フィリピンの山奥から
フィリピンはネグロス島の辺鄙な山の中から8日で手紙が届いた・・・驚異的な事です。
なんでただの手紙を書留にしたのか? たぶん速達と書留の違いが分らなかったんでしょう。
手紙をくれたのは若い娘です・・・13歳か?
生まれてすぐからおっさんをPAPAと呼んで暮らして来たので本気でお父ちゃんだと思っている訳です。
いや、この子の母親とややこしい関係にあった訳ですが、若いのに落ち着いてるなぁと思ったらもう子持ちだった訳です。
で、娘は私生児なんでおっさんになついちまいまして、しかも、PaPaとか呼ぶのに、お前は私生児でおやじは違う、とも言えなくて現在に至っちまっている訳です。
で、携帯のメールで無しにわざわざ手紙を寄越すと言う時にはまとまった金の無心な訳です。
いや、あの娘にしたら日本に出稼ぎに行った父ちゃんに学費をねだるのがなんで憚られよう、と言う心境でありましょう。
手紙の最後に PaPaの声が最高の音楽として耳に残っている。 そして、PaPaを瞼に浮かべると明日への希望が湧いて、道が照らされる・・・てな事を書いて来る訳です。
それにしても英語が上手くなったなぁ・・・タガログ語もビサヤ語も忘れちまったおっさんは電話でも片言の英語でしか喋れないんだけれども、良くまぁLとRがシッチャカメッチャカなのを聞き分けるわぃ。
日本語も耳で覚えちまうですよね・・・おうむ返しで直ぐに言える。
それに意味を適当に教えると直ぐにその言葉を使う・・・だから日本語も少しは話していたんだけれども、今は忘れただろう・・・5年も会っていないんだから。
90ペソも切手を貼って・・・90ペソあったらジョリビーでハンバーガー・・・今はインフレで喰えないのか?
3月に学校のキャンプがあって、旅費と衣装代が掛かるんで間に合うように送ってくださいですとぉ~。
高校一年・・・日本で言う中学一年なんですけれどもね・・・今は高校が5年のはずです。
一年間の学費は、学校は公立なんで無料ですけど、色々と掛かる訳です。
まず、毎日山から街までバイクタクシーで通学するんで往復で20ペソ(42円)と、昼飯代が30ペソ・・・まっ、100円は掛かる訳です。
それにノートとか教材とかユニフォームで、年間で5~6万は掛かりますかねぇ。
いや、日本人なら笑って済ます金額ですけれども、最底辺の労働者の賃金が一月に4000~6000ペソも行けば良い方なので、ホントのどん底の貧乏人は小学校も行けずに落ちこぼれます。
まっ、おっさんは趣味で援助している訳です・・・若い娘は皆めんこいですからね。
大学まで行きたいと言って勉強しているんですけれども、成績はまずまず・・・でも、公立の大学はセブまで行かないと・・・ああ、バコロドにもあるか?
おっさんの援助では私立の有名大学は行かせられません・・・ドゥマゲッティーのシリマン大学なんかは学部にも由りますけれども、たぶん援助し切れないと思います。
しかしなぁ・・・遠い街の大学だと生活費が掛かっちまうし、そうすると悪い虫もすぐ着くし。
いや、日本の自分の娘の進路なんてこれっぽっちも考えた事が無かったんですけれども、なんだかあの娘はまるで孫の様な感覚とでも申しましょうか・・・もぞこい訳です。
2月になったら3000ペソも送ります・・・送金料が安くなりましたね、500円ですもん。