
「9条の会」呼びかけ人の一人である井上ひさし氏による1999年8月の講座より。
大日本帝国憲法と、日本国憲法のそれぞれの成り立ちについての解明。
人類が到達した「共有財産」としての知恵を結集したものが、「日本国憲法」であるということ。
「おしつけ憲法」だとか、「だから変えなければ・・・」という理屈が、どれほど皮相なものかということが、わずか63ページのブックレットではあるがよくわかる。
そしてまた、井上ひさしという一人の作家が、どんな信念と決意を持って「9条の会」の呼びかけ人の一人になったのかということにも、あらためて感じ入る。
結びの一節を引用しておきます。
きたるべき21世紀に、たとえば核問題を「日本国憲法」で解決する。そのことでわたしたちは人類史に貢献できるのではないでしょうか。
このブックレットの元となった講演は、20世紀の終わり、「日米新ガイドライン」をめぐる議論の最中でした。
著者;井上さひさし
岩波ブックレット