おりょうの万葉浴

おりょうの万葉浴展・ ギャラリー香・2017年12月  

菊園武彦さまご降臨 第5回目

2010-02-26 | 


    昨日 は  

 朝10時 の 5分前 に 私の家 に 菊園武彦さま ご降臨されました

  2月4日 に 西宮ライオンズさま で 

  はじめての スピーチ を なさった ご報告 を して 下さい ました

         題 しまして 

   建物は生きている  

     です よろしく お願い 申しあげます

         ここから 建築家 菊園武彦氏 の お話しです
              
             

 私 は  大学 で 化学 を 学んで いました

    ひょんなこと から 建築の道 に 入りました

       どうして  この道 に 入った のか  不思議 でした けれど

            後 に  

 菊園家 の  ルーツ を 調べてみて  わかりました 

      私 の 先祖 は  

        大阪 住吉大社 津守家 の 七家 の ひとつ 駒家 です

             

 代々  神主 として 播磨 の 神領 を  治めて いた そうです

   建築の道 に 入り 神社建築 を  学び 進んで行こう とした 

      理由 が わかった ような 気 が しました

その当時   

 吉井貞俊先生 と 伊勢の猿田彦神社 で お会い させて頂いた のが 

     最初 の 出会い で 

        その後  西宮神社 で  再会 させて 頂きました

      私 の  事務所 は

スタッフ等 が 増えて行って 

 目の前 の 仕事 を しなくては ならなく なり
 
   私 が 本来しなければ ならない仕事 の 神社建築 を はじめとする

  日本の伝統建築・その工法を用いた 建築物 を  

  研究・普及すること が  おろそか に なって しまいました

        その為  この 15.6年 

空白 が あいて しまいました けれど 

 今 は  スタッフ も 育ち  仕事 を 譲って 

     私 本来の仕事 が できること に なりました

        吉井貞俊先生 に

   日本の伝統建築 ・ その工法 を 用いた 

      建築物 の 素晴らしさ を 広めたい と いう

        私の想い を お聞き 頂きました ところ

           このお席 を  お借りする ことに なりました

                 ありがとうございます

 阪神淡路大震災 で  多くの 木造建築物 は  

    倒壊し  火災 に あい  消滅 してしまい
     
         一部の報道 で  

木造建築物 は  地震に弱い と 

  レッテル を  貼られて しまいました

      それは  屋根に瓦 を  葺いている こと で  

            建物の上部 が 重いため

            横からの力 に 

               弱い ので 倒壊した と  言われ

 その他  筋かい など  入って いなかった こと など が

     複合原因 と いわれて います
                         
       はたして 本当 に  そのことが  原因 なのでしょうか

           伝統の木造建築物 は   

       何百年 も 地震 ・ 台風などの災害 にも 耐え

  現在 も 脈々 と 伝わっている 建物 が  数多く 残って います

              それは また

何百年 も  かけて 日本の風土 と 融和 し 自然 と  

  共生できる 建物 に 育った ため と 私 は 考え ます

            例えば

         屋根 を  例に します と  

 元々は 竪穴住居 のように  

    カヤ など で 葺かれ

                 その後

             高床の倉庫 など の 様 に   

               木 で  葺かれ て いました

         江戸時代 に

 瓦葺き も  社寺建築 や  住宅建築 に 

   普及して きました

              これは

 木造建築 に とって 

  台風など の 風の力 や 屋根から の 熱の保護など の 向上 に

        役立つ ことに なりました

           屋根 は  下地 に 

             柿板 (こけら) や  土 を 乗せて 

                   その上 に 

      瓦 を 葺く もので 土居葺き と 言います

 この 土 を のせること で  

   屋根 は 重量 を 増し 

      台風など の 風の力 に 抵抗する こと が できます

             また  土 を のせる こと で 

 土 と 共 に 屋根から落ちる ことで

   建物 に 損傷 を 与えない ように 考えられて います

       この点 が  大切なこと なのです

                 阪神淡路大震災 で 壊れた 建物 は 

           本来の土居葺き では なく  

              桟瓦葺き で  屋根 を 葺いた もの でした

                これは 瓦 を 屋根 に 打ち付けた

        桟 に 瓦 を ひっかけ 

          ずり落ちないよう に 取り付けた もの です

             その為

 地震のような力 が 加わっても 

 土居葺き とは 異なり 

   屋根 が 重い ため  建築 が 倒壊した と 考え られます

      現在 この 桟瓦葺き が 普及したのは  

        土居葺 に する と 屋根 荷重が重く なり

