私達が生活していく上で、作ってはいけないモノ・・それは隙(すき)である。とはいえ、隙がない生活も空虚(くうきょ)なものだから、程度があるようにも思えるが、皆さんは、いかがお考えだろう。^^ 隙があれば魔に翻弄(ほんろう)され、ムラムラと、いろいろな欲に苛(さいな)まれることになる。前述したように、隙がなければ苛まれないが、それも無味乾燥な人生だから、程度モノ・・ということだろうか?^^ ということで、でもないが、六十六話の四方山話(よもやまばなし)は隙をテーマにした次第である。^^
二人のサラリーマン風の男が通勤電車の中で話をしている。コロナの影響からか、マスク姿で小声だ。
「デジタル庁は、ちょいとやり過ぎなんじゃないかっ!?」
「ははは…俺に言われてもなぁ~」
「まあ、それはそうだが…。隙だなっ!」
「隙っ!? どういうことだ?」
「何をなさるのかが問題だが、失敗すりゃ、たちまち国は破綻(はたん)するぜっ!」
「財政破綻じゃなきゃ、いいじゃないかっ!」
「馬鹿野郎っ! 財政はすでに破綻してるさっ!」
「破綻してるのにギリシャみたいに国際的に騒がれないじゃないかっ!」
「日銀と国民が国の借金を立て替えて買い支えてるからさっ!」
「だからか…」
「ああ。国が隙を作りゃ、たちまち財政破綻相場の話じゃなくなるっ! 俺達が隙を作って失敗するのとは訳が違うのさっ!」
「そんなこと、お上は先刻、ご承知だろっ!?」
「いやっ! 残念ながら、今一!」
「分かってないか…」
「はい、残念ながら…」
二人はその後、沈黙し、通勤電車を降りた。
作れない隙、作ってはいけない隙もある・・という六十六話の四方山話でした。^^
完