まさか中国について続編を書こうとは、わたしは思ってもみませんでした。「中国という不可解な国」をこのコラムに載せたのは9月28日。その記事で、中国と言う呼称はやめて、チャイナと呼びたい。そのように書きましたので、これからは原則「チャイナ」と隣国を記します。日本を、ニホン・ニッポンと言わずに、「ジャパン」と呼ぶようなものですかね。
さてチャイナ連載の理由はコラム「福田和也・世間の値打ち」に出会ったことも一因です。
福田氏は、尖閣諸島問題での政府と官邸の対応は、無策かつ無様の一言で、評価は5点。
各メディアの対応・検証は珍しく迅速かつ正確で55点 (えっ! そ、それでも、わずか55点ですか?)
そして中国への日本国民の意識覚醒度は80点 (パチパチ!)<「週刊新潮」10月14日号>
わたしもですが、多くのジャパン国民が、この事件をきっかけに、チャイナという国を見つめ、深く考えるいい機会になったように感じます。メディアとして新聞・TVは当然ですが、雑誌記事やラジオのコメント、そしてインターネットからの情報も大きな影響を与えたと思います。遅れて発行される書籍情報はまだですが、もうすぐです。これも楽しみですね。
また家族や友人仲間でも、チャイナ情報は持てはやされました。わたしも酒席で話題にこと欠くと、「チャイナは…」。それだけで、全員がいつも盛り上がりました。驚くほど共通の酒の肴サカナ話題になったわけです。島の名前が「釣魚」ですし、老若男女を問わず、ジャパン国民のほぼ全員が盛り上がる共通の話題を、サカナ釣りから得たと言うのは、久しぶりの国民的大収穫であったと思っています。チャイナの船長はじめ、中華国のみなさんに感謝! すばらしいサカナ釣りの大漁だったようです。
さてチャイナという国がこれほどに、態度がデカクなったのはいつごろからか? 北京オリンピックの成功確信からはじまり、南シナ海での横暴事件、そして上海万博がはじまり、チャイナのGDP国内総生産がジャパンを追いぬいて、世界第2位になると自慢し出したころ。そのような流れの中から、チャイナは大中華意識を、東アジアの隣諸国などにあからさまに誇示し出したように感じます。
さてGDPとは何か? 世界のGDP国内総生産上位10カ国をみます(2009年IMFレポート)。単位は10億USドル、指数は日本を100。
ドル(10億) 指数
1 アメリカ合衆国 14,256 281 凋落の米国ですが、やはり大きい。
2 日本 5,068 100 どこが2位や! という実感。
3 中国 4,908 97 円ドル元の為替変動をみても、2010年2位当確です。
10数年で米国を抜く、という予測もあります。
4 ドイツ 3,352 66 さすが独逸。健闘か。
5 フランス 2,675 52 なぜ豊か? 観光? 葡萄酒それとも兵器輸出?
6 イギリス 2,183 43 苦しいといいながら…
7 イタリア 2,118 41 へらへら生きているようですが。
8 ブラジル 1,574 31 大健闘ではないでしょうか。
9 スペイン 1,464 28 ギリシアの次のEU破綻国? ポルトガルも…
10 カナダ 1,336 26 資源国です。
これを見ますと、欧米各国と日本とチャイナ、そして南米ブラジル! おそらくBRICsの、ロシアとインドが近いうちに、ベスト10に入って来るのではないでしょうか?
つぎに国民ひとりあたり国内総生産を見てみましょう。2009年IMF統計では180カ国ほどが出ていますが、朝鮮民主主義人民共和国が見あたりません。アメリカ中央情報局CIA集計では、北朝鮮は188カ国中なんと136位。1,239USドル! 政府高官が、ポッポに入れてしまうからこのように不審で高い統計が出てしまうのでしょうか? 北朝鮮の後ろに、まだ50カ国ほどの貧しい国民が控えているのですよ。北の庶民はとことん苦しいはずだと、わたしは確信しています。金正恩は実体を、知るべきです。
以下、IMF統計から主だった知名度のある国を紹介してみます。
1 ルクセンブルク
2 ノルウェー
3 カタール
4 スイス
5 デンマーク
6 アイルランド
7 オランダ
8 アラブ首長国連邦
9 アメリカ合衆国
10 オ-ストリア
11 オーストライア
12 フィンランド
13 スウェーデン
14 ベルギー
15 フランス
16 ドイツ
17 日本 日本は17位! 決して世界に誇る豊かな国ではありません。
国の総和が大きいのであって(それもチャイナの次)、国民ひとり平均はこの程度。
ルクセンブルクはジャパンの2.6倍。2位のノルウェーは2倍です。
18 カナダ
19 アイスランド
20 シンガポール
21 イタリア
22 イギリス
23 スペイン
25 ギリシア
27 ニュージーランド
35 チェコ
37 韓国
48 ポーランド
58 ロシア
59 ブラジル
72 南アフリカ共和国 この国も、貧富の差が激しい。
84 イラン
92 タイ
97 中国 人口13億人以上を擁すチャイナは、たくさんの国民の貧困に支えられているのです。
10億を超す貧民が、革命を起こしても納得せざるを得ない国なのです。
また不正と人権無視は許せません。今年度のノーベル平和賞には、敬意を表します。
111 ウクライナ チャイナ同様、政変は?
