Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

<雪と淳>曰く

2016-04-29 01:00:00 | 雪2年(曰く~閉講パーティー)
机の上には、山のようなテキストと缶ジュース、そしてキャンディー。



図書館にて、今雪は猛烈勉強中である。



彼女の前に座る聡美と太一は、一向に顔を上げない雪のことをじっと見つめていた。

彼女がペンを動かす音が、延々と図書館に響き続けるのを聞きながら。



「静かに燃えてるわね‥」「冷たいフィーバーが感じられマス」

「分かんないとこ聞きたいんだけどな‥こりゃ無理だわ‥



そんな二人の言葉も耳に届かないくらい、雪は集中していた。

その切れ長の目で、一文字も漏らすこと無く目の前のテキストを追って行く。



体調が良くなった途端、待ってましたといわんばかりにすぐに期末試験がやって来て、

信じられないくらいの早さで一週間が過ぎて行った。




ついこの間ストレスで倒れたというのに、もう雪は普段通りの生活をしていた。

なにしろ期末試験は待ってはくれない。ここが踏ん張りどころなのだ。





うぅ~ん



長時間集中したので、身体が凝り固まっていた。

一度ぐっと伸びをする。

すると‥



視線の端に、彼の姿が映った。

疎ましいあの後ろ姿‥。



青田淳。

彼の姿を見掛けるだけで、雪の胸中はモヤモヤと煙る。



ありとあらゆる感情が蓄積して、その容量は限界を越えようとしていた。

その渦中でも、



ふと以前のことを思い出して、



打ち明けたくなることも‥



雪は二人に向かって、その重たい口を開く。

抱えに抱えた、その曰くを伝えるために。

「あ‥あのさ‥」



「多分‥信じてもらえないだろうけど、私、散々な目に合ってきたの」

「二人にとっては非の打ち所のない先輩だろうけど、

私にとっては‥どこか不気味で胡散臭く思えちゃって」


「私‥神経質だから単に考えすぎてるだけかな?

もしそうだとしても、アンタ達が私の話を聞いて一緒に怒ってくれたらいいな‥」






「ん?」



聡美と太一が、目を丸くして雪の方を見ている。

雪は「あのさ」と言ったきり、実際はその続きを口にはしなかったのだ。



雪は首を横に振った。曖昧な笑みを浮かべながら。

「ううん、勉強勉強」



何よぉ、と聡美は不服そうだったが、

雪はやはり続きを口に出しはしなかった。

未だ胸中は不穏に煙っているけれど。



勉強しよ



煙った胸中をそのままにして、雪は無理やり頭を切り替えた。期末試験はもう目の前だ。

雪はイヤホンを嵌めて音楽を流しながら、今一度机に齧りつく。



イヤホン越しでも微かに周りの声が聞こえるが、特に気に留めはしなかった。

雪はただじっとテキストだけを追いながら、目の前に積まれたやるべきことに没頭する。








しかしとある内容に差し掛かった時、ペンが止まった。

雪は頭を掻きながら、前に居る聡美に話し掛ける。

「あー分っかんないや。ここってさぁ、ライリーの‥」



すると。

「まずライリーの法則に従って、Cから他の都市への人口誘引比率を見てみると‥」



雪は思わず「ヒィッ!」と息を飲んだ。

そして飛び上がったその拍子に、机で膝を強打する。

ガツン!



「~~~ッ!!」「??」「どしたの?寝ぼけた?」







雪は目を見開きながら顔を上げた。

目の前にはキョトンとした表情の聡美、太一、そして、青田淳。



挙動不審の雪を見て、聡美と太一はニヤニヤと彼女をからかった。

「見てないフリ見てないフリ」「恥ずか死寸前デスね」「ち、違っ‥!」



雪は顔を赤くも青くもしながら、その突然の出来事にただ面食らっていた。

しかし青田淳は何も気に留めない体で、聡美達に淡々と説明を続ける。

「それでここが100分の‥」「おおー!」「あーそっかそっか~!」



二人は心から納得したような顔で、青田淳の説明に聞き入っていた。

すると聡美が雪の方を向き、更にこう続ける。

「ねぇ雪、あたし次の所も聞きたいからちょっと待っててくんない?」



「う‥うん‥」



雪は戸惑いながらも、渋々頷いた。

青田淳は雪の方を見ないまま、説明を続けている。

「ここはコンバース数式を使えって問題にあるから‥」



そこに居るのは”青田先輩”だった。

優等生で人気者、常に人に囲まれている模範生‥。



けれど雪は知っているのだ。

この先輩には、もう一つ裏の顔があることを‥。



雪は顔を引き攣らせながら、現状に戸惑い目を逸らした。

胸中は、やはり不穏に煙り続けている‥。

モヤモヤ‥モヤモヤ‥





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<雪と淳>曰く でした。

三週間ぶりの連載再開~嬉しいですね~

スンキさんの体調も回復されたみたいで何よりです。

前回の続きからまた現在に戻るのかとも思われましたが、丁寧に時系列繋いで行きますねぇ。

この徐々に繋がって行く感じが面白いです^^


ブログは再び一日おきの更新を目指しますが、如何せん書き溜めが出来ないので少し間が開くこともあるかと思います。

ですので、生温く見守って頂けると幸いです‥


次回は<雪と淳>空虚 です。


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アヲタ祭り

2016-04-24 01:00:00 | Movie
皆さまこんばんは

怒涛のアヲタ祭りを祝して(?)動画を一本作りました。

今回はドラマのOSTから一曲!

Hide and Seekです!

全て英語歌詞なので、チートラ成分多めで字幕入れてます。

意訳になってますのでそのへんはご容赦下さいね~


しかしそんなこんなでもうあと数日で連載再開!

一日も早く記事をアップ出来るように頑張ります~

最後は良い子淳に締めてもらいましょう‥



ではまた近いうちに



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<雪と淳>チーズインザトラップ

2016-04-23 01:00:00 | 雪2年(学祭後~保健室にて)
今まで生きてきて、ただの一度も自分の行動に後悔なんてしたことは無かった。



けれど今回は。

今回だけは‥。







どうしてやろうか‥



彼女と自身の間には、一向に縮まない距離がある。

それは遠い遠い距離でありながら、会話一つ入り込む隙間も無い。

どうすればその距離は縮むのか? どうすれば逃げる彼女を捕まえられるのか?



