今日は国際関係アナリスト・北野 幸伯さんのメルマガからお伝えします。
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全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは! 北野です。
皆さんご存知のように、RPEはかなり前から「習近平の国賓訪日」に大反対しています。
たとえば昨年の11月22日、ダイヤモンドオンラインに
「習近平の国賓訪日を中止すべき4つの理由、魂胆は「天皇の政治利用」」
という記事を書きました。
@読んでいない方は是非ご一読を。↓
ここで私は、習の国賓訪日がNGな4つの理由を挙げました。
1番目の理由は、中国への過度の接近が、同盟国であるアメリカとの関係を破壊するから。
2018年に、米中覇権戦争がはじまった。
その直後から、同盟国日本は、中国に接近しはじめた。
これ、普通に考えれば、【裏切り行為】でしょう?
2つ目の理由は、「ウイグル問題」。
中国政府が、100万人のウイグル人を強制収容している事実が広く知られるようになってきた。
ナチスドイツとも比較される独裁国家の長を、天皇陛下に会わせる????
とんでもないことです。
第3の理由は「香港問題」。
第4の理由は、中国政府が天皇陛下を政治利用するから。
1989年、中国は天安門事件で世界的に孤立しました。
この時、中国は、一番「平和ボケ」「お人よし」「ナイーブ」な日本政府に接近したのです。
そして、1992年の天皇訪中を実現させた。
これを見た欧米は、「狡猾な日本は、巨大な中国市場を独占するつもりだ!」と焦った。
それで、1993年から、欧米と中国の関係は正常化された。
中国は、見事に天皇陛下を【政治利用】することに成功したのです。
そして、1994年、中国は国内で「反日教育」、世界で「反日プロパガンダ」を開始した。
これは、何でしょうか?
日本を米中共通の敵にするため、「悪魔化工作」を開始したのです。
それで、クリントン政権は、非常に反日でした。
また同じ過ちを繰り返すのは、愚かです。
以上4つの理由で、私は習の国賓訪日に反対しています。
そして、「日本は第2次大戦時、ナチスの同盟国になって敗戦した。
今度は、ウイグル人100万人を強制収容している中国に接近して敗戦する」
と警告しつづけてきました。
最近は、さまざまな人が、「習国賓訪日反対」と公言するようになり心強いです。
しかし、皆さんご存知のように、安倍総理の心は現時点で変わっていません。
そんな中、ニューズウィーク日本版が、安倍総理を痛烈に批判する記事を掲載しました。
題名は、「基本的人権の理念を捨て、習近平を国賓に迎える安倍政権」です。
何が書いてあるのでしょうか?
記事はまず、根本的な疑問を提起します。
<<ウイグル人弾圧、香港抑圧の習近平・独裁体制と「世界平和」を目指す安倍政権は、人権、民主主義の理念を捨てて経済的利益を優先するのか>>
安倍政権は、「人権、民主主義より金儲けを優先するのか?」という問題提起です。
<日中関係・日米関係に何が起きているか全く釈然としない──そう考える米シンクタンク勤務の私の友人が東京に来ていたときに、安倍首相は中国寄りの姿勢を一層強めて見せた。
アメリカへの挑戦とも映る日本政府の昨今の動向は決して感情的な「反抗」ではなく、明確な意図に基づいた行動だ、とアメリカの関係筋はみているらしい。>
ここ重要です。
アメリカは、日本の中国接近を、【アメリカへの挑戦】と見ている。
ただ、アメリカ関係筋は、間違っています。
<感情的な「反抗」ではなく、明確な意図に基づいた行動だ、>
この部分。
日本には、アメリカに「反抗」する意志も、「明確な意図」もありません。
戦略に基づいた行動でもない。
ただ、「中国さんが接近したから、日本も仲良くしましょう」ぐらいで、
「な~~~~~~~~~~~~にも考えてない」ことは明白です。
昔Z氏から、聞かれました。
ある行動について、「日本政府は何を考えているんだ、理解できない!」と。
それで私は、「何も考えていないですよ。日本政府は何も考えていないことがわかると、日本の動きが全部わかるようになるのです」と何度も説明した。
最初Z氏は、「そんなバカな!」というリアクションでした。
しかし、しばらくすると、「結局、君のいうことが正しいと思う」といって微笑みました。
そう、日本政府は、何も考えていないので、悪気なくアメリカを傷つける。
しかし、アメリカ政府高官は、「何も考えていないはずがない!」と思うので、
「日本は明確な意図をもってアメリカに反逆している!」と勘違いする。
しかし、勘違いされても仕方ないでしょう。
この件では、圧倒的に安倍政権が悪いです。
▼アメリカを裏切る安倍総理
つづいて記事は、アメリカの行動と日本の行動が「正反対」であることを指摘します。
<トランプ米政権は今、中国との貿易戦争の真っ最中にいる。
困難な協議を経て第1段階の合意に達したとはいえ、対立そのものが解消されたわけではない。
何しろ、ペンス副大統領やポンペオ国務長官が繰り返し演説で表明しているように、アメリカは中国共産党そのものを悪の存在と見なし、体制に不信感を抱いている。
経済分野の対立だけでなく、ウイグル人に対するホロコースト同然の弾圧や香港人に対する厳しい鎮圧は、まさに中国共産党の本質を物語る行為だと理解されている。>(同上)
重要なのは、「アメリカは中国共産党そのものを【悪の存在】と見なし」というところ。
さらに、「ウイグル人に対する【ホロコースト】同然の弾圧」という部分。
日本政府は、ナチスがユダヤ人を大虐殺しても、全然気にしませんでした。
そして今は、中国政府がウイグル人に対して「ホロコースト同然の弾圧」(引用)をしていても、全然気にしない。
なぜ????