            それに 伴って  木造 の 構造材 の 

   柱 ・ 梁 ・ 桁 など の 部材 が 大きい もの に なって

      コスト が 高くなる と いう 理由 で

         この工法 が 使われて いる と 考えます

          また 

   断熱作用 に ついても  土 を のせる こと は

   技術 を 要します こと と コスト が 上がる こと が

       現在 使われている 断熱材 を 入れ 

         ルーフィング貼り と なった 理由 と 思います

  同様 に 

 構造体 の 柱 ・ 梁 ・ 桁 など に ついて  お話し させて 頂きます

  継ぎ手 とは 木材 の 長て方向 に 継ぎ合わせて  

    長い材 を つくる 接合部 の こと です が

         仕口 とは

  木材 を 直角 または 傾斜する 方向 に 接合 するもの

   構造体 は 継ぎ手 と 仕口 で 構成 されて います

     どちらも  現在 の 構造力学 では 

       完全 に 解析 されて いません が

          限界耐力計算 に より  また は  実験等 に より 

             日本の伝統建築工法 は  実証されて います

 この 工法 を 行う ため には 

     優れた 技術 が 必要 と なります

          その為  現在 の 木造建築物 では 

                金物 を 使用 して
 
     技術 を 補う ため 継ぎ手 仕口 等 を 作って います

 これら 金物 を 使った 建物 は  

   取り壊し に 際して は 

     ただ の ゴミ として 壊されて しまいます

                     もし

       継ぎ手 仕口 で 作られて いる ならば   

         柱 ・ 梁 ・ 桁 など の 構造材 や

              床板 など の 造作材 など も

       再利用 が 可能 で

         今  求め られて いる

            循環社会 を 作り上げる こと が 出来ます

           次 に

壁 に ついて です 

  壁 は 元々 屋根 と 一体していた 

     竪穴住居 から 木 を 貼ったり していました

          壁 には  色々な 種類 が ありますので

    一般住宅 で 用いられている 壁 に ついて 

         お話し することに します

 一般住宅 では   

   大壁構造  真壁構造 と いうのが  主 に 用いられて います

       大壁構造 とは 

         柱 が  壁 の なかに 取り込まれて いるもので

             真壁構造 は 柱 が 見える 構造です

        普通 和風建築 では 

 真壁構造 が よく 用いられて いて 

  大壁構造 は 耐火の意味 も あって 

     外壁 に 用いられて います

       どちらも 本来 は  

小舞竹 を 組んで 

 その上 に 土壁 を 塗って 仕上げ に

        外壁 は 漆喰 で 

          室内 は じゅらく 仕上げ が 多い ようです

      現在 では

小舞竹 を 編む 技術 を 持った 

   職人 も 減って 

      手間 が 多く かかるので

           使われること が 少なく なりました

               現在 では

壁耐力 を 上げる意味 から 構造用 合板 を はり  

 その上 に ラス など を 貼った うえ に

     モルタル仕上げ が 普通 と なって います
                 
       また

   室内側 も  

    合板 石膏ボード等 の 上 に クロス や

        板 を 貼る のが 一般的 と なっています

               耐力的 には

                    小舞下地 の 上 に 

         土壁 の 下塗り を してから 

            室内壁 は じゅらく 壁 か 板貼り 等 の

              仕上げ を することで 

              十分 な 耐力 を 出すこと が 出来ます

 壁 の 仕上げ は 

  外壁 室内壁 等 色々なもの が ありますので

   その話 は  またの機会 に させて頂きたい と 思います

            以上 の ことから

         日本 の 伝統建築 に 生かされた 工法 は 

       地震 や 台風など の 力 からは  

         十分 に 耐える こと が 出来

               基本 の 材料 は

  木 ・ 土 ・ 石 ・ 紙 など の 

    自然の材料 を 使って います

       この工法 に よって 

建築 された 建物 は  

  日本 の 自然の中 で  つちかわれ て 自然と共生 しています

   柱 ・ 梁 ・ 桁 など の 

木材 は  室内 の 

 湿度 に 応じて  湿気 を 吸収 したり 放出 しています

         屋根の土居葺き の 土 や 

           壁 の 土壁 も 同様 に 湿度調整 致します

              空気 も 同じ様 に  行き来 します !

   建物 も 自然 と おなじ  

        生きている!!!



                                                              ありがとう於良


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