私たちの体を流れる血液は体重の約8%。体重60㎏の人であれば、約5リットルの血液が全身をかけめぐっている計算になります。
血液の主な役割は、三つあります。
酸素・二酸化炭素・栄養素・ホルモン・老廃物などの「運搬」があります。
体温の調節や水分バランスの調整、pHの維持など「体内の環境を一定に保つ」機能があります。
体内に入った細菌の捕食や免疫反応および止血作用など「生体の防御」機能があります。
このように血液は多彩な働きを行っています。
血液は液体成分の「血漿(けっしょう)」と細胞成分である「血球」に分けられます。
液体成分である「血漿」は、血液の約55%を占めています。主な成分は水と有機物(老廃物、脂質、糖質、タンパク質)と無機塩です。
「血球」成分は、赤血球が血球成分の99%を占め、残り1%が白血球と血小板になります。
人体は驚きに満ちていますが、中でも血液は神秘的な存在です。猛スピードで体内を巡り酸素や栄養を運び、病気のリスクと闘っています。血液の半分の量を失えば人は死に至ります。
そして、酸素欠乏は人体にとって致命的です。脳はほんの15秒間、無酸素状態を続けただけで失神し、 3分間を超えると、回復不能な障害をもたらすといわれています。
私たちは、血液とつく息、吐く息が脳を守っているのです。
それでは、血液の重要な機能をお伝えしましょう。
① 酸素を運ぶ
血液の色の変化のもとは血液の中にある赤血球です。人体には約20兆もの赤血球が含まれていて、毎秒新たに1700万個が作り出されています。息をするたびに赤血球が酸素と結びつき鮮やかな赤い色に変わります。そして血管を通り体の隅々に酸素を配ります。
赤血球1個で、なんと、10億個もの酸素分子を運べます。これは、赤血球1個のなかに、2億5,000万個のヘモグロビンを含んでいるからなのです。
「酸素を運ぶ」という機能から考えると、赤血球はヘモグロビン専用のコンテナに過ぎません。わざわざコンテナなどに入れなくてもいいのに、と思うのですが、赤血球というケースにヘモグロビンを入れたおかげで、ヒトの血液は100mLにつき、約25mLの酸素を運ぶことができるようになった、というわけです。
② 栄養を運ぶ
私たちが食事のさいに摂る糖や脂肪なども血液によって全身に運ばれます。血漿は血液の半分以上を占め摂取した食べ物から様々な栄養分を吸収し全身に送り届けます。血漿の働きによって私たちの体は筋肉を動かしたり新たな組織を作ったり、余分な脂肪を蓄えたりしているのです。
血液の中には食べ物から吸収した様々な物質が含まれています。つまり栄養価が高いということです。自然界に人間の血を狙う生き物が沢山いるのはこのためなのです
③ 全身を循環する
昔の人は血液が循環することを知りませんでした。古代ローマでは血液は体の中心部で毎日作られ手足に向かって流れた末に消滅すると考えられていました。この考え方は1000年以上も続きました。
17世紀になって初めて血液が体を循環しているという全く新しい説が唱えられたのです。先駆けとなったのは医師のウィリアム・ハーベイ。ハーベイは動物の臓器を使って実験を行い人の血液が日々新たに作られているという説に矛盾があることを示しました。ハーベイの時代から400年、現代の私たちは血液が全身を流れる様子を詳細に確かめられるようになりました。
④ 体を防衛する
体が傷つけられると血液はすぐに反応します。感染症や怪我に対する最初の反応として体はまず攻撃されている場所の血流を増やし白血球を集めます。白血球は体を病原体などから守る免疫システムの要です。
健康な大人の体には約400億個の白血球があり細菌やウイルスなど侵入してくる微生物と常に戦っています。血液は驚くほど速く流れています。平均して1分間に1回、心臓と手足の間を往復します。しかし、そのような猛スピードでは体が傷ついた時に血液が大量に流れ出てしまいます。
多量の出血は命に危険を及ぼします。実はそのような事態を防ぐ仕組みが血液の中に備わっているのです。
⑤ 体を治癒する
血液は体の外に出たとたん形を変えます。血小板は普段は目立った働きをしませんが、どこかの血管が破れると途端に動き出します。まず血小板同士が集まり血管の穴をふさいで血液が流れ出るのを食い止めるのです。血液の能力はこれだけではありません。
最新の科学もまた血液の状態が体の能力を左右することに注目しています。きっかけとなったのは2匹のネズミでした。1970年代に1歳のネズミと3ヶ月のネズミを手術で結合させるという実験が行われました。若いネズミの血液が年をとったネズミの体に流れるようにしたのです。その結果、年をとったネズミが驚くほど元気になったのでした。
この10年、血液による若返りという医学の研究領域が再び関心を集めるようになっています。
