ボケェ~~っとしていて、ふと我に返り、さて…と、思うことはないだろうか? 要するに先々のことを何も考えていなかった状況である。何も考えていなかったのだから、コレッ! と思うその後の行動がない訳である。こういう場合の人の行動で、その人の性格が読める・・というのだから、心理学者の考えることは面白い。^^ そんなことで、でもないが、九十二話は、さて…どんな話にしようか? と今、考えている四方山話(よもやまばなし)である。^^
とある地方の町の一角である。退屈を持て余したご隠居が、さて…と家を出た。だが、家を出たのはいいが、目的という目的がない。要は、ブラァ~~と出たという感じで、何をしようというのでもなく、何のために・・というのでもない。時間は有り余っている訳だから、どうしようと勝手なのだが…。そのご隠居が歩く道路の片隅にダンボール箱に入った年代物の柱時計がホームレス状態で落ちていた。いや、そんなものが落ちている訳もなく、誰かが忘れた・・としかご隠居には思えようがなかった。ご隠居は、どこか自分に似ているような気がした。さて…どうしたものか? と、ご隠居は考えた。このまま放置しておくのも、自分が見捨てられたようで気が引けた。交番へ…とも思えたが、生憎(あいにく)、この近くにはなかった。幸い、ご曇り空だったので、ご隠居は傘を手に家を出ていた。ご隠居は傘を開くと、その落ちていた柱時計の入ったダンボール箱の上にソォ~~っと置き、さて…と考えた。空模様が怪(あや)しくなっていた。さて…と、ご隠居は家へとUターンした。ご隠居が家へ戻り、玄関に入ったとき、雷鳴が轟き、ザザァーー!! ときた。辺り一面がたちまち土砂降りで濡れそぼった。ご隠居は濡れずによかった…と、自分と柱時計を重ね合わせて思った。ふと、ダンボール箱が気になったご隠居は、雨傘を開け家を出た。落ちていた場所へ行くと、ダンボール箱は消えていた。あとに通りかかった誰ぞが交番へ届けたんだろう…と単純にご隠居は思った。ご隠居はふたたび家へと戻った。すると、不思議なことに、持ち帰らなかったダンボール箱が上がり框(かまち)の上に濡れずにおかれていた。辺りを見回すと、開けて置いて帰った雨傘が、それも濡れずに玄関戸に立てかけられていた。ご隠居は、さて…と考えた。これは現実化か? はたまた夢か? と…。^^
九十二話は、さて…と考えた挙句のこんな四方山話でした。^^
完