117 イラク
121 フィリピン
123 モンゴル
136 ベトナム 上昇は間違いなし。
138 インド まだまだ伸びる?
147 カンボジア ここも上昇余地あり。世界の資本はチャイナから東南アジア各国に向かう?
164 ミャンマー チャイナ同様、人権無視の政情不安がネック。
179 ブルンジ IMF調査のビリ国。アフリカ・コンゴの隣りです。
国力ではなく、国民一人当たりがどうなのか? 為政者がつとめるべき目標は、国民ひとりひとりの豊かさなり満足、幸福度を指数とすることではないでしょうか? 日本も、チャイナも、その他大勢の国々の国民も、国力に比例せずに、大差はあれみな貧しいのです。せめてあえて言えば、ジャパン国民の大多数は決して豊かではないのです。
大韓民国がアメリカのシンクタンクに、ある調査を依頼していました。そしてごく最近に予測値が出ました。調査事項は「韓国のひとりあたりGDP国内総生産は37位と低位だが、いつか日本を抜くのか?」。答えは、2031年に韓国72,432USドル、ジャパン71,788ドル。あと20年ほどで、ひとりあたり国民総生産額で韓日逆転する。韓国ではいま「あと21年!」と、日本で言うバンザイ現象が起きているそうです。ただ北朝鮮がそのころまでに崩壊し、韓国の足を引っ張るのではないかという懸念を気遣いますが。韓国はいま、東西ドイツの統合体験から、リスク回避の方策を学ぼうとしています。
わたしたちは、韓国の未来予測バンザイを笑うことはできません。世界2位と自惚れる隣国チャイナは、実は国民ひとりでみると97位! 日本のひとりあたり<個人所得>は、現在なんと世界40位だそうです。中日互いに貧しい国なのです。経済大国ではあっても、豊かな国民はごく一握りでしかありません。これが尖閣事件でチャイナが教えてくれた事実とは、実に残念です。中日とも。
<2010年10月11日>
さてチャイナ連載の理由はコラム「福田和也・世間の値打ち」に出会ったことも一因です。
福田氏は、尖閣諸島問題での政府と官邸の対応は、無策かつ無様の一言で、評価は5点。
各メディアの対応・検証は珍しく迅速かつ正確で55点 (えっ! そ、それでも、わずか55点ですか?)
そして中国への日本国民の意識覚醒度は80点 (パチパチ!)<「週刊新潮」10月14日号>
わたしもですが、多くのジャパン国民が、この事件をきっかけに、チャイナという国を見つめ、深く考えるいい機会になったように感じます。メディアとして新聞・TVは当然ですが、雑誌記事やラジオのコメント、そしてインターネットからの情報も大きな影響を与えたと思います。遅れて発行される書籍情報はまだですが、もうすぐです。これも楽しみですね。
また家族や友人仲間でも、チャイナ情報は持てはやされました。わたしも酒席で話題にこと欠くと、「チャイナは…」。それだけで、全員がいつも盛り上がりました。驚くほど共通の酒の肴サカナ話題になったわけです。島の名前が「釣魚」ですし、老若男女を問わず、ジャパン国民のほぼ全員が盛り上がる共通の話題を、サカナ釣りから得たと言うのは、久しぶりの国民的大収穫であったと思っています。チャイナの船長はじめ、中華国のみなさんに感謝! すばらしいサカナ釣りの大漁だったようです。
さてチャイナという国がこれほどに、態度がデカクなったのはいつごろからか? 北京オリンピックの成功確信からはじまり、南シナ海での横暴事件、そして上海万博がはじまり、チャイナのGDP国内総生産がジャパンを追いぬいて、世界第2位になると自慢し出したころ。そのような流れの中から、チャイナは大中華意識を、東アジアの隣諸国などにあからさまに誇示し出したように感じます。
さてGDPとは何か? 世界のGDP国内総生産上位10カ国をみます(2009年IMFレポート)。単位は10億USドル、指数は日本を100。
ドル(10億) 指数
1 アメリカ合衆国 14,256 281 凋落の米国ですが、やはり大きい。
2 日本 5,068 100 どこが2位や! という実感。
3 中国 4,908 97 円ドル元の為替変動をみても、2010年2位当確です。
10数年で米国を抜く、という予測もあります。
4 ドイツ 3,352 66 さすが独逸。健闘か。
5 フランス 2,675 52 なぜ豊か? 観光? 葡萄酒それとも兵器輸出?
