今日は国際関係アナリスト・北野 幸伯さんのメルマガからお伝えします。
少し長文になりますがあしからず。
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全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは! 北野です(2019/3/14)。
今回は、全日本国民に読んでいただきたい内容。
特に沖縄の皆さんには、是非読んでいただきたいです。
沖縄県の上の人たちは、「普天間飛行場を辺野古に移設するのだけ”に反対」というわけではありません。
「米軍基地そのもの」に反対しているのです。
それが証拠に、「沖縄県」のHPを見てみましょう。↓
https://www.pref.okinawa.jp/site/kodomo/sugata/begunkichi.html
<多くの基地があることで、いろいろな問題に苦しんでいる沖縄の人たちは、米軍基地を可能なかぎり減らしていくことを、日本政府やアメリカ政府に求めてきました。>
「可能なかぎり減らしていくことを求めている」そうです。
「普天間は、辺野古ではなく県外に」で終わる話ではない。
<1996年(平成8年)に、日本政府とアメリカ政府が話し合い、街の真ん中にあり、世界一危険と言われている普天間飛行場(ふてんまひこうじょう)をはじめとする11カ所の米軍基地を日本に返すことが約束されました。(SACO合意といいます。)>
<また、2006年(平成18年)には、約8,000人「2012年(平成24年)には約9,000人に改められました」の海兵隊を国外に移し、嘉手納飛行場(かでなひこうじょう)より南にある6カ所の米軍基地を返すことなどが約束されました。>
<2013年(平成25年)4月には、この約束を果たすための計画が発表されましたが、6カ所の米軍基地の大部分は、県内の他の基地に機能を移し、そのほとんどが2022年(平成34年)以降に返されるとされています。>
<しかしながら、これら二つの約束が果たされても、沖縄には、多くの米軍基地が残ります。
そのため、知事と市町村長が協力して、日本政府とアメリカ政府に対し、米軍基地をできるだけ早く、そして少しでも減らしていくよう、求めているのです。>
上記のような措置だけでは十分ではない。
できるだけ早く、少しでも(多く)減らせ!と。
少し前、「そんなことをすれば、人民解放軍がやってきますよ。
フィリピン、ベトナムの例をみれば明らかです」と書きました。
まだ読んでいない方はこちら↓
https://www.mag2.com/p/news/388218
すると複数の読者さんから、同じ批判をいただきました。
それは、「沖縄県は、普天間を辺野古に移設することに反対していますが、それだけです。
普天間飛行場が県外に出ていっても、まだまだ米軍は残ります。だから、「米軍撤退の話をするのは、大げさだ」と。
しかし、沖縄県のHPを素直に読めば、沖縄県は、「できるだけ米軍基地を減らせ!」と求めている。どう考えても、「普天間、辺野古」だけの話ではありません。
そして、全日本国民、沖縄の皆さんに知ってもらいたいこと。
それは、「米軍もひどいけど、中国が入ってくれば、地獄ですよ」ということ。
これ、「経験者」」が語っています。
▼チベットで起こったこと
ペマ・ギャルボさんは1953年、チベットで生まれました。
1959年、ペマさんが6歳の時、人民解放軍が侵攻してきた。
それで、インドに脱出。
1965年からは日本に住んでおられます。
現在は、拓殖大学、国際日本文化研究所教授。
2005年、日本に帰化されているので、「チベット系日本人」です。
ちなみに私は、カルムイキヤの仕事をしていた時、一度ペマさんにお会いしたことがあります。
当時20代の若造だったので、ごちそうしていただきました。ペマさんは覚えておられるかわかりませんが。
そんなペマさんは、幼少時代何を経験されたのでしょうか?
致知2019年1月号に載っていますので、一部引用させていただきます。
<中華人民共和国という共産党一党独裁国が誕生したのは、第二次世界大戦が終結して四年後の一九四九年。
中国はその翌年にチベットヘの侵攻を開始しました。
「人民解放軍の基本的課題は、本年中にチベットを帝国主義者の手から解放することである」。
それが中国の大義名分でした。>
人民解放軍は、「チベットを帝国主義者から解放することである!!!」
と宣言して、侵攻してきた。
共産主義者が「帝国主義者」というとき、主に「米帝」(アメリカ)、「英帝」(イギリス)を指します。
きっと米英人がうじゃうじゃいて、人民解放軍は、米英からチベットを解放したかったのでしょう。
<当時、帝国主義者とは白人の植民地主義者を意味する言葉でした。
しかし、帝国主義者どころか、チベット国内に居住する外国人は僅か七名にすぎません。
そこに中国は二万人もの軍隊を送り込んできたのです。>
ええ”!!!???
外国人は7人しかいなかった?
