科学者の方々は、宇宙がビッグバンで膨張(ぼうちょう)したっ! とかなんとかのお話を、さも見てきたかのように力説されている。^^ 私には、そもそも宇宙という途方もない大きさの存在が分からないから、ああ、そうなの? 程度の気分で拝聴している。^^ ただ一つ、完全に分からないのは、点が爆発的に膨張して宇宙が大きくなった・・という点だ。^^ というのも、それじゃ、その点は何処(いずこ)に存在していたのっ? と思える素朴(そぼく)な疑問である。私には、その点を取り巻く何処の存在が分からないのである。^^ 要は、私達が生きる三次元の科学と宇宙の科学は、異次元理論も含めて別なのではあるまいかっ? と思える訳だ。^^
刈り取りが終わった秋の田園風景が広がる、とある田舎の畔道(あぜみち)である。ところどころの休耕地には季節を思わせるコスモスが咲き乱れている。老いた農夫が一人、刈り取り後の田を整地している。そこへ散歩中の一人の老人が、犬を連れて通りかかった。
「やあ、慕情(ぼじょう)さんっ! ご精が出ますなっ!」
「これはこれはっ! うちの妹の連れ合いの従兄(いとこ)の前の家にお住まいの知床(しれとこ)さんっ!」
「はいっ! お宅の妹さんの連れ合いのお従兄さんの前の家に住む知床です。あの…一つお訊(き)してもよろしいかなっ?」
「はあ、どうぞ…」
「そこに咲いておるコスモス畑はお宅のっ?」
「ああ、あのコスモス畑はうちのですが、それが何か? 休耕地ですから雑草除けにもなっとりますっ!」
「要するにコスモス、宇宙ですなっ!」
「咲いておるコスモスが宇宙ですか?」
「はい! 秩序がある調和のとれた宇宙です…」
「私にゃ、そういう小難(こむずか)しい話はよく分からんのですがな。そうなんですかな?」
「ええ! まさしく、あの綺麗(きれい)に咲き乱れるコスモスは宇宙その物ですぞ…」
「そうですかな?」
「はい、そうなんですな…」
咲く花のコスモスが果(はた)して宇宙なのかどうか? 私には分からない。^^
完