オン・エアーとは私達がテレビやラジオで視聴する放送が電波として世の中に流されることだが、何を流してもいいというものでもない・・という業界の方々には少し耳が痛いシビアーなお話である。^^ このことを忘れると、世の中は益々(ますます)、悪い方向へと向うから注意を喚起(かんき)したい。^^ 現実に、サスペンス・ドラマもどきの通り魔殺人事件も起きている昨今(さっこん)だから、尚更(なおさら)で笑えない。^^→-- ということは、楽しかったり笑えるオン・エアー番組なら、--→^^ へと視聴者がなることを意味するのである。^^
とある家庭である。テレビのリモコンを押した風呂上がりの夫がブツクサと小言(こごと)を言っている。
「最近、観たい番組が減ったなぁ~!」
「私に、そんなこと言われても…」
キッチンで料理していた妻が、いい迷惑とばかり言い返した。
「事件報道ばかりだぜっ! 疲れて帰ってきて、こんなのばかり観せられた日にゃ、明日からの働く意欲がなくなっちまうよっ!」
「だったら、観なきゃいいんじゃないっ!!」
頭にきた妻が反発した。
「…」
それも、そうだな…と思えたのか、夫は押し黙ってリモコンをOFFにした。そのとき、現われなくてもいいのに現れた小学校の息子がリモコンをONにした。テレビ画面にアニメ番組が映し出され、急に賑(にぎ)やかなSE[SOUND EFECT=音響効果]音が鳴り響いた。
「ははは…明日も働ける番組があったよ。あった、あった! 今日の憂(う)さを忘れるこういう番組が、いいんだっ!」
夫は急にえびす顔になり、テレビ画面に観入った。
「どういうこと? パパ?」
「ははは…君は分からなくていいんだっ!」
家族の笑い声がダイニングに谺(こだま)した。
気に入らないオン・エアーは、気に入るオン・エアーを観たり聴いたりすれば忘れることが出来る・・という、ただそれだけのお話である。^^
完