<片や、安倍政権はアメリカの価値観と完全に相いれない独裁政権と「世界平和」を構築しようとしている。
アメリカの識者たちの目には、戦前の大日本帝国がナチス・ドイツと秘密裏に交渉を続け、同盟を結んだ「悪の枢軸」を想起させてもいるようだ。>(同上)
この比喩は、まさに私が毎度毎度繰り返しているものと同じです。
日本政府の今の行動は、「ナチスの同盟国になった愚かな戦前日本政府と同じ」なのです。
アメリカの識者たちも、同じように見ている。
▼なぜ安倍総理は、アメリカを裏切るのか?
なぜ安倍総理は、あっさりアメリカを裏切るのでしょうか?
<安倍首相を転向させたのは、いまだに「エコノミック・アニマル」の境地から脱出できていない経済界だろう。
世界を代表するソニーとシャープは中国にウイグル人を監視する顔認証システムの部品を輸出してきた。
無印良品とユニクロの製品には新疆ウイグル自治区で生産されていた綿花が利用されていた。
そして、日本の大手飲料メーカーはビールの原料であるホップを同自治区で栽培していた。
日本人が日常的に使う多くの製品にも、強制収容施設内に閉じ込められ、無理やり働かされたウイグル人の血と涙が染み込んでいる。>(同上)
まあ、この部分については、「欧米も日本のこといえないよね」と思います。
しかし、最大の問題は、「皆が中国の人権問題を指摘しはじめたタイミング」で中国に接近する
日本政府の【 KYさ 】でしょう。
たとえば、ある学校ではひどいいじめが横行し、隠蔽されてきた。
そのことが暴露され、世界中が、その学校をバッシングしはじめている。
その時、日本人は、ひどいいじめを隠蔽している校長先生に会い、
「がんばって金儲けしていきましょう!!!」なんていっている。
たとえれば、日本政府がやっていることは、こんな感じです。
世界中の人が、「中国政府はウイグル人100万人を閉じ込めている」ことを心配し、声をあげはじめた。
そこに日本人が来て、「がんばって金儲けしましょう!」。
これじゃあ、「日本は、人権完全無視国家だな」と思われても仕方ありません。
<金儲けを優先する経済界は中国での利権を確保し続けたい。
だから、人権や民主主義といった基本的な理念を捨てて、中国にべったりとなっている。
そして、経済界からの支持で自らの「アベノミクス」の成功物語をレガシーに作り替えたい政権が、同盟国アメリカを「裏切る」方向へ舵を切りつつある
──少なくともそう見える。>(同上)
金儲けのために、
<同盟国アメリカを「裏切る」方向へ舵を切りつつある>
アメリカからは、そう見えるそうです。
そして、この件に関しては、100%日本政府が悪いといえるでしょう。
著者のアメリカシンクタンクの友人は、こんなセリフを残して帰国したそうです。
<「地獄を見ない限り、日本人は覚醒しないだろう」と、米シンクタンクの友人は吐き捨てて帰国の途に就いた。>(同上)
@今回の出所はこちら。↓
●PS1
この件、「その通りだ!」と思われるかた、是非総理官邸にメールをお送りください。↓
デモより効果があるみたいです。
「日本がまた敗戦」とならないよう、お願いいたします。
---owari---
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