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日本、安定の秘密

2018年06月06日 | 日本

今日から国際関係アナリスト・北野幸伯さんのメルマガから3話、お伝えします。

 

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全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!        2018/01/31 ()

北野です。

 

時々書きますが、私は1990年からずっとモスクワに住んでいます。私がモスクワ国際関係大学に留学したのは、ソ連崩壊の前年。日本では、ちょうどバブルがはじけた頃でした。しかし、当時日本の経済力は圧倒的。その頃、ロシア人はよく言っていました。

 

「夢は、日本の家電に囲まれて暮らすことです!」と。

私は、「日本製の自動車は?」と聞き返します。すると、「日本車、もちろん欲しい!しかし、日本車を買うより、宇宙に行くほうがまだ楽だ」などと答えが返ってくる。

 

つまり、当時「日本車は高すぎて買えない。家電ならまだ少しは現実味がある」と。(いまではモスクワ、日本車だらけです)

 

ところが、皆さんご存知のように、日本は「暗黒の20年」に突入していきます。モスクワ暮らしの私は、しばらく何も感じませんでした。しかし、10年もすると、「嗚呼」と思うことが多くなった。モスクワの家電屋さんから日本製品が徐々に減っていったのです。

 

もう10数年前になるでしょうか。

私の友達の友達で、パナソニックに勤めている人がいる。その人が、「サムソンに負けそうだ」と泣き言をいっていると聞いた。

 

私は、「冗談だろう」と思ったのです。しかし、その後、サムソンの方が強くなってしまいました。

私がモスクワに来た頃、日本といえば

 

「経済超大国」だった。

 

今でも、GDP世界3位ですが。だれも、「経済超大国」とはいわないですね。たとえば一人当たりGDP、2016年を見てみましょう。

1位はルクセンブルグで、104094ドルです。

日本は、22位(!)で38882ドル。トップの2.67分の1の水準。

 

日本人の平均年収は1997年が最高で467万円だった。2017年は、418万円です。

20年で全然増えていないどころか、49万円も減っている。

 

▼しかし、安定している日本

日本は「暗黒の10年」とか「暗黒の20年」とかいわれましたが、そのとおりだと思います。

しかし、私が時々日本に帰国して思うのは、「日本人は相変わらず世界一親切だな」ということ。

もちろんお金も大事です。

 

大事ですが、国民が善人であることの方がよほど大切でしょう?

普通、経済の停滞がこれほど長くつづくと、人心は荒み、社会全体がギスギスしてくるものです。

しかし、日本に限っていえば、そういう感じはまったくしません。

 

もちろん日本に住んでいる皆さんは、「いや、ギスギスしてますよ」というかもしれません。

私がいいたいのは、「他の国と比べたら」ということです。

 

▼悪くない日本のシステム

皆さん、「日本のシステムは悪い」と思っていませんか?

私も少し前までそう思っていました。

 

「なんで、毎年首相が代わるのだ!」と。(安倍総理は、例外的に長いですが)

しかし、ある時、「嗚呼、日本のシステムはいいな」と感じたのです。

 

それは、小鳩政権の時。あの時、事実上の黒幕だった小沢さんが、中国に行き、

「私は、自民解放軍の野戦軍司令官であ~る!!!!!!!」と宣言した。

 

私は、「この人は、日本を中国の属国にするつもりなのだ」と確信しました。

危機感マックスです。

 

しかし、幸い小鳩政権は、1年ぐらいで崩壊した。皆さん、考えてみてください。

小鳩政権が、アメリカみたいに4年つづいていたら?

中国のように5年つづいていたら?ロシアのように6年つづいていたら?

 

あれほど短期間に、日米同盟をメチャクチャにした。4年もあれば、日米安保は破棄されて、沖縄は中国領になっていたかもしれない

 

この時、「嗚呼、ダメ総理をすぐに首にできる日本型システムでよかった!」と感じたのです。

 

▼変わる部分と変わらない部分

皆さんご存知のように日本の政治はコロコロ変わります。「安倍一強」といっても、明日はどうなるかわかりません。

 

「プーチン一強」というのと、「安倍一強」というのでは、まったく意味が違うのです。しかし、一方で日本には、「暗黒の20年でも変わらない安定性」が確かにあります。

 

これは、なんなのでしょうか?長い間、わかりませんでしたが、最近わかりました。

 

「皇室だ!」と。

 

天風先生によると、人は、肉体と心と魂からなるそうです。肉体は、かわりやすいですね。

今Xファイル11シーズンを見ていますが、モルダーもスカリーも老けました。

 

私は「モルダーもスカリーも老けたな」と思った後、鏡で自分の顔をみます。そして、「そりゃそうだな」と納得します。

 

心も変わりやすいですね。

朝どんなに元気でも、文さんが「慰安婦合意見直しを要求」などときけば、とたんに気分が悪くなります。

 

ところが、魂だけは不変、不死だといわれています。ま、死んでみなければわかりませんが。

不変、不死の魂が、人間の基盤だというのですね。

 

国でいえば、政治も経済も、コロコロ変わっていきます。コロコロ変わるものは国家の基盤にはなりえません。(マルクスは、経済が基盤だといったが)

 

日本で、「変わらないもの」があるとすれば、「皇室」でしょう。

今上天皇は、125代目。

私は、「皇室」が日本の、外国からみると普通でない「安定」を支えていると思うのです。

 

▼敗戦で分断された国民と皇室

ちなみにロシアにも、それらしきものがあったのですね。

一つは、ロマノフ王朝。もう一つは、ロシア正教です。

 

レーニンは、ロシア革命で権力をゲットすると、皇帝ニコライ二世と家族を殺しました。

そして、ロシア正教や他の宗教を事実上禁止したのです。

要は、ロシアの「不変の基盤」を、早速ぶち壊した。

 

1991年末、ソ連が崩壊し、信教の自由が許されるようになった。

すると、ものすごい勢いで「ロシア正教回帰」が起こってきました。

今のロシア人は、日本人には想像できないほど宗教的です。

そして、敬虔なロシア正教徒は、政治経済の変転に、まったく動じないように見える。

 

さて、戦後、日本では、皇室について語られることがほとんどなくなりました。

 

レーニンは、ロマノフ王朝とロシア正教を破壊した。

一方、GHQは、皇室と日本国民を分断することにした。

 

私自身、「日本安定の基盤はなんだろう?」と長い間わからなかった。

それは、学校で皇室について、まったく教わってこなかったからです。

 

既に書きましたが、日本は「暗黒の10年」「暗黒の20年」といわれながらも、驚くべき安定性を保っています。

 

毎年のようにかわる首相、46年でかわる大統領など、コロコロ変わるものを基盤にしていないところが、日本の安定性と強さの源泉なのでしょう。

 

今回の話、特にリベラル系の方は、「全然納得できないぞ!」と思われるかもしれません。

しかし、ある本を読むことで、私の話、納得していただけるようになるでしょう。

 

「ある本」とは、

●日本人として知っておきたい皇室の祈り(詳細は → http://amzn.to/2no1TbF )

 

著者は、私がもっとも尊敬する伊勢雅臣先生です。

皆さんご存知ですね。

全日本人必読メルマガ「国際派日本人養成講座」(JOG)の伊勢先生です。

 

皆さん、これを読み、日本の「核」である皇室について学びましょう。

北野絶対お勧め、後悔しないこと、完全保証です。

 

●PS

私は、ある本で、「日本には戦略的忍耐が必要だ」と書いています。1020年忍耐するつもりで進めば,必ず勝てると。そう書いたのも、「日本システムの安定性」に信頼をおいているからです。

 

---owari---

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