今日は国際関係アナリスト・北野 幸伯さんのメルマガからお伝えします。
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全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは! 北野です。
「防衛増税」に突き進む岸田さん。
年末のメルマガで、
<私たちは、「いいかげん増税を止めてください!」とはっきり意思表示すべきなのです。
でないと、岸田さんは、「消費税率を15%にします!」などと必ずいいはじめます。
だから私たちは、声を上げるべきです。>と書きました。
全文はこちら。↓
そしたら、「やはり」というべきか、「消費税引き上げ議論」がはじまりました。
NHK NEWS WEB1月6日。
<今後の少子化対策を進めるための財源について、自民党の税制調査会で幹部を務める甘利前幹事長は、将来的な消費税率の引き上げも検討の対象になるという認識を示しました。
岸田総理大臣は、先の記者会見で「異次元の少子化対策に挑戦する年にしたい」と述べたうえで、児童手当を中心にした経済的支援の強化などの検討を進める方針を示しました。
これに関連して自民党の甘利前幹事長は、5日夜出演したBSテレ東の「日経ニュースプラス9」で「岸田総理大臣が少子化対策で異次元の対応をすると言うなら、例えば児童手当なら財源論にまでつなげていかなければならない」と指摘しました。
そのうえで「子育ては全国民に関わり、幅広く支えていく体制を取らなければならず、将来の消費税も含めて少し地に足をつけた議論をしなければならない」と述べ、少子化対策を進めるための財源として、将来的な消費税率の引き上げも検討の対象になるという認識を示しました。>
皆さん、申し訳ありません。
これ読んだら、胃と心臓が痛くなりませんでしたか?
私は、痛くなりました。
皆さんの胃と心臓が痛くなるのを承知で、この情報をシェアさせていただきました。
というのも、実際に消費税が引き上げられれば、今度は慢性的に胃と心臓が痛くなるかもしれないからです。
▼消費増税が「暗黒の30年」の原因
日本は、「暗黒の10年」「暗黒の20年」「暗黒の30年」などといわれます。
90年代、2000年代、2010年代で30年。
一人当たりGDPが1991年の世界4位から27位(2021年)まで下がっている。
だから「暗黒の30年」といえるのではないでしょうか。
なぜ、こんなことになったのでしょうか?
いろいろ原因はあるでしょう。
増税、具体的にはタイミングの悪い消費増税が「暗黒の30年」の大きな理由だろうと思います。
消費税は1989年に導入されました。
当時の税率は3%。
当時は、バブル景気の真っ最中。
ですから、タイミング的に悪くなかったと思います。
問題は、その後です。
日本のバブル崩壊は1991年とされています。
しかし、その後も経済は少しづつ成長していました。
GDP成長率の推移を見てみましょう。
90年4.89%
91年3.42%
92年0.85%
93年マイナス0.52%
94年0.88%
95年2.63%
96年3.13%
これを見ると、バブル崩壊の影響は93年のマイナス0.52%
が底で、その後徐々に成長が加速していることがわかります。
しかし、
97年0.98%
98年マイナス1.27%
99年マイナス0.33%
回復基調にあった日本経済に何が起こったのでしょうか?
そう、97年に消費税率が3%から5%に引き上げられたのです。
日本経済は、バブル崩壊から回復に向かい始めていた。
政府は、そんな日本経済にドロップキック(消費増税)を食らわせて成長を止めてしまったのです。
橋本総理は、自分の愚かな決断を、大いに悔いたそうです。
さて、次に消費税率が引き上げられたのは2014年です。
安倍総理の時代。
税率が5%から8%に引き上げられました。
日本では2012年から2013年、アベノミクスへの期待がとても大きかったのです。
安倍さん1年目の2013年、GDPは2%成長しました。
日本にしては、立派な数字です。
ところが消費税が引き上げられた2014年、GDP成長率は、0.3%になってしまいました。
日本政府はまたもや、復活に向かって歩きはじめた日本経済にドロップキックをくらわしたのです。
その後は、どうでしょうか?