きっかけは幹細胞の研究です。血液の様々な細胞は全て幹細胞から作られます。この幹細胞が老化による病気の治療にも役立つと考えられているのです。幹細胞は様々な細胞に成長することができ体を修復し維持する力を持っています。年をとると若い人に比べて幹細胞の働きが鈍くなることが知られており、そのことに関して研究されているのです。
血液は人の体に備わる奇跡の力です。酸素や栄養を運び、全身をくまなく巡り病気や怪我と戦い、傷ついた体を修復します。危険を予測し先回りして準備することもできます。血液が人の体を若返らせるという新たな可能性も浮かび上がりました。血液に関する研究は今後も興味深い発展をとげるのではないでしょうか。
そして、心と血液の関係においても、不思議な力があると言われています。
自信を失って落ちこんだりすると、造血機能を示すヘマトクリット値(血液中に占める血球の体積の割合)が下がったり、逆に、つとめて笑って心を快活に保つと、異常だった血沈が正常にもどったりするのです。
最近、NHKテレビ「ガッテン」で、血液のチカラ向上作戦として脳梗塞、心筋梗塞で死なないために血栓を綺麗に溶かす方法を教えてくれました。
脳梗塞や心筋梗塞の原因となる血栓は、「フィブリン」という物質がその正体です。
「フィブリン」は怪我で出血した際に集まってきてかさぶたを作り体を守ってくれる物質です。
体を守ってくれる「フィブリン」ですがストレスにとても弱いのです。
ストレスを感じると「フィブリン」は活性化して血栓の元を作ってしまうというのです。
実は、血栓は私たちの体内で、日常茶飯事つくられていると言います。
特に人間が急に驚いた場合は瞬時にして、血栓ができるという実験結果が放映されていました。
この血栓が脳に行くと脳梗塞になり、心臓に行くと心筋梗塞になるのです。
わが国の脳卒中死亡者は年間約13万人にのぼります。病気別では「がん」、「心臓病」に次ぐ第3位です。患者数は130万人と非常に多く、かつ増加中です。寝たきり、介護の必要な患者の3~4割は脳卒中が原因です。脳卒中にはいくつかのタイプがありますが、脳梗塞が全体の約7~8割と多数派を占めています。高齢者に多い脳梗塞は、今後さらに増加し、重症化すると予想されているのです。
この脳梗塞の特効薬として「t-PA(血栓溶解剤)」という薬剤があります。
この薬剤は血栓を劇的に溶かす効能を持っており、1瓶の価格は20万円という高額な薬剤です。
脳梗塞の症状が発生して、4時間半以内に投与できれば、元の状態に回復すると言われている。それ以上の時間が経過した場合は手足のマヒが残ったり言語障害が発症したりしやすくなるので、早期の治療が望まれています。
この高価で夢のような特効薬「t-PA」が、体内でつくることができるというわけです。
人体は毛細血管まで血液を届けるために、血栓ができなくなるように、「t-PA」をつくるというのです。
1日30分程度のウォーキングなど有酸素運動をすればよいということでした。
テレビでは、このウォーキングを3週間行ったところ、実験した全員が血栓を溶かす能力がアップしていたのです。一番アップした人は溶かす能力が4.2倍にもなっていたのです。驚きです。
ダイエットも効果的で、体重1㎏減らすだけで血栓を溶かす力は2割もアップするとのことでした。息が上がらない程度の軽い運動を30分行えばよいのです。血流が増えると「t-PA」が元気に働けるようになります。
私たちの体は、ストレスや落ち込んだりすると血栓ができたり、造血機能が低下したり、心の働きと血液の関係は深くかかわっています。
そして、またその障害を回復させる機能も持っていることが分かってきました。
日々を健やかに、そして、1日30分程度のウォーキングや運動などを行うことによって、心身ともに健康に過ごすことができるように創られているのです。
仏神に感謝をささげましょう。
---owari---
こんにちは。
赤ずきんさんのお写真付きブログは、美しい花々とけなげな生き物をしっかりと撮られていますね。
わかりやすいハイキング道やトピックスのある建造物などステキなカメラアングルですね。
読者ご登録有難うございました。
エレルギーを頂きました。
まだまだ頑張ります。
はじめまして、このゆびと~まれ!様。
こちらこそ、ありがとうございます。
すごく大切なことがいっぱい書かれているなぁと思いました。
ガッテン見ました。
ウォーキング続けていて、身体に良いのかどうかはあまり気にしていませんでしたが、良い結果があるそうで、また気持ちを新たに楽しみながらウォーキングを楽しもうと思いました^-^
写真をダラダラ、長々とあるので、見ていただくのは大変だと思いますが、お時間の許す限りで、よろしくお願いします。
(コメント欄が無くて、申し訳ないです)
ありがとうございます。