水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

四方山(よもやま)ユーモア短編集 (65)時の流れ

2021年11月01日 00時00分00秒 | #小説

 秒の積み重ねが分となり、分の積み重ねが時間となり、時間の積み重ねが一日となり、一日の積み重ねが…そう!^^ 月、そしてその積み重ねが年となる訳だ。お前は阿呆か馬鹿かっ!! 当たり前だろっ! と、お叱(しか)りを頂戴するだろうが、まあ、そのように時の流れは続くのだから仕方がない・・と、我慢してお思い下さい。まっ! その代わりと申しては何ですが、一杯やりながら美味(おい)しい木の芽味噌田楽でもお食べ下されば結構かと存じます。^^ 今日の四方山話(よもやまばなし)は、時の流れをテーマにした話題である。
 一人の老人が畑作業を終え、ボケェ~っと流れる雲を眺(なが)めている。
「確か…去年も、こうして眺めていたぞっ!」
 老人は徐(おもむろ)に懐(ふところ)からメモ帳を取り出すと、そう呟(つぶや)きながら捲(めく)り始めた。その中には、びっしりと過去の日々の出来事が事細かに記(しる)されていた。
「これだっ! なになにっ! 畑の夏野菜の茄子(ナス)の終いをして、そのあと土を掘り返したと…。で、すっかり疲れて空を見つめた・・とある…。もう一年、が過ぎたか…。時の流れは早いものだっ!」
 老人はそう独(ひとり)りごち、大きな欠伸(あくび)を一つ吐(つ)いた。
 これが時の流れである。^^ 時の流れは目には見えないから、実に面白い。^^
 今日の六十五話は、時の流れの姿に迫る四方山話でした。^^

                   完


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