光が消えた淳の瞳が、舐めるように彼女を観察した。

目の前に横たわる彼女は、疲れ果てた顔ですぅすぅと寝息を立てている。







今まで見て来た彼女の性分と、彼女が抱える様々な問題。

それらを総合して考えると、彼女は身の丈以上の重荷を抱えて生きていることが分かった。

ではどうするか。淳は考え続ける。

目の前にある、細い首筋。

絞めればすぐに息が止まってしまいそうなほどに。



次の瞬間、心の声が全身に響いた。

ゆっくりと‥



逃げられないように‥



それは徐々に淳に確信を与え、口から言葉が零れ出る。

「赤山雪‥倒れて‥軟弱で‥」



一つ一つのファクターが、だんだんと線で繋がれて行く。

まるで蜘蛛が音も無く糸を張り、ゆっくりと獲物を囲い込んで行くように‥。




今まで目にして来た「赤山雪」という人間の核(コア)が、淳の脳裏に次々と浮かび始めた。




父親に認めてもらいたいと言って、歯を食い縛ってその感情に耐える彼女。




ごめんなさい、わざとじゃないと口にして、何かに縛られ苦しむ彼女。




時の狭間に沈み込み、一人ぺしゃんこになっている小さな彼女。





もうとっくに目にしていたじゃないか。

彼女が一番欲しいもの。

彼女が一番、縋ってくるであろうものを‥。



衝撃が走った。

今まで見聞きしてきた全てが繋がる。

必要なのはこの一言だ。

困っている彼女を見つけたら、ただこう一言発すればーーー‥。



「雪ちゃん」








淳の声が、しんとした室内に響いた。

今はまだ、彼女の耳には届かないが。



彼女を見下ろす淳の表情は、今までとはがらりと違う顔をしていた。

優等生で人気者の”青田先輩”が、まるで初めて彼女に出会ったかのような。



”青田先輩”は、眠る彼女に呼びかけ続ける。

「雪ちゃん」



爽やかで、人懐こそうな笑顔を浮かべながら。







彼女は深い眠りに就いている。まだ起きる気配はない。

淳は彼女を見下ろしながら、まるで”青田先輩”を練習するかのようにこう口にした。

「一緒に課題やろう?一緒にご飯行こう?」






目を覚ました彼女にこう声を掛けたら、どんな反応をするだろう。

きっと顔を引き攣らせながら、それでも断りきれず、おそらく渋々でも受け入れる‥。



淳は”青田先輩”の笑顔を暫く浮かべていたが、

不意に滑稽な気分になってスッと表情を戻した。

俺は一体何をやっているんだろうと、少しバカみたいな気分になりながら。



「う‥ん」



すると雪が、小さく声を漏らしながら体勢を変え始めた。

淳の声が届いていたのか、寝ぼけながら返事をする。

「は‥い‥」



「う‥うう‥」



無意識にもかかわらず淳の呼びかけに返答する彼女を見て、淳は思わず軽く息を吐き捨てた。

なんだかままごとでもやっているかのような気分だ。



彼女はイモムシのように布団にくるまり、ううんと小さく唸っている。

その姿はどこか滑稽で、可笑しかった。



これも赤山雪という人間の一つの性質だ。

見ているこっちが、思わず拍子抜けしてしまうような一面‥。



彼女が見せる全ての面を、これから受け入れて行くのだ。”青田先輩”として。

彼女が助けを必要としている時に手を差し伸べ、その努力を認め、慰めてやる。

いつか彼女が”青田先輩”から、離れられなくなるその時まで。





ネズミはチーズを差し出されたら抗えない。

そして気がついたら、罠に掛かっているだろう。





もう、二度と逃げられない。






彼はそのまま暫くの間、じっとその場に佇み続けていた。

胸の中にある不確かな何かは、行くべき道筋を見つけて弾んでいる。

そう、必要なのはこの一言だけだ。

「雪ちゃん」




”青田先輩”は最後にもう一度、彼女の名前を呼んで微笑んだ。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<雪と淳>チーズインザトラップ でした。

淳が雪に近づき始めた理由が、ようやく明らかになりました。

まるでこの漫画のタイトルを表しているかのような回‥!鳥肌ですよね。

というか本当淳がエキセントリックすぎて‥

”青田先輩”の練習をする淳‥。

「一緒に課題しよう?一緒にご飯行こう?」


↓練習の成果(笑)

 

本当に意図から始まったんですね。

まるで罠にネズミを掛ける為に道筋にチーズを置いていくような過程です。

あの人間性までもガラリと変わったかのような淳の態度は、彼が変わったのではなく、

変わらない彼が雪へのアプローチ方法を変えただけ、だったのですよね。

これを踏まえて淳目線で1話から読み返すと、また違った発見があります。


そして今は、自分が組み敷いたその意図が逆に足枷になって、

本心を曝け出せないというジレンマ。





しまいには更に意図を重ねて、

自分から離れられなくする方向へと行ってしまっているという‥。

「ほら、やっぱり俺しか居ない」


このままじゃまずいことは分かるんですが、

どうやったら淳がその考え方を止めることが出来るようになるのか。

最終回までになんとか真人間になって欲しいですが‥。

雪ちゃん次第ですね。雪ちゃん‥ファイティン!


‥ということで、とうとう本家最新話に追いついてしまいました。

また以前のように本家更新日が来たら翻訳、記事執筆と進めて出来るだけ早くアップ出来るように頑張ります

これからもよろしくお願いします!


早速ですが、明日一つ記事をアップしたいと思います。

この怒涛のアヲタ祭りを祝して‥笑

ではまた明日!


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<雪と淳>その正体

2016-04-21 01:00:00 | 雪2年(学祭後~保健室にて)


眠り続ける彼女の前で、

淳は自身の胸をざわめかせるその感情の正体について、思いを巡らせ始めた。

変な話だけど‥



ずっともどかしかったけど、今はちょっとは分かった気がするんだよ



どうやら、俺の気持ちが変化したらしい。そっちの方がもっと変だけど。




「人生には、予測出来ないことがある」

今まで実感出来なかったその言葉の意味を、今淳は実際に噛み締めていた。




健やかに眠る彼女。

淳はそんな雪の寝顔をじっと見つめ続けている。


君を見ていると、



胸の中にある正体不明の何かが暴れ出す。



だけど




脳裏に、あの日の彼女の姿が思い浮かんだ。

時と喧騒の狭間に埋もれた自分が、初めて同類を見つけたあの日の彼女が。


だけどもしかしたら、君によって生じたその正体不明な何かは、

君を通じてまた静まったりもするんじゃないのか?




ある瞬間から、そんな結論に達した。








顔の無い群衆の中で、ただ一人彼女だけがはっきりと見える。

彼女だけには色があり、彼女だけに表情がある。

だから淳の目は、彼女ばかりに惹き寄せられる。


だから‥どうして?




どうしてそう考えるようになったのだろう。

嫌になるほど自問自答を繰り返して、いつしか結論が出ていた。


根拠は無いけど‥



今までのこと、全てが悔やまれて



もう一度確かめたくて‥




あの時、確かに彼女と目が合った。

けれど今までの自分が足枷になって、踏み出せない。

彼女は、再び背を向けて去って行く。





今更‥ね



彼女と淳との間には、一向に縮まない距離があった。

そしてその距離を作り出したのは、他でもない自分自身だ。

それは淳も自覚していた。

ただの一度も、自分の行動に後悔なんてしたこと無かったけど‥



今回だけは‥







ロールスクリーンが、吹き込む風で微かに揺れていた。

それを眺めながら淳は、結論のその先へと考えを進めて行く‥。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<雪と淳>その正体 でした。

