水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

四方山(よもやま)ユーモア短編集 (81)きっちり

2021年11月17日 00時00分00秒 | #小説

 きっちり形(かた)をつけよう・・などと言う。ところが、なかなかこれが難(むずか)しく、きっちりいかない場合が多い。^^ 気が短い人なら、イライラするところだろうが、このきっちりいくには、どうすればいいのか? と思ったりもする。ということで、でもないが、八十一話の四方山話(よもやまばなし)は、きっちりの実態にきっちり迫りたいと思う次第だ。^^
 二人の男が、なにやら激高(げきこう)して話し合っている。
「いやっ! その分は返したはずだっ!」
「そんな訳、ないだろっ! 前の土曜に電話で今日、返すっ! って言ったじゃないかっ!」
「馬鹿言えっ! それは先週の土曜だろっ!」
「だから、こうして今、出会ったんだろうがっ!」
「いやいやっ! そんな訳がないっ!」
「よぉ~しっ! きっちり話をつけようじゃないかっ!」
「ああ、いいだろっ!」
 時間があったのがいけなかった。二人はそれから二時間ばかりも、返した返してないの問答を繰り返すことになったのである。で、結果はどうなったのか!? そこを読者の皆さんはお知りになりたいところだろうが、未(いま)だに、きっちりと決着がついてないない・・ということである。
 このように、きっちり話をつけるのは簡単なようで非常に難しい・・という四方山話でした。我が国の中長期的な財政再建策も、きっちりつけて欲しいものです。^^

                   完


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする