問題には正解(せいかい)がある。当然、正解でなければ不正解で、その解が間違っていることになる。当たり前の話だが、これがどうしてどうして、当たり前の話ではないのだから、私達が暮らす世界は不可解という他はない。不正解が正解で、正解が不正解になることだってあるのだ。このことを忘れると、社会から落ち零(こぼ)れたり取り残されてしまうから注意が必要だ。^^ それが分かる具体的なお話をしよう。
ここはとある学習塾である。今の時代、困ったことに親達はわが息子や娘を他の生徒より一段格上に見せようと、学習塾へ追いやることに余念がない。自分がそう大して優れている訳でもないのら子供は優れているように見せたいのだから困りものだ。^^
「ですから、この問題の正解はホニャララです。分かりましたねっ?」
黒板に数式をスラスラと書き、塾教師は自慢げに前の席に座る生徒達を見回した。
「先生、僕はムニャムニャでも正解だと思うんですが、ダメですか?」
「ムニャムニャは私達が暮らす三次元世界では、やはり不正解ですね」
「やはり、ダメですか…」
「いや、他次元的に考えれば正解ということも有り得ますが、私は三次元の塾に雇(やと)われた一教師ですから、やはり不正解と言う他はありません。生活がありますから、職を失う訳にはいかんのです」
教室内は爆笑の渦(うず)となった。
私達は三次元世界しか知らないから、不正解が正解ということがアリかも知れない訳だ。もちろん、この不可解な世の中でも…。^^ そのことを忘れることなく生き続けましょう!^^
完