少し短めの記事で失礼しました。もう次回で最新話に追いつくので、ちょっとゆっくりペースです。


そして今回は淳のモノローグ回!結構希少ですよね。

まぁ、独特の思考回路を持つ彼の心情が読めたところで、結局あまり共感は出来ないんですけど‥(苦笑)

「雪によって胸の中に生じた不確かな何か」を確かめる為のアレコレ‥。かなりの手探り感ですよね。

彼がその正体をはっきりと悟るのは、それはそれは先の話ですし(^^;)
(私的には聡美のお父さんが運ばれた病院で「俺の彼女」と呟いたあの時かな、と思っています‥)


そして次回は、色々と繋がる記念すべき回になりますよ!


<雪と淳> チーズインザトラップ です。


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<雪と淳>覆われた瞼

2016-04-19 01:00:00 | 雪2年(学祭後~保健室にて)


ぼんやりと目を開けた雪は、目の前に立っている人の方へとゆっくりと焦点を合わせた。

瞬間、彼女の目が大きく見開かれる。



雪はモゾ、と身体を動かした。

朦朧とした意識の中で。







完全に覚醒する前に、その瞼は大きな手の平で覆われた。

淳は横たわる彼女に向かって、呪文のようにこう囁く。

「まだ寝てな‥」








彼のその声を聞いても、雪はその手を振り払ったりしなかった。

代わりに、小さな声でこう呟く。

「まだ行ってなかったの‥」



雪は、淳を聡美と混同していた。

瞼を覆っているその手に、雪はゆっくりと自身の手を伸ばす。



先ほど見た、聡美の泣き顔が雪の脳裏に浮かんでいた。

雪は消え入りそうな声で、聡美に向かって言葉を紡ぐ。

瞼を覆うその手を、優しく撫でながら。

「優し‥いね‥早く行って‥」



「ありがとう‥」









彼女の瞼を覆っている手が、燃えるように熱かった。

しかし自身の手に伸ばされた彼女の手は、氷のように冷たい。



淳は自身の手で半分以上隠れた彼女の顔を、ただじっと見つめていた。

先ほど彼女が口にした「ありがとう」が、鼓膜の裏に反響する。







弱々しく動いていた彼女の手は、やがて動かなくなった。

再び眠りに就いたのか、ゆっくりと雪の手の力は抜けて行く。








彼女の手が滑り落ちても、淳は暫くその体勢のまま動かなかった。

その動きが完全に止まるまで、淳は瞼を覆い続ける。



そしていつしか、その手を外した。

雪が再び深い眠りへと落ちて行ったのを確認してから。








暫し淳は彼女の寝顔をじっと見ていた。

が、やがてゆっくりと前を向いた。

胸の中では、説明のつかない感情がざわざわと騒いでいる。







彼女の瞼を覆っていた左手が、まだほのかに温かい。

淳は手を腰に当てながら、布団から半身を出した雪にもう一度視線を落とした。

すると彼女のジーンズのポケットから、紙切れがはみ出しているのが見える。



淳はそれをそっと取り出し、何が書いてあるかを眺めてみた。

表面には家庭教師のバイト先の連絡先、裏面には「英語塾のアシスタント」という文字や、

彼女が書き込んだ「勉強時間確保」という文字が読める。



今彼女が抱えている様々な問題が、その紙切れの上に溢れていた。

淳はそれを半分に折ると、彼女のポケットにそっと仕舞い直す。






そしてめくれていた布団を引っ張って、身体全体が隠れるように掛けてやった。

風が入り込まないように、布団の端をぎゅっと押さえる。



再び仰向けで眠っている彼女の口からは、すぅすぅと健やかな寝息が聞こえて来ていた。

顔色は相変わらず悪いが、もううなされてはいないみたいだった。







何をするでもなく、淳はただその場に佇み続けた。

外ではまだ風が鳴っているのか、隙間から入って来たそれでカーテンが揺れている。



淳は腕を組んだ体勢のまま、揺れるカーテンをじっと見つめていた。

風で揺れるこのカーテンのように、自身の胸の中に揺蕩う靄を、

可視化出来る何かがあればいいのに。




自身の感情を波立たせ、胸をざわめかせるその感情の正体について、淳は改めて考え始める‥。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<雪と淳>覆われた瞼 でした。

まさかの「まだ寝てな」アゲイン!



212話にも出てきましたね。



こういった過去があるから、

「君も俺も変わってないだろう」というのが淳の結論なのか、となんとなくシックリ‥。



全てつながっているのですね‥。


次回は<雪と淳>その正体 です。


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