人の歴史が人と人、国と国との争(あらそ)いの中で進んできたことは否(いな)めない事実である。だが私には、両者がなぜ争わねばならないのか? が、どうしても分からない。新婚当初はあれだけ仲の睦(むつ)まじかった夫婦が年を重ねて争い[この場合は軽い口喧嘩だが ^^]に明け暮れるのは一番、分からない。^^
定年後、暇(ひま)をもて余した初老二人が、今日も同じ公園の同じベンチに座り、これも同じようにコンビニ弁当を食べている。
「来年は、いよいよオリンピックですなっ!」
「そうですなっ! アレは平和でいいっ! 争いではないですからなっ!」
「そうそう! 勝ち負けではなく技量(ぎりょう)を競(きそ)う訳ですからっ!」
「はい、競技(きょうぎ)ですっ! 結果として上位、下位の差は出ますが…」
「決して争いではないっ! …なんとかいう♪湖畔の宿♪の人も歌ってましたっ!」
「…♪湖畔の宿♪? はて?」
「懐(ナツ)メロですよっ!」
「ああ! 古いところを、よくご存知でっ!」
「ははは…お恥ずかしいっ! ♪きのうのぉ夢とぉ~~ 焚(た)きぃ捨(す)ぅてぇるぅ~~♪ …焚き捨てるを関西では?」
「くべる・・ですかな?」
「そう、それっ!! くべる・・クーベルタン男爵(だんしゃく)っ!」
「ははは…かなり時間がかかりましたなっ!」
「ははは…さようで」
「参加することに意義がある・・でしたかな?」
「そう! 争いでは決してないっ!」
「確かに…」
争いになる原因を探(さぐ)るのは容易(ようい)ではなく分からないことも多いが、平和的にやってもらいたいものである。^^
完