2015年 1.56%
2016年 0.75%
2017年 1.68%
2018年 0.64%
パッとしない数字が並んでいます。
そして2019年、消費税率は8%から10%に引き上げられました。
結果、2019年のGDP成長率は、マイナス0.36%
2020年、マイナス4.62%。
これはもちろん、コロナの影響です。
しかし、消費税率を引き上げたことも、大きな理由なのです。
ちなみに2019年10月12月期のGDPは、前期比マイナス1.8%、
年率換算マイナス7.1%でした。
まだ、新型コロナパンデミックがはじまっていなかったので、これは消費税率引き上げの影響です。
私は何がいいたいのか?
日本経済は、消費税率引き上げによって、【暗黒の30年】になったのです。
もし、1997年、2014年に消費税率が引き上げられなかったら、日本経済はとっくに復活していたでしょう。
▼消費税引き上げで、中小企業は全滅する
不動産投資家の小場三代さんは、消費税が中小企業にとってどれほど破滅的な影響を与えているかを、ブログで書かれています。
許可を得て転載させていただきます。
【転載ここから▼】
<消費税増税は雇用を破壊する。
それを理解するために、消費税の基礎知識を整理しよう。
ある会社の収支計算書を例に考える。
この会社の収入は
売上計 10000万円+◆消費税1000万=11000万円
人件費 6900万円(給料+社会保険料)
仕入等 3000万円+◆消費税300万円
支出計 9900万円
利益=収入ー支出=800万円
この場合の消費税を計算してみよう。
消費税は(預かった消費税)-(支払った消費税)で算定される。
◆消費税=(A)ー(B)=700万円
消費税込みの利益が800万円なのに
消費税として◆700万円を支払わなければならない。
なんと課税率87.5%!
消費税控除後の利益は100万円となる。
おまけに、この100万円にも法人税が課税される。
市町村や法人規模によって変わるが
概ね30万円以上の法人税が課税される。
利 益 800万円
各種税 730万円 (消費税700万円+法人税30万円)
手残り 70万円
消費税引き前利益800万円に対する課税率は90%超!
税引き後利益は、たったの70万円。
これでは会社運営ができない。>
@【必見】ネタ元はこちら。↓
どうでしょう。
中小企業経営者の皆様、「こういう話なのかどうか」メールで教えていただけるとうれしいです。
私がモスクワから日本に戻ってきて、
日本を覆う閉塞感には三つの理由があると思いました。
一つは、少子化問題は解決不可能と皆が考えていること。
しかし、実をいうと少子化問題は解決できます。
具体的方法はこちら。↓
二つ目は、労働環境がひどいこと。
こちらは、働き方改革と、コロナによるテレワーク普及でだいぶ改善されてきたようです。
三つめは、重税感です。
これは、本当に大問題ですね。
日本に戻ってきて、子供が二人いる年収1500万円の友人に、「3人目は?」と聞いてみました。
すると彼は、「金が足りなくて3人目は無理!」といったのです。
私は驚いて、「年収1500万円で金がないの?」と聞きました。
すると彼は、「だいたい半分ぐらいは税金で持っていかれる」と嘆きました。
日本では、所得の高い人も低い人も、重税で苦しんでいます。
岸田さんは、さらに「防衛増税」を進める。
甘利さんは、「消費税を引き上げる」意向を示す。
私は思います。
「政府は、何もしなくていいから、税金を上げないでくれ。民のやる気と意欲と心身の健康を損なわないでくれ!」と。
税金据え置きなら、経済は勝手に成長しはじめます。
減税すれば、成長は加速するでしょう。
中国の脅威を正しく認識し、なおかつ、
「日本の税金は高すぎる。減税します!」
というまともな政党が現れれば、支持したいと思います。
皆さんは、どうお考えですか?
何はともあれ、政府は「また消費税を引き上げる」意欲を見せ始めました。
1997年、2014年、2019年に、日本経済を破壊した消費増税。
同じ過ちを繰り返すのは、なぜなのでしょうか?
皆さん、官邸に、「防衛増税しないでください。消費税を引き上げないでください!」
と意見メールを送りましょう。
何もしなければ、「国民は消費増税OKなのね」ということになります。
@官邸へのメールはこちらから。↓
---owari---
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