水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

分からないユーモア短編集 (5)夏(なつ)

2020年07月28日 00時00分00秒 | #小説

 夏は氷人間になりたい私にとって、最(もっと)も苦手(にがて)としているものの一つだが、^^ 年々、暑くなる夏の猛暑には辟易(へきえき)している昨今(さっこん)である。なぜ年々、暑くなるのか? その温暖化の真の原因が、温室効果ガスなどの科学的なものによるためなのか、あるいは地球の気象異変によるものなのかは分かっていない。もちろん、私には全然、分からない。^^ ただ一つ、夏は暑いもの! と言われれば、返す言葉がないのは確かだ。^^
 梅雨が明けたばかりのとある町通りで、二人の老人が足を止め、立ち話をしている。
「今年の夏も暑くなりそうですなぁ~」
「ははは…まあ、夏は暑いものですから、覚悟して暮らすしかないでしょうな」
「なぜ、こんなに暑くなったんでしょうな? 私には分からない」
「昭和30年代は日射病でしたからな。今は熱中症! 病名まで暑くなっとります」
「確かに…。これから、どうなるんでしょうな?」
「さぁ~。私には、さっぱり分かりません」
「ははは…私だって分からない。まあ、年々、夏が暑くなろうと、焼け死ぬことはないでしょうが…」
「ははは…それはないでしょうなっ!」
 結論が出たところで二人は、また歩き出した。  夏は年々、暑くなりそうだが、焼け死ぬようなことにはならないようである。^^ 

                               完


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