対して、人民解放軍は2万人。
それなら、「年内にチベットを帝国主義者から解放する」という目的を果たせるかもしれません。
<「帝国主義者からチベットを解放する」という中国の突然の宣言にチベット政府は抗議し、防衛を固めようとしましたが、既に手遅れでした。
東チベットに侵入してきた人民解放軍は、少数の、しかも武器の乏しいチベット軍をすぐに駆逐してしまいます。>
この部分、「非武装中立で日本は安全」とか、「憲法9条が日本を守ってくれる」など、
「夢みたいなこと」を信じている人に読ませたいですね。
<国内では次第に人民解放軍とチベット人との衝突が繰り返されるようになり、軍は民衆から食糧を強奪し始めました。
道路建設のためにチベット人を強制動員したり、放牧地を畑に変えて土地に合わない小麦を無理やり植えさせるようになったのもその頃です。
そのためにチベットは史上初ともいえる飢餓に見舞われることになります。>
これ日本に言い換えてみましょう。
<日本では次第に人民解放軍と日本人との衝突が繰り返されるようになり、軍は民衆から食糧を強奪し始めました。
道路建設のために日本人を強制動員したり、放牧地を畑に変えて土地に合わない小麦を無理やり植えさせるようになったのもその頃です。
そのために日本は史上初ともいえる飢餓に見舞われることになります。>
想像もできませんね。
しかし、こういうことがチベットで実際に起こったのです。
<しばらくすると人民裁判が始まりました。
宗教者をはじめ数多くの人々が反革命分子の名の下、捕えられて虐殺され、チベット文化を象徴する伝統的寺院や仏像は次々に破壊されました。>
これを日本に当てはめると、日本の神社とお寺は破壊されるということですね。
<中国はチベット人の抵抗や激しいゲリラ戦を封じ込めるために最高指導者であるグライ・ラマ法王を掌中に収めようとしましたが、首都ラサの市民は総決起して法王を守り抜き、インドヘと逃がすのです。>
これを日本にあてはめると。
中国は日本国民をだまらせるために、天皇を手中におさめようとした。
しかし日本国民が決起して天皇を守り、陛下はアメリカに亡命された。
こんな感じでしょう。
<かくて中国の支配下となったチベットでは、 一九八〇年までに刑務所や強制収容所での死亡、処刑死、餓死、戦闘や逃亡中の死亡、拷間死、自殺を合わせて実に百二十万人以上の人々が犠牲になりました(チベット亡命政府発表)。>
哀れ。
120万人もの人が亡くなった。
こんな現実をしるペマさん、今度は、第2の故郷日本が中国に支配されるのではないかととても心配されています。
そして、「非現実的」な「夢」を語る人たちの愚かさを嘆きます。
<軍事力を強化すれば戦争が起きる、憲法九条は絶対に変えてはいけない、という根強い意見があります。
私はそういう人たちによく考えてほしいのです。
恒久平和を念願するということなら、侵略される前のチベットにも朝から晩まで平和を祈り続ける二十七万人もの僧侶たちがいました。
しかし、中国はそんな罪なき人々を無慈悲にも投獄、虐殺し国土を奪ったのです。>
まったくその通りです。
ここまで読まれた人たちの中には、きっと「北野さん、そんなん1950年代の話でしょ?
今の中国は違いますよ!」
という反論がでるでしょう。
そんな人には、「まさに平和ボケ」といいましょう。
100万人のウイグル人を強制収容所に閉じ込めているのは、
1950年代の話ですか?
それは、今まさに起こっていることなのです。
<トルコ政府が中国政府に対し、トルコ系少数民族ウイグル人の人権を尊重し、中国内のウイグル人収容所を閉鎖するよう声明を出した。
声明は、中国政府が新疆(しんきょう)ウイグル自治区で100万人以上のウイグル人を恣意(しい)的に逮捕し、収容所などで拷問や洗脳をしていることは「もはや秘密ではない」と指摘し、人道上の「大きな恥だ」と非難した。
中国によるウイグル人弾圧は昨年来、国連人種差別撤廃委員会や国際人権団体が取り上げ、国際問題化している。
ペンス米副大統領も昨年10月の演説で「共産党が約100万人のイスラム教ウイグル人を収容所に入れ、昼夜を問わず洗脳している」と批判した。>
(産経2019年2月14日)
というわけで、私たちは、中国の動きをいつも注視している必要があります。
彼らも、すぐに日本本土を狙ってくるわけではない。
その公式は、
・沖縄を支配するためには、尖閣を奪わなければならない
・日本を支配するためには、沖縄を奪わなければならない
です。
だから、沖縄の米軍基地は必要なのです。
沖縄の皆さんには、本当に申し訳ない。
しかし、沖縄は人民解放軍が侵略してくる「入口」なので、軍が集中するのは仕方ないところがあります。
もしロシアが脅威であれば、北海道に米軍基地が集中することでしょう。
私たちは、国を失った、同胞を大虐殺されたペマさんの警告に耳を傾けるべきです。
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