世の中は、えっ! それが正解なのっ!? と首を傾(かし)げる分からない内容が正解として罷(まか)り通っている場合がある。明らかに間違っているっ! と分かる内容だとしてもだ。^^ これからお話する100話の短編集は、現代社会で起きているに違いない、そんな出来事の数々である。
ここは、とある小学校である。
「はい、先生っ!」
「おっ! 猪芋(いのいも)くん。相変わらず、元気がいいですねっ! 関心関心! で、なにか分からないことでも?」
「先生、僕、分からないんです…」
「ですから、なにがっ?」
「1と1を足すと、なぜ2になるんですかっ?」
「えっ!? それは、1と1を足せば2になるからですよ」
「1と1を足せば2になるって、いったい誰が決めたんですか?」
「それは先生も知りません。知りませんが、先生もそうだと教わりました」
「そうなんですか? じゃあ、僕がそれとなく調べておきます」
「猪芋くんが?」
「はい! 分からないことは分かるようにしないといけないとパパとママが言いました」
「ははは…先生も、そう思います」
「じゃあ、分かったら発表したいと思います」
「それは楽しみだなぁ~、先生。よろしくお願いします」
「はいっ!」
そのとき、授業が終わるチャイムが教室内に響き、算数の授業は終わった。
このように、常識となっている正解が、なぜなのか? と首を傾(かし)げる分からない内容は、この世に数限りなく存在するのである。^^
完