このゆびと~まれ!

「日々の暮らしの中から感動や発見を伝えたい」

小者から長浜城主へ破竹の稀な出世

2024年05月11日 | 歴史
④今回は「作家・津本陽さん」によるシリーズで、豊臣秀吉についてお伝えします。
――――――――――――――――――――――――
秀吉は弘治二年(一五五六)に、中間(ちゅうげん)、小者(こもの)という低い身分で信長に奉公してから、天正二年(一五七四)、長浜城主に就任するまで二十年に満たない期間に破竹の出世をしている。

いかに戦国乱世の時代であるとはいっても、稀なケースだといえよう。秀吉は運気の強い人物であったが、出世の原動力となったのは、信長が何を望んでいるかを読みとり、自分が何をすれば、もっとも功利につながるかを判断する、そういう鋭敏な性格であり、身を粉にして働くことをいとわなかったからである。

信長は秀吉のそのような点を買っていたのである。信長は仕事を百パーセント仕上げた者には、それ相応の報酬でこたえて、抜擢している。あたえた仕事の五十パーセント程度しか達成できない者については、すべて捨てたが、全力投球した秀吉に対しては感謝の気持をあらわしている。

秀吉は信長の期待にこたえて立身出世したのである。

(小説『秀吉私記』作家・津本陽より抜粋)

---owari---
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 愛妾の吉野の口添いで信長へ... | トップ | 殺戮(さつりく)より活用を心... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

歴史」カテゴリの最新記事