五木寛之さんの「百寺巡礼」と司馬遼太郎さんの「街道をゆく」シリーズの中から、私が行ったところのあるお寺や地方を扱ったものを、図書館で借りてきて順に読んでいる。


「百寺巡礼」では、寺の紹介というより、その寺を創建した僧侶や宗派のことが詳しく書かれていて、面白い。行き着くのは、その宗派の祖である。真言宗なら空海、天台宗なら最澄、浄土宗なら法然、浄土真宗なら親鸞であり、禅宗の臨済宗なら栄西、曹洞宗なら道元などなどである。それぞれの宗派の経典には、厳しいものばかりでなく、ゆるいものもあり、栄えた時代背景ともリンクしている。

「街道をゆく」では、司馬遼太郎さんが、その土地の歴史を知る方との関わりの中から様々エピソードを交えて話を展開している。堅苦しいと思っていたのだが、とても人間くさくて、読みやすい。東京、大阪、兵庫、和歌山、沖縄、宮城、北海道と、私が暮らしたところ、好きなところの巻を読みあさっている。
図書館では、ついでに小説も借りている。最近は内館牧子さんの高齢者小説にはまってしまった。
ベストセラーの「終わった人」を読んで、その主人公の気持ちがわかりすぎてしまった。定年した直後の63歳からはじまる主人公の葛藤物語である。
次に「今度生まれたら」、さらに「小さな神たちの祭り」を読み、そして今日「すぐ死ぬんだから」を読み終えた。
写真の「愛し続けるのは無理である。」はエッセイ集で、これまたそうだよなあ、という共感ばかりの内容だった。

内館牧子さんについては、脚本家で横綱審議会の委員をしている方ぐらいの知識しかなかったのだが、小説家としても優れた方とわかった。
主人公は、知人との会話をした後で、その知人の悪口を心の声として続けるのであるが、主人公が私と同世代なので、よく理解できることばかりである。よく言ってくれました、ばかりである。内館牧子さんのセンスと表現力は素晴らしい。
五木寛之さん、司馬遼太郎さん、内館牧子さん、しばらくはこの三人で寝る前の読書時間は充実です、、、いつの間にか眠っていて、電気つけっぱなしと怒られながらですが😅