【 旅といへば 言( こと )にそ易( やす )き すべもなく 苦しき旅も 言にまさめやも 】 中臣朝臣宅守 旅といえば 言霊の上では それだけのことだね しかたないほどに くるしい旅でも . . . 本文を読む
【 我妹子( わぎもこ )に 逢坂山( あふさかやま )を 越えて来( き )て 泣きつつ居( を )れど 逢( あ )ふよしもなし 】 中臣朝臣宅守 あなたょ 大津市の西 山城と近江の 境をなす逢坂山 越えてきて . . . 本文を読む
【 世の中の 常( つね )の理( ことわり ) かくさまに なり来( き )にけらし すゑ種( たぬ )から 】 中臣朝臣宅守 世間の 常のおきてで このように なってきたんだね 私が
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【 立ち反( かへ )り 泣けども我( あれ )は 験( しるし )なみ 思( おも )ひわぶれて 寝( ぬ )る夜( よ )しそ多( おほ )き 】 中臣朝臣宅守 くりかぇして 泣いても 私は甲斐がないので がっく . . . 本文を読む
【 山川( やまかは )を 中に隔( へな )りて 遠( とほ )くとも 心( こころ )を近く 思ほせ我妹( わぎも ) 】 中臣朝臣宅守 山や川を なかにへだて 遠くても こころは . . . 本文を読む
【 さ寝( ぬ )る夜( よ )は 多くあれども 物思( ものも )はず 安く寝( ぬ )る夜( よ )は さねなきものを 】 中臣朝臣宅守 寝る夜は 多いんだ けれども 物想いをしないで . . . 本文を読む
【 他国( ひとくに )に 君をいませて 何時( いつ )までか 我( あ )が恋ひ居( を )らむ 時の知らなく 】 娘子 他国に ぃとしぃぁなたさまを ぃかせてしまって すき . . . 本文を読む
【 人の植( う )うる 田は植ゑまさず 今更( いまさら )に 国別( くにわか )れして 我( あれ )はいかにせむ 】 娘子 ひとさまがする 田植も なさらなぃで ぃまさらに . . . 本文を読む
【 旅といへば 言( こと )にそ易( やす )き 少なくも 妹に恋ひつつ すべなけなくに 】 中臣朝臣宅守 旅といったら 言霊では それだけのことだね ちょっとだけ あなたを . . . 本文を読む
【 我妹子( わぎもこ )が 形見( かたみ )の衣( ころも ) なかりせば 何物( なにもの )もてか 命継( いのちつ )がまし 】 中臣朝臣宅守 あなたの この形見の 衣が
なかったら なにを . . . 本文を読む