真っ直ぐにパンチを食らわせた。

地面に倒れ込む亮。すぐさま、淳が亮の上に乗る。

 

「この‥!」と亮は声を上げかけたが、それを遮るように淳が口を開いた。

「おい、」



「俺が雪をどんな方法で大事にしようがしまいが、お前に何の関係がある?」







亮は目を見開いた。

凄まじい目つきをした淳が、自分を排しようと射るように睨んでいる。

「お前、何なんだよ」



その口調は静かだった。

しかしそれに反比例するように、胸ぐらを掴む手には力がこもる。

「どうしてお前が、そんなことを気にする?」



亮は歯をぐっと噛み締めると、思い切り淳に向かって頭を起こした。

「んだコラァ!」



固い額を鼻にぶつけられ、淳は思わず地面に倒れ込んだ。

攻撃を仕掛けた亮もダメージを受け、二人は各々痛みに呻く。

「ぐっ‥」



地面に頭をつけるような姿勢の淳と、再び仰向けになった亮。

痛みに耐える二人の内、亮の方が先に半身を起こす。

「テメーこの野郎‥」



そしてまだ顔を押さえている淳に向かって、亮は先ほどの「なぜお前がそんなことを気にするのか」という問いに答えた。

「お前昔、ダメージのことも苦しめたんだろ?!

気に障るからって、片付けようとしたんだろ?!知ってんだぜ?」




そして亮は、掠れた声でこう言った。

「人は絶対変わんねーって、テメーが言ったんじゃねーかよ‥」



鼓膜の裏に蘇るのは、いつか聞いた淳の言葉。



人の核心は、変わらない。

亮は淳への不信感を、まるで偽らず口に出す。

「昔のあのことみてーなことを‥

今後テメーがダメージにまたしねぇっつー保証があんのか?」




背中越しに亮の言葉を聞いていた淳も、その内容を耳にしてゆっくりと顔を向けた。

細かく震えながら、暗く陰った瞳にその過去を映しながら。



淳のその表情を見て、亮は彼が過去を思い出したことを確信して息を吐いた。

は、と軽く笑うように。



そして亮は話し始めた。

暗い過去の記憶の引き金となる、あの頃の話を。

「二年の時のこと、覚えてるかよ?」



瞼の裏に、浮かんで来る光景があった。

それは淳と亮が、高校二年生の時に起こった事件ー‥。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<タイマン勝負(4)>でした。

いや~激しいですね。殴り合いもさることながら、内面をえぐるような言葉の応酬が‥。

しかし亮さんの言葉に、うんうんと頷く方も多かったんじゃないでしょうか。

亮はここまで淳の本質を理解してるんですねぇ。。

これで亮が「なぜ淳がこういった本質になったか」まで考えが及んでくれれば、

二人の関係も違ったものになるのかもしれませんが‥今のままじゃ難しいでしょうね。。


さて次回から、淳と亮の高校二年生時の過去回想となります。

出てくるのは実に三年半ぶり、西条和夫です。



↑‥と亮さんのようになったアナタ(笑)、<亮と静香>高校時代(1)ー西条のエピソード(1)ー

で思い出しておいてくださいね‥!

次回<亮と静香>高校時代(1)ー西条のエピソード(2)ー
です。

カテゴリは<河村姉弟>に入ります~。


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タイマン勝負(3)

2015-02-27 01:00:00 | 雪3年3部(ディナーショー第三幕)
ファイティングポーズを取る淳を前にして、亮は思わずニヤッと笑った。

無言で自分を睨み続ける淳に向かって、皮肉るように話し出す。

「いっや~‥こんなにも殴り合いに長けた奴が、今までどうやって耐えて来れたのか

サッパリ分かんねーな!」




「身体が疼いて堪んなかっただろ?

