【 おしてる 難波( なには )の崎に 引き登( のぼ )る 赤( あけ )のそほ舟( ぶね ) そほ舟に 網取り掛け 引( ひ )こづらひ ありなみすれど 言ひづらひ ありなみすれど ありなみ得( え )ずぞ 言はれにし我( あ )が身 】 波がおしてる 難波の崎を ひきのぼる 珠玉の舟ょ . . . 本文を読む
【 み吉野( よしの )の 御金( みかね )の岳( たけ )に 間( ま )なくぞ 雨は降るといふ 時じくそ 雪は降るといふ その雨の 間( ま )なきがごとく その雪の 時じきがごと 間( ま )も落ちず 我( あれ )はそ恋( こ )ふる 妹( いも )がただかに 】 み吉野の 御金の岳に たえまな . . . 本文を読む
【 眠( い )も寝( ね )ずに 我( あ )が思( おも )ふ君は いづく返( へ )に 今夜( こよひ )誰( たれ )とか 待てど来( き )まさぬ 】 寝てもねむれなぃ 私が想ってぃる
ぃとしぃぁなたさまは
すき . . . 本文を読む
【 三諸( みもろ )の 神奈備山ゆ との雲( ぐも )り 雨は降り来( き )ぬ 天霧( あまぎ )らひ 風さへ吹きぬ 大口( おほくち )の 真神( まかみ )の原ゆ 思ひつつ 帰りにし人 家に至りきや 】 三諸の 神奈備山から かき曇って 雨さまふってきました ぉ空 . . . 本文を読む
【 小墾田( をはりだ )の 年魚道( あゆぢ )の水を 間( ま )なくそ 人は汲( く )むといふ 時( とき )じくそ 人は飲むといふ 汲む人の 間( ま )なきがごとく 飲む人の 時じきがごと 我妹子( わぎもこ )に 我( あ )が恋( こ)ふらくは 止( や )む時もなし 】 小墾田の あゆぢの水 . . . 本文を読む
【 沼名川( ぬながは )の 底なる玉 求めて 得( え )し玉かも 拾( ひり )ひて 得し玉かも あたらしき 君が 老ゆらく惜しも 】 沼名川の 底にぁる 珠玉 さがしもとめた 玉でなぃのです ひろって . . . 本文を読む
【 天( あめ )なるや 月日( つきひ )のごとく 我( あ )が思( おも )へる 君が日( ひ )に異( け )に 老( お )ゆらく惜( を )しも 】 天界にぁります ぉつきさまや 太陽さまのょぅに 私が仰ぎます . . . 本文を読む
【 天橋( あまばし )も 長くもがも 高山( たかやま )も 高くもがも 月読( つくよみ )の 持てるをち水 い取り来( き )て 君に奉( まつ )りて をち得てしかも 】 天界にとどく ながぃはしご ぁったら ぃぃのに 高ぃぉ山のょぅな . . . 本文を読む
【 あらたまの 年( とし )は来去( きさ )りて 玉梓( たまづさ )の 使ひの来( こ )なば 霞立( かすみた )つ 長き春日( はるひ )を 天地( あめつち )に 思ひ足( た )らはし たらちねの 母が飼( か )ふ蚕( こ )の 繭隠( まよごも )り 息( いき )づき渡り 我( あ )が恋ふる 心の中( うち )を 人に言ふ ものにしあらねば . . . 本文を読む
【 かくのみし 相思( あひおも )はざらば 天雲( あまくも )の 外( よそ )にそ君は あるべくありける 】 こんなに 私のこと 想ってぃただけなぃの ぃとしぃぁなたさまが 天界の . . . 本文を読む
【 あをによし 奈良山( ならやま )過ぎて もののふの 宇治川( うぢかは )渡り 娘子( おとめ )らに 逢坂山( あふさかやま )に 手向( たむけ )くさ 幣( ぬさ )取り置きて 我妹子( わぎもこ )に 近江( あふみ )の海の 沖つ波 来寄( きよ )る浜辺( はまへ )を くれくれと ひとりそ我( あ )が来( く )る 妹( いも )が目を欲( ほ . . . 本文を読む
【 そらみつ 大和( やまと )の国 あをによし 奈良山( ならやま )越えて 山背( やましろ )の 管木( つつき )の原 ちはやぶる 宇治( うぢ )の渡り 岡屋( おかのや )の 阿後尼( あごね )の原を 千年( ちとせ )に 欠( か )くることなく 万代( よろづよ )に あり通( がよ )はむと 山科( やましな )の石田( いはた )の社( もり ) . . . 本文を読む
【 弊帛( みてぐら )を 奈良より出( い )でて 水蓼( みづたで ) 穂積( ほづみ )に至り 鳥網( となみ )張る 坂手( さかて )を過ぎ 石橋( いしばし )の 神奈備山( かむなびやま )に 朝宮( あさみや )に 仕( つか )へ奉( まつ )りて 吉野( よしの )へと 入( い )ります見れば 古( いにしへ )思( おも )ほゆ 】 . . . 本文を読む