夢逢人かりそめ草紙          

定年退職後、身過ぎ世過ぎの年金生活。
過ぎし年の心の宝物、或いは日常生活のあふれる思いを
真摯に、ときには楽しく投稿

老ボーイの私は、齢を重ねるたびに、なぜかしら家内に従順となり・・。

2016-07-09 14:46:21 | ささやかな古稀からの思い
私たち夫婦は子供に恵まれなかったので、我が家は家内とたった2人だけの家庭である。
そして雑木の多い小庭に古ぼけた一軒屋に住み、お互いの趣味を互いに尊重して、日常を過ごしている。

日常は定年後から自主的に平素の買物担当となり、
毎日のように独りでスーパー、専門店に行ったりし、ときおり本屋に寄ったりしている。

その後は、自宅の周辺にある遊歩道、小公園などを散策して、季節のうつろいを享受している。

定年前の私は、現役時代のサラリーマンの時は、数多くの人たちと同様に多忙で、
家内は専守防衛長官の専業主婦であり、日常の洗濯、買い物、料理、掃除などで、
家内なりの日常ペースがあり、この合間にささやかな趣味などの時間で過ごしてきたので、
定年後、多々の理由で年金生活を始めた私としては、このペースを崩したくなくなったのである。

私はときおり、庭の手入れをしたり、友人と居酒屋など逢ったり、
家内との共通趣味の国内旅行をしたりしている。

日常の大半は、随筆、ノンフィクション、現代史、総合月刊雑誌などの読書が多く、
或いは居間にある映画棚から、20世紀の私の愛してやまい映画を自宅で鑑賞したり、
ときには音楽棚から、聴きたい曲を取りだして聴くこともある。

このような年金生活を過ごしているが、何かと身過ぎ世過ぎの日常であるので、
日々に感じたこと、思考したことなどあふれる思いを
心の発露の表現手段として、ブログの投稿文を綴ったりしている。

こうした中、家内は私がパソコンに向っていることは解っているが、内容に興味はなく、
飽(あ)きずにしているわ、と苦笑したりしている。
                       

そして年金生活を始めた私としては、家内は相変わらず洗濯、掃除、そして料理などをしているので、
もとより家内の方が負担が多いので、私は茶坊主に徹している。

そして私は家内に、日に少なくとも6回ぐらいは、
さりげなくコーヒー、煎茶を淹れたりしているので、茶坊主にふさわしい、と思ったりしている。。

家内は血液型がA型のなせる技(わざ)か、
私から見れば、掃除、洗濯、料理などを完璧にするタイプである。

私はB型の血液らしく、何事もアバウトであるが、
好きな事に関しては1食抜いても、大差がないと思っているタイプである。

私たち夫婦は、お互いの趣味の世界には、介入せず尊重している。
私たちは、いつの日にか、どちらかが独り身となった時、
趣味の世界があれば、それなりに生きがいを失うことなく過ごせると思っている。
            

共通の趣味は国内旅行であるが、こうした時は共有する時間が多いが、
多少の差異があったりする。

家内は、和菓子屋で煎茶か抹茶を頂きながら、
その地の銘菓を味わうのが趣味のひとつであるが、
私は家内に準拠して、その地の文化のひとつを享受したりしている。

旅先から帰宅後、買い求めた地酒を呑みながら、家内が選定してきたその地の食べ物を頂だき、
旅先の風土に思い馳(はせ)せながら、まぎれない文化のひとつである、
と家内に話しかけたりしている。

『XXちゃんさぁ・・先ほどの食べ物・・イマイチであるが、これは絶品だょ・・奥が深いょ・・』
と私は家内に言ったりしている。

家内は、私の独断と偏見の悪い癖が始まったわ、と苦笑している。
                       

私は日中のひととき、買物に行ったり、散策をする以外は、
居間にいることが多く、ときには本棚をぼんやりと見る時もある・・。

私のパソコンを置いてある机の後方には、少し大きめの本棚が2本ある。
この本棚の最上段には最も敬意している本を置いている。

『世阿弥芸術論集』(新潮日本古典集成)、
栗山理一・編の『日本文学における美の構造』、
北 一明・著の『ある伝統美への反逆』、
上田三四二・著の『この世 この生~西行・良寛・明恵・道元~』、
安田章生・著の『西行』、
中野孝次・著の『西行の花』などの単行本が並んでいるが、
先ほどの背後の本を眺めていたら、配置の順番が変わっていなく、永久欠番のようだ、と微苦笑することもある。

私は高校に入学して、突然に読書の底知れぬ魔力に魅了されて、
映画・文学青年の真似事をした時期もあったりした。

この間に友人に上げたり、月刊の雑誌などは捨てるようにしてきたが、
結果として高校時代より買い求めた5000冊前後の本となり、
書庫の本棚や押入れに入れたりしている。

やがて2011年(平成23年)3月11日の東大日本震災後、本格的に本の整理をし、
やむなく2000冊を処分したが、3000冊は残している。
この中には、私の青年期に定職に就かず、食事を抜いて買い求めた本もある。
            

こうした中で、居間の本棚は本を並列に置いてある前の15センチぐらいのスペースに、
家内がディズニーランド、シーなどで買い求めたキャラクター・グッズが、ここ15年置いてある。
もとより家内が置いたのであるが、ミッキー・マウスなどが、ちょこんと居座っている。

ときおり私は苦笑しながら、私の苦手のディズニーのキャラクター品を見詰めたりすることもある。

そして私は、人生を過ごし生活を共にするには、ときには妥協も必要、
と心の中で呟(つぶや)く時もある・・。
                      

遥か遠い昔、1975年(昭和50年)、私は家内と交際して婚約する前の頃、
家内は茶事を中学生から習い続けていたことに好感し、
私は無知な和事を少し学べるかしら、と秘かに微笑んだりしていた・・。

そして翌年の春に結婚日が近づくと、
新居の賃貸マンションの一室に、私たちはお互いに荷物を運び入れたりしていた。

この時に、家内の荷物の中から、数多くの茶道具は予期し、
私は家内と共に、梱包された箱から取りだしたりしていた・・。
この後、もとより衣服などの箱もあり、そうした箱の横に、ひとつの箱があった。

そして家内は嬉しげに、この箱を開けたら、
何故かしら10センチぐらいの背丈のミッキー・マウスを見た時は、
私は驚きながら、
『俺・・知らなかったよ・・聞いてもいなかったし・・』
と私は小声で家内に呟(つぶ)やき、そして溜息をしたりした。
            

私は家内と結婚して、苦楽を共にして丸40年が過ぎているが、
私たち夫婦の結婚生活で、何より最大の誤算は、子どもに恵まれなかったことである。

その次には、私としては家内がディズニーのキャラクター品が好きである、という現実である。
そして東京ディズニーランドには、私たち夫婦は結婚して7年頃に訪れ、
ディズニーに18年前の頃、付近のリゾートホテルに宿泊して、訪れたりしてきた。

こうした中、私はネズミを変貌させたミッキーなどが、どうして可愛らしいか、未(いま)だに解らない。

もっとも私は、幼年期から犬とか猫も苦手な身であり、樹木、花をこよなく愛し、
植物園だったならば、たとえ今でも日参しても苦にならない。

しかし家内は動物大好きで、遠い北海道の旭山動物園に、
私たちは北海道を旅路した際に、3度も遠征し、私はボディガード兼お供で付き合わされた。

このように私たち夫婦は、風変わりなカップルであるが、
離婚騒動もなく、一年に一度ぐらいは、夏季のクーラーの冷気で険悪となった時ぐらいである。

家内は冷気が苦手で、私は何よりも熱さが苦手で、クーラー大好きなタイプなので、
私の現役時代には、毎年の夏の初めの頃に、冷たい戦争があったりしたが、
ここ10数年、熱い時節は、我が家の居間は27度に設定し、軽井沢のようだねぇ、と私は家内に言ったりしている。
                      

しかしながら定年後の年金生活の中、私は現役サラリーマン時代の緊張感もなくなり、
65歳を過ぎた頃から体力も衰えを実感し、なぜかしら家内に従順となり、
『ハイ! XXちゃんのおしゃる通りです!』
と私は自衛隊の若き諸兄に負けないように明るい声で、家内に応(こた)えている。

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コメント (2)
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