6 イギリス 2,183 43 苦しいといいながら…
7 イタリア 2,118 41 へらへら生きているようですが。
8 ブラジル 1,574 31 大健闘ではないでしょうか。
9 スペイン 1,464 28 ギリシアの次のEU破綻国? ポルトガルも…
10 カナダ 1,336 26 資源国です。
これを見ますと、欧米各国と日本とチャイナ、そして南米ブラジル! おそらくBRICsの、ロシアとインドが近いうちに、ベスト10に入って来るのではないでしょうか?
つぎに国民ひとりあたり国内総生産を見てみましょう。2009年IMF統計では180カ国ほどが出ていますが、朝鮮民主主義人民共和国が見あたりません。アメリカ中央情報局CIA集計では、北朝鮮は188カ国中なんと136位。1,239USドル! 政府高官が、ポッポに入れてしまうからこのように不審で高い統計が出てしまうのでしょうか? 北朝鮮の後ろに、まだ50カ国ほどの貧しい国民が控えているのですよ。北の庶民はとことん苦しいはずだと、わたしは確信しています。金正恩は実体を、知るべきです。
以下、IMF統計から主だった知名度のある国を紹介してみます。
1 ルクセンブルク
2 ノルウェー
3 カタール
4 スイス
5 デンマーク
6 アイルランド
7 オランダ
8 アラブ首長国連邦
9 アメリカ合衆国
10 オ-ストリア
11 オーストライア
12 フィンランド
13 スウェーデン
14 ベルギー
15 フランス
16 ドイツ
17 日本 日本は17位! 決して世界に誇る豊かな国ではありません。
国の総和が大きいのであって(それもチャイナの次)、国民ひとり平均はこの程度。
ルクセンブルクはジャパンの2.6倍。2位のノルウェーは2倍です。
18 カナダ
19 アイスランド
20 シンガポール
21 イタリア
22 イギリス
23 スペイン
25 ギリシア
27 ニュージーランド
35 チェコ
37 韓国
48 ポーランド
58 ロシア
59 ブラジル
72 南アフリカ共和国 この国も、貧富の差が激しい。
84 イラン
92 タイ
97 中国 人口13億人以上を擁すチャイナは、たくさんの国民の貧困に支えられているのです。
10億を超す貧民が、革命を起こしても納得せざるを得ない国なのです。
また不正と人権無視は許せません。今年度のノーベル平和賞には、敬意を表します。
111 ウクライナ チャイナ同様、政変は?
117 イラク
121 フィリピン
123 モンゴル
136 ベトナム 上昇は間違いなし。
138 インド まだまだ伸びる?
147 カンボジア ここも上昇余地あり。世界の資本はチャイナから東南アジア各国に向かう?
164 ミャンマー チャイナ同様、人権無視の政情不安がネック。
179 ブルンジ IMF調査のビリ国。アフリカ・コンゴの隣りです。
国力ではなく、国民一人当たりがどうなのか? 為政者がつとめるべき目標は、国民ひとりひとりの豊かさなり満足、幸福度を指数とすることではないでしょうか? 日本も、チャイナも、その他大勢の国々の国民も、国力に比例せずに、大差はあれみな貧しいのです。せめてあえて言えば、ジャパン国民の大多数は決して豊かではないのです。
大韓民国がアメリカのシンクタンクに、ある調査を依頼していました。そしてごく最近に予測値が出ました。調査事項は「韓国のひとりあたりGDP国内総生産は37位と低位だが、いつか日本を抜くのか?」。答えは、2031年に韓国72,432USドル、ジャパン71,788ドル。あと20年ほどで、ひとりあたり国民総生産額で韓日逆転する。韓国ではいま「あと21年!」と、日本で言うバンザイ現象が起きているそうです。ただ北朝鮮がそのころまでに崩壊し、韓国の足を引っ張るのではないかという懸念を気遣いますが。韓国はいま、東西ドイツの統合体験から、リスク回避の方策を学ぼうとしています。
わたしたちは、韓国の未来予測バンザイを笑うことはできません。世界2位と自惚れる隣国チャイナは、実は国民ひとりでみると97位! 日本のひとりあたり<個人所得>は、現在なんと世界40位だそうです。中日互いに貧しい国なのです。経済大国ではあっても、豊かな国民はごく一握りでしかありません。これが尖閣事件でチャイナが教えてくれた事実とは、実に残念です。中日とも。
<2010年10月11日>