(人間にとって大事な基本的概念は「自由」)
おそらく日本であっても、そこまで悪くなれば、似たようなことが始まるはずです。ただ、日本は、まだそこまでは行っていないでしょうが、中国は、かなり先行きが切迫してきているように感じます。
例えば、5年前ですが、香港への越境入学がそうとう増えているという情報も出ていました。中国の広東省(かんとんしょう)あたりから香港の学校まで通っている子供が増えているようですから、これも脱出の準備でしょう。何とかして香港市民権を取るための準備をしていると思われます(最近では、その香港からも脱出を希望する人が出てきている)。
結局、「自由を与えたら、人はどのように動いていくか」を見れば、「その政体が、よい政体か悪い政体か」「よい社会制度であるか、そうでないか」ということは分かってくるわけです。
だからこそ、私は、「人間にとって大事な基本的概念を挙げるとしたら、『自由』を挙げたほうがよい」と考えているのです。
「自由」「平等」「博愛」等、いろいろな概念はありますが、やはり、「自由」を与えれば、人間の尊厳を守る方向に行動を取れるようになっていきますので、この部分をチェックしておけばよいはずです。
ちなみに、中国などでは、インターネットを使えたにしても、“インターネット警察”が30万人もいて取り締まりをしているようですが、(注。最近では200万人説もある)、このようなことになってくると、いたちごっこでしょうし、いずれ行き詰る世界だとは思います。
やはり、「情報発信の自由」や「情報を読む自由」があったとしても、「検閲(けんえつ)の自由」がいくらでも入ってくるならば、不自由な世界になるのではないでしょうか。
したがって、人々が逃げ出したくなるような世の中、あるいは、何らか別の手段を講じないと生きていけなくなるような世の中は、よくない世の中なのだと考えたほうがよいと思います。
日本社会の将来を考える意味でも、「自由な状態に置かれたときに望ましい国であるかどうか」ということを、よく考えたほうがよいでしょう(注。日本でも富裕層の国外脱出に財産税を50パーセントかける案があるという。例えば、節税目的でシンガポールに3億円を持って逃げても、国外脱出時に1.5億円は取られるという)。
---owari---
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