(最後は「勇気」である)
最後は勇気です。人間の能力など、それほど大きく変わりはしません。やはり、最後は勇気なのです。
知識が豊富だったり、地位が高かったりすると、意外に勇気がなくなっていくので、それが困るわけです。
例えば、「よく勉強している人」としては、大学の教授などがそうでしょう。そのなかでも、東大の教授あたりになると、「さらによく勉強しているだろう」と一般には思われています。しかし、東大の教授になってしまうと、実は本を出さなくなってきます。怖(こわ)くて出せないのです。
東大の教授には権威(けんい)が必要であり、もし変なことを本に書いて批判を受けたりすると怖いので、勇気を持って本を書くことができないわけです。「もっと調べてからでないと書けない」というような理由で、どんどん先延ばしにし、思い切ってトライすることができなくなってくるのです。
よく勉強し、頭もよい人であれば、本当は本をたくさん書かなければいけないはずですが、実際には、どんどん書けなくなっていきます。そういうものです。
会社の仕事でもそうです。大きな会社で、責任ある立場に就(つ)くと、本当は勇気を持って判断しなければいけない問題に対して、書類を山積みにし、判断せずに放置してしまう癖がついてきがちです。そのように、問題からすぐに逃げる癖がついてくるのです。
そして、優秀な人が優秀な結果を残せないことが、実際にはよく起きてきます。
したがって、必要なものは勇気です。勇気が大事なのです。
人間は、勇気によって変わることがあります。「ここ一番」のときには、勇気以外に頼(たよ)りになるものはありません。知力などには限界があるのです。
---owari---
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