だから前にも誰かさんを最悪の事態に追い込んだんだろ?」




淳は言い返さず、ぐっと歯を食い縛って亮が話すのをただ聞いている。

「もっと早くこんな風に爆発しろよ。え?この二重人格野郎」



その亮の言葉で、微かに淳は反応した。

亮の口からは、積もり積もった悪感情が駄々漏れる。

「クソが‥最初からこうやってりゃ、皆悲惨な末路を辿らずに済んだってのに‥」



亮がそこまで口にしたところで、淳は素早くパンチを繰り出した。

続けざま、腹に向かって蹴りを入れる。

 

再び仰向けに倒れた亮の身体に、淳の蹴りが何発も入った。

亮の口から「こんの‥!」と声が漏れる。

 

「くっ‥!」



降り注ぐ攻撃を、なんとか振り払い上半身を起こした。

淳は拳を握りながら、凄まじい目つきで亮を俯瞰する。

「俺が二重人格?」



「今や問題の無いフリして雪の家族と過ごしてるお前は、どうなんだよ」



地面を這うようにして寝転がる亮を見下ろしたまま、淳は冷酷な視線を送り続けた。

似たようなシチュエーションを味わった、夏の終わりの記憶を思い出しながら。



「お前と下着泥棒と、一体どこが違うって言うんだ。

どっちも被害者意識に陥って、自分が正義のヒーローになったとばかりの勘違い‥。

結局、あちこちに被害だけを及ぼして回るゴミみたいなヤツー‥」


 

その淳の言葉を聞いて、亮はキレた。大声で叫びながら、ただ闇雲に拳を振るう。

「この野郎ぉっ!!」



「んだとぉ?!今なんつったっ?!」



心に積もった怨恨が、メラメラと燃えていた。

”被害者意識”、その言葉を自分に当てはめる淳のことが、どうしても許せない。

「被害者意識?!誰が被害者意識持ってるっつんだよ!!

被害者意識の塊なのはっ‥」


 

「テメェじゃねーかよっ!!」



亮はそう言って、力任せに淳を張り倒した。

マウントポジションを取ったまま、獰猛な獣のような目つきで淳を睨む。

「ちょっと障ったくれーで針鼠みてーに尖りやがって!誰が被害者意識持ってるって?!」



「誰がゴミみてーなヤツだって‥っ?!」










記憶の片隅に残っている、あの日の風景。

膨らんで行く希望ある未来。想像の中で笑っていた本当の家族‥。




けれど皆、消えてしまった。

目の前の男が持つ、盲目的な”被害者意識”のせいでー‥。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<タイマン勝負(3)>でした。

少し短めの記事で失礼致しました。

殴り合いの中で、だんだんと本心や積もった悪感情が溢れ出て来る感じがしますよね。

この先、二人が分かり合う結末が待っているのかどうか‥う~ん‥ですね‥


次回<タイマン勝負(4)>です。




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タイマン勝負(2)

2015-02-22 01:00:00 | 雪3年3部(ディナーショー第三幕)
殴り合いは続いていた。

素早い亮のパンチが、淳の頬を張る。

 

淳は打撃を受けた頬を庇いながら、一旦身体を低く屈めた。

続く攻撃を掻い潜る。



そして沈み込んだ反動を使って、下方から亮に掴みかかった。

その強い力に、思わず亮の顔が歪む。



ギリ、ギリと、亮の胸ぐらを掴み震える淳の手。

彼を睨むその瞳の中には、亮に対する憎しみが燃えている。



力は均衡し、互いに一歩も譲らない。

亮もまた淳を睨みながら、その瞳に憎しみを宿らせる。



亮は胸ぐらを掴んだ淳の手から逃れると、すぐさま彼の後ろに回ってその首に腕を回した。

「この野郎‥!」と言いながら、肘に力を込める。



くっ、と苦しそうな声を漏らした淳だったが、次の瞬間亮のみぞおちにエルボーを入れた。

思わず亮の口から、「ぐほっ!」と声が出る。



亮が腹を押さえて顎が下げると、すかさず淳は頭突きをかました。

固い額と額がぶつかり合い、思わず亮はその身を仰け反らす。





そしてノーガードになった亮に向かって、淳は畳み掛けるように攻撃を続けた。

亮の頬に向かって、高く足を蹴り上げる。

ドゴッ!



