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「人生の問題集」を静かに受け入れる(前編)

2020年06月28日 | 人生
(自分を苦しめる問題は、起きるべくして起きている)
私は、悩みや苦しみに対して、通常は「努力の教え」で突破するように説いていますが、単なる「自助努力の教え」ではなく、いつもとは少し違ったかたちで述べてみたいと思います。

前述したように、苦しみは「自己防衛の思い」から生じているものなので、「苦しみから逃れよう」と、あがいているうちは、本当は苦しみから逃れることはできません。

したがって、あきらめてください。他人を責(せ)めるのも、自分を責めるのも、あきらめてください。自分の子供を責めるのも、あきらめてください。

そして、「今、自分の目の前に起きている現象は、すべて、起きるべくして起きているのだ」ということを受け入れてください。

「今、起きている事態(じたい)は、他の人の原因や自分自身のミスによって、たまたま起きたことではない。現在、自分を苦しめ、頭のなかを占領している問題は、実は、起きるべきして起きているものであり、今の自分に必要な課題が現れてきているのだ」と思っていただきたいのです。

(「その問題が自分に教えようとしていること」を読み取る)
例えば、病気もそうです。努力して自ら病気になる人は少ないでしょう。「まさか」というような、考えてもいなかったときに、病気になることが多いのです。

病気の原因には、「不養生(ふようじょう)をしていた」「運動不足だった」「ストレスが多かった」「栄養のバランスが悪かった」など、いろいろなものがあるでしょう。そのように、この世的な説明はつけられるでしょうが、実は、病気をするのは病気をするだけの理由があるのです。

つまり、病気が現れてくるのは、それが必要だからです。そのときの自分の年齢や立場において、必要があるから、病気が現れているのです。

また、例えば、受験で「不合格」という結果が出たとします。その結果は、単に運・不運だけの問題ではなく、今のあなたに必要な課題が何であるかを教えようとしているのです。

それは、自分自身の過去の努力不足を教えようとしているのかもしれませんし、「もっと世間の厳しさを知りなさい」ということを教えているのかもしれません。あるいは、「これを機会に、決して慢心(まんしん)せず、転落することのないように精進(しょうじん)せよ」と教えているのかもしれません。

ただ、いずれにせよ、「今、現れている現象は偶然(ぐうぜん)ではないのだ。自分に必要な課題が現れてきているのだ」ということを、どうか知ってください。

それは、子供の出来が悪い場合もそうですし、子供が障害を持って生まれてきたような場合にも、必ず何か理由があるのです。

また、夫婦の間で問題が起きた場合も、それが、今、そのようなかたちで現れてきたことには、何か意味があります。夫婦間で争いが起きるには、それだけの理由や意味があるのです。そして、あなたに何かを教えようとしています。

つまり、今、夫婦の葛藤(かっとう)が問題として出てこなければいけない時期が来たために、それが現れてきているのであり、そのなかから何かを教えようとしているわけなのです。そのことを読み取ってください。

それを読み取らずに、その問題を、自分自身を責める道具に使ったり、他人を責める道具に使ったりしてはいけません。

---owari---
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