昨日 は
朝10時 の 5分前 に 私の家 に 菊園武彦さま ご降臨されました
2月4日 に 西宮ライオンズさま で
はじめての スピーチ を なさった ご報告 を して 下さい ました
題 しまして
建物は生きている
です よろしく お願い 申しあげます
ここから 建築家 菊園武彦氏 の お話しです
私 は 大学 で 化学 を 学んで いました
ひょんなこと から 建築の道 に 入りました
どうして この道 に 入った のか 不思議 でした けれど
後 に
菊園家 の ルーツ を 調べてみて わかりました
私 の 先祖 は
代々 神主 として 播磨 の 神領 を 治めて いた そうです
建築の道 に 入り 神社建築 を 学び 進んで行こう とした
理由 が わかった ような 気 が しました
その当時
吉井貞俊先生 と 伊勢の猿田彦神社 で お会い させて頂いた のが
最初 の 出会い で
その後 西宮神社 で 再会 させて 頂きました
私 の 事務所 は
スタッフ等 が 増えて行って
目の前 の 仕事 を しなくては ならなく なり
私 が 本来しなければ ならない仕事 の 神社建築 を はじめとする
日本の伝統建築・その工法を用いた 建築物 を
研究・普及すること が おろそか に なって しまいました
その為 この 15.6年
空白 が あいて しまいました けれど
今 は スタッフ も 育ち 仕事 を 譲って
私 本来の仕事 が できること に なりました
吉井貞俊先生 に
日本の伝統建築 ・ その工法 を 用いた
建築物 の 素晴らしさ を 広めたい と いう
私の想い を お聞き 頂きました ところ
このお席 を お借りする ことに なりました
ありがとうございます
阪神淡路大震災 で 多くの 木造建築物 は
倒壊し 火災 に あい 消滅 してしまい
一部の報道 で
レッテル を 貼られて しまいました
それは 屋根に瓦 を 葺いている こと で
建物の上部 が 重いため
横からの力 に
弱い ので 倒壊した と 言われ
その他 筋かい など 入って いなかった こと など が
複合原因 と いわれて います
はたして 本当 に そのことが 原因 なのでしょうか
伝統の木造建築物 は
何百年 も 地震 ・ 台風などの災害 にも 耐え
現在 も 脈々 と 伝わっている 建物 が 数多く 残って います
それは また
何百年 も かけて 日本の風土 と 融和 し 自然 と
共生できる 建物 に 育った ため と 私 は 考え ます
例えば
屋根 を 例に します と
元々は 竪穴住居 のように
カヤ など で 葺かれ
その後
高床の倉庫 など の 様 に
木 で 葺かれ て いました
江戸時代 に
瓦葺き も 社寺建築 や 住宅建築 に
普及して きました
これは
木造建築 に とって
台風など の 風の力 や 屋根から の 熱の保護など の 向上 に
役立つ ことに なりました
屋根 は 下地 に
柿板 (こけら) や 土 を 乗せて
その上 に
瓦 を 葺く もので 土居葺き と 言います
この 土 を のせること で
屋根 は 重量 を 増し
台風など の 風の力 に 抵抗する こと が できます
また 土 を のせる こと で
土 と 共 に 屋根から落ちる ことで
建物 に 損傷 を 与えない ように 考えられて います
この点 が 大切なこと なのです
阪神淡路大震災 で 壊れた 建物 は
本来の土居葺き では なく
桟瓦葺き で 屋根 を 葺いた もの でした
これは 瓦 を 屋根 に 打ち付けた
桟 に 瓦 を ひっかけ
ずり落ちないよう に 取り付けた もの です
その為
地震のような力 が 加わっても
土居葺き とは 異なり
屋根 が 重い ため 建築 が 倒壊した と 考え られます
現在 この 桟瓦葺き が 普及したのは
土居葺 に する と 屋根 荷重が重く なり
それに 伴って 木造 の 構造材 の
柱 ・ 梁 ・ 桁 など の 部材 が 大きい もの に なって
コスト が 高くなる と いう 理由 で
この工法 が 使われて いる と 考えます
また
断熱作用 に ついても 土 を のせる こと は
技術 を 要します こと と コスト が 上がる こと が
現在 使われている 断熱材 を 入れ
構造体 の 柱 ・ 梁 ・ 桁 など に ついて お話し させて 頂きます
継ぎ手 とは 木材 の 長て方向 に 継ぎ合わせて
長い材 を つくる 接合部 の こと です が
仕口 とは
木材 を 直角 または 傾斜する 方向 に 接合 するもの
構造体 は 継ぎ手 と 仕口 で 構成 されて います
どちらも 現在 の 構造力学 では
完全 に 解析 されて いません が
限界耐力計算 に より また は 実験等 に より
日本の伝統建築工法 は 実証されて います
この 工法 を 行う ため には
優れた 技術 が 必要 と なります
その為 現在 の 木造建築物 では
金物 を 使用 して
技術 を 補う ため 継ぎ手 仕口 等 を 作って います
これら 金物 を 使った 建物 は
取り壊し に 際して は
ただ の ゴミ として 壊されて しまいます
もし
継ぎ手 仕口 で 作られて いる ならば
柱 ・ 梁 ・ 桁 など の 構造材 や
床板 など の 造作材 など も
再利用 が 可能 で
今 求め られて いる
循環社会 を 作り上げる こと が 出来ます
次 に
竪穴住居 から 木 を 貼ったり していました
壁 には 色々な 種類 が ありますので
一般住宅 で 用いられている 壁 に ついて
お話し することに します
一般住宅 では
大壁構造 真壁構造 と いうのが 主 に 用いられて います
大壁構造 とは
柱 が 壁 の なかに 取り込まれて いるもので
真壁構造 は 柱 が 見える 構造です
普通 和風建築 では
真壁構造 が よく 用いられて いて
大壁構造 は 耐火の意味 も あって
外壁 に 用いられて います
どちらも 本来 は
小舞竹 を 組んで
その上 に 土壁 を 塗って 仕上げ に
外壁 は 漆喰 で
室内 は じゅらく 仕上げ が 多い ようです
現在 では
小舞竹 を 編む 技術 を 持った
職人 も 減って
手間 が 多く かかるので
使われること が 少なく なりました
現在 では
壁耐力 を 上げる意味 から 構造用 合板 を はり
その上 に ラス など を 貼った うえ に
モルタル仕上げ が 普通 と なって います
また
室内側 も
合板 石膏ボード等 の 上 に クロス や
板 を 貼る のが 一般的 と なっています
耐力的 には
小舞下地 の 上 に
土壁 の 下塗り を してから
室内壁 は じゅらく 壁 か 板貼り 等 の
仕上げ を することで
十分 な 耐力 を 出すこと が 出来ます
壁 の 仕上げ は
外壁 室内壁 等 色々なもの が ありますので
その話 は またの機会 に させて頂きたい と 思います
以上 の ことから
日本 の 伝統建築 に 生かされた 工法 は
地震 や 台風など の 力 からは
十分 に 耐える こと が 出来
基本 の 材料 は
木 ・ 土 ・ 石 ・ 紙 など の
自然の材料 を 使って います
この工法 に よって
建築 された 建物 は
日本 の 自然の中 で つちかわれ て 自然と共生 しています
柱 ・ 梁 ・ 桁 など の
木材 は 室内 の
湿度 に 応じて 湿気 を 吸収 したり 放出 しています
屋根の土居葺き の 土 や
壁 の 土壁 も 同様 に 湿度調整 致します
空気 も 同じ様 に 行き来 します !
建物 も 自然 と おなじ
生きている!!!
ありがとう於良