Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

自主ゼミ開講<雪の場合>(3)

2013-05-28 15:58:11 | 雪2年(復学~球技大会前まで)
「私‥ちょっとお手洗い行って来ます」



雪は逃げるように席を立った。

雪の居なくなった教室では、男衆も五分間の休憩に入った。





冷や汗が止まらない。







先ほどの視線が蘇る。







見られた。







ガタガタと手が震える。







気付かれた?バカにしてるのを?


‥いや全部だ。最初から最後まで



全部











雪は鏡に映った自分に、ニッと笑いかけた。



こんな風に、一人で笑ってたから見てただけでしょ。

元々良くは思われてなかったんだし、絶対そうだ。


雪は思い直し、トイレを後にする。


すると、


カツカツカツ


足音が近づいて来た。






影がこちらに向かって歩んでくる。






まさか‥







「ぎゃっ!」



佐藤先輩が飛び上がって驚いた。

「お前なんでそんなとこに突っ立ってるんだよ!」と、よほどびっくりしたのか、ブルブルと震えている。

雪は勘ぐり過ぎた‥と安堵のため息を漏らした。



それを見て、佐藤先輩が舌打ちをする。

「お前、青田じゃなくてガッカリしてんだろ。」



はい?と口にする雪に構うこと無く、佐藤先輩は雪をなじった。

「トボケるなよ。どうせ横山から聞いて入って来たんだろ。ペラペラしゃべりやがって‥」

佐藤先輩はそう言うなり、せいぜい頑張ってくれよと踵を返した。

雪はあの人あんなだったっけ?と目を丸くする。



きっとストレスが溜まっているのだろう。


不穏な空気は、皆の歯車を少しずつ狂わせていた。




教室に戻りつつも、ざわついた胸の中は静まることがなかった。

嫌な予感がする‥。何もなければいいけど‥






ようやく自主ゼミが終わり、みな一斉に帰り支度を始める。



ホストである佐藤先輩に構うことなく、ビリヤードへ行こうかと柳先輩と横山の友人は談笑したりした。

雪はそそくさと出口に向かった。

青田先輩はまだ荷物の整理をしていて、雪は彼を追い越して教室を出た。



トボトボと歩いていると、

またもや床に足を取られた。




わぁっ?!







「大丈夫?」





「ここ、ちゃんとワックスかかってないんだよ」

















「今度からは気をつけろよ」






「な?」












グッと、肩に置かれた手に力がこもった。





よっと、と青田先輩は雪の体を起こして、滑らないように立たせてやった。


「それじゃあね」




ニッコリと笑う彼の後ろで、

「おお~赤山ちゃんやったじゃーん!」と、柳先輩が雪の役得をからかった。


















足元から波のように、寒気が立ち上ってくる。


怪しい雲行きが漂い、








ザワザワと蝕まれるように、全身に鳥肌が立った。










その時改めて省みたのだ。



私の迂闊な過ちを。









雪の肩に、手の圧迫感が残っていた。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




<雪の場合>は、これで終わりです。

結構いろんな人が出て来ましたね。

人々のランクの差とか、変な嫉妬や誤解とか、誰しもが経験したことがあるような

気まずさと憂鬱が詰まっていました。

しかしなんといっても最後の青田先輩ですよね‥。

あの”警告”を言うために雪の後から教室を出たんだとしたら、超怖いっすね!


次回は青田先輩の自主ゼミ開講<淳の場合>です。



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2 Comments

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Unknown (munmun08)
2022-05-26 13:43:06
ライン漫画では、描かれてない絵もあるのですが、韓国版には、
ね!の先輩の怖い目の絵も描かれていたんですか??日本版?というか、ライン漫画結構省かれているんでしょうかね?見れば見るほど、あれ?と思う場面ありますねー。こりゃぁ何回りもしないとみえませんね…笑
munmun08さん (Yukkanen)
2022-05-26 23:45:32
なんと!この記事から9年経っての1コメ!
ありがとうございます^^!

>ライン漫画結構省かれているんでしょうかね?
そうなんですよ〜〜。1部は特に、省かれてる箇所がたくさんあります。
そこの部分を読むには、当ブログか、KADOKAWAさんから出版されている日本語版の単行本をご覧になると読めます!

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