これには堪らず、亮は仰向けのまま地面に倒れ込んだ。

そして寝そべる亮の腹に向かって、淳は蹴りを入れ続ける。



身体を丸めるようにして防御する亮。

「くっ」と声を漏らしながら、反撃のチャンスを窺う。



そして一瞬の隙を突き、亮は起き上がった。

吠えるように大きな声を上げ、淳に掴みかかる。

「うわああああ!」



再び亮は淳の後ろに回ると、暴れる淳をかいくぐりその身をホールドした。

そのまま淳の身体を抱え上げ、地面に向かって叩きつける。

 

口には血が滲み、既に顔には青あざが浮かんでいた。

亮は歯を食いしばりながら、淳に向かって拳を向ける。



マウントポジションを取った亮は、そのまま叩きつけるように拳を振るった。

「オレは今日!すげー幸せだぜ!

何度夢の中でお前を殴り倒したか!たまんねーぜ!」


 

嬉々として拳を振るう亮に対し、淳はクロスガードを掲げ、防戦一方だ。

しかし再び隙を見つけ、亮の身体に蹴りを入れる。



体勢を崩した亮は、そのまま地面に膝をついた。

マウントポジションから逃れた淳は上半身を起こし、そのまま二人は暫し睨み合う。



張り詰める空気の中、二匹の獣は視線を真っ直ぐに交わらせ、互いを窺った。

互いの瞳の中に、同じ憎しみの炎が見える。



そして両者同じタイミングで、二人は再び立ち上がった。

互いに視線を逸らさぬまま、胸ぐらを掴んでぶつかり合う。



互角だった。

力も体格も身のこなしも、両者の強さは均衡している。



亮はニッと笑いながら、淳に向かって口を開いた。

「へぇ‥結構鍛えてんのか?」「お前よりはな」



そう返す淳に向かって、亮はより一層腕に力を込めた。

「そうかよ?!」



ぐっ、と声を漏らしながら、淳の身体が沈み込む。

しかし淳は逆にその体勢を利用し、下方から亮の頬にパンチを入れた。

 

ふらついた亮の後ろに回り込み、淳が亮の腕を取る。



しかし亮はすぐさま身を翻し、淳に向かって蹴りを繰り出した。

「くたばれこの野郎っ!」



鋭い攻撃の応酬。

しかし淳は低く身体を屈めてその攻撃をかわすと、勢いをつけて亮に向かってタックルする。

!!



その衝撃に、亮は仰向けのまま地面に倒れ込んだ。

淳もそのまま崩れ落ちる。



「ぐっ‥!」



「うっ‥」



地面に打ち付けられる衝撃は、傷を負った身体にひどく響いた。

二人は地面に膝を付きながら、ヨロヨロと身体を起こす。



「くっそ‥頭が‥」



倒れた時に後頭部を打ったのか、目の前が揺れていた。

しかし亮は再び立ち上がると、ツバを吐きながら羽織っていたジャケットを脱ぎ捨てる。



目の前には、自分より一足早く立ち上がった淳が亮のことを睨んでいた。

亮はこの状況を可笑しみながら、は、と軽く息を吐く。






顔も体も傷だらけ、文字通り満身創痍な二人だったが、どちらも止めようとは言わなかった。

言葉など無くても、いや、言葉が無いからこそ、互いの心の内が手に取るように分かる。



淳は亮から視線を外さぬまま、無言でファイティングポーズを取った。

亮はそんな淳の気概を感じ、それを受け取る。

「ハハッ!」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<タイマン勝負(2)>でした。

‥この漫画、結構喧嘩シーン多いですよね‥。

亮と淳の高校時代もそうですが、度々喧嘩のシーンがあるなぁ‥と。


そして淳も亮も強い!

亮に一発殴られてふっとんだ横山や、淳に蹴られ続けるだけだった変態さんが霞みますな‥。


‥というところで今週はおしまいです。

この先、私の願いは一つだけ。先輩、亮さんの手だけは踏まないであげて‥!!


次回<タイマン勝負(3)>です。



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タイマン勝負(1)

2015-02-21 01:00:00 | 雪3年3部(ディナーショー第三幕)


ズクン、ズクンと胸が疼く。

好き勝手に講釈を垂れる淳を前にして、亮の心の中で感情が漏れ始める。

コイツ‥何なんだよ‥。



今になって夢を探して、何が悪いってんだよ‥



オレが何しようと勝手だろうが‥何でコイツにこんなこと‥



他でもないコイツに‥







希望から絶望まで、全てを知った己の左手。

けれど絶望を知ることになったのはこの男のせいだ。

涼しい顔をして人を蔑む、今目の前にいるこの男のー‥。



瞳の中に、赤く暗い炎が灯る。

亮は俯いたまま、それが勢い良く燃え上がるのを感じていた。

「それじゃ」



そう言って背を向けようとする淳に向かって、亮はその姿勢のまま「おい、」と声を掛けた。

「頼みがある」



振り返った淳に向かって、亮は言い放つ。

「一回だけ、タイマン張ろうぜ」



その提案に目を丸くする淳。亮は続ける。

「一度お前と一戦交えてぇと思ってたんだよ。テメーだってそうだろ?」



「一回こっきりの頼み事だ!過去のこと、静香のこと、生活費のこと、会長のこと、サポートのこと、その他諸々‥。

全部無しで1対1、一度だけ殴り合ってみようじゃねーか。

互いに積もり積もったモンは多いけどよ、一度だけタイマン張って、お互い無かったことにしよーぜ。な?」


 

亮はニッと笑い、淳に向かって問い掛ける。

「どうだ?」



亮がそう言うと、淳は不意にフッと横を向いた。



そしてゆっくりと、亮の方に向き直った。

瞳孔の絞られた、獣のような瞳をしながら。

「いいだろう」



ヒュッ!



淳がそう言うやいなや、亮は淳に向かって駆け出していた。

目にも留まらぬ早さで、右ストレートをお見舞いする。

「男に二言はねぇなっ?!」



「OK?!」



バキッ!という破裂音と共に、亮のパンチが炸裂した。

その勢いで地面に倒れ込む淳。亮はすぐさま倒れた淳の元に駆け寄る。

「死ねやぁっ!」

 

亮はそう叫びながら、高く足を振り上げた。

攻撃が加えられる一瞬の間。淳はそこを見逃さなかった。



ドゴッ!



地面に両手をつきながら、起き上がる力を使って亮の顔を蹴り上げる。

亮はダメージを受けながら、その場で二三歩たたらを踏んだ。

「ぐっ‥がっ‥」



その痛みで、亮のスイッチが入り直す。

赤く燃え盛る炎を宿した瞳で、淳の方へと向き直った。



淳は首を回しながら、羽織っていたコートを脱いだ。

亮からもらったパンチで口の中が切れたらしく、ペッと血を吐き捨てる。



向かい合う二匹の獣。

亮を見据える淳の瞳からは、完全に光が消えていた。



仄暗い瞳に宿る本気。

亮は淳のその感情を感じ取り、思わず口角を上げた。



「かかってこい!この野郎ぉ!!」



互いが本気を示し合い、二人は拳を交わし合う。

深夜の公園に、打撃音が響く‥。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<タイマン勝負(1)>でした。

始まりました、タイマン勝負!

今まで衝突しても殴り合いの一歩手前で止めていた二人が、とうとうぶつかりましたね。

攻撃のタイプとしては、亮さんが手技、淳が足技といった感じでしょうか(格闘技解説か!)


次回は<タイマン勝負(2)>です。

ほとんど台詞ありませんけどね‥




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