とろけるような美男子 ジョージ・マロリー(イギリス1924年遭難)
いかつい ラインホルト・メスナー(イタリア)
海外の登山家はこの二人しか知らない。
マロリー
なんて甘い響きの名前!
名前ばかりではなく、お顔だって優しいイケメンさんなのだ。
山男というよりは、まるでフランス映画にでも出てきそう。
モデルを頼まれたこともあったそうだ。
そんな彼のことを知ったのは夢枕獏の小説「神々の山嶺」を読んでからだ。
1920年代にイギリスが国威発揚をかけた3度のエベレスト遠征隊に参加。1924年6月の第3次遠征において、マロリーはパートナーのアンドルー・アーヴィンと共に頂上を目指したが、北東稜の上部、頂上付近で行方不明となった。(Wikipediaより)
「そこに山があるから登る」という名言を残したといわれるマロリー。
エヴェレスト初登頂者はマロリーなのか。
真相はどうであれ、この甘いマスクの彼があの険しいエヴェレストに、1920年代に挑んだということだけで圧倒される。
当時は今とは比べ物にならない貧弱な装備で、軽装としか言いようのないジャケットを着て、世界最高峰のエヴェレストに果敢に挑むマロリー。
彼の魂は、いまだにピークを目指しているに違いない。
メスナー
こちらは響きからしても尖ったナイフのように鋭い。
井原山の帰りに見た映画「ヒマラヤ」で彼のことを知った。
何しろ、山を登り始めたばかりの私は、登山のことも、登山家のこともまるで知らなかったのだ。
メスナーは現在69歳。
1986年に、人類史上初の8000メートル峰全14座の、無酸素での完全登頂を成し遂げた。(Wikipediaより)
映画はヒマラヤ山脈、8125mナンガ・パルバートの前人未踏の“ルパール壁”の初登攀を果たした際の衝撃の実話である。メスナーは過酷な条件の中、初登頂を果たしたものの、大切な弟を失ってしまった。
映画は、実際の場所で音を拾って作られた。本物の山がのしかかってくるようで、息をつめて観た。自分の体まで凍ってしまい、感覚さえ麻痺したようだった。
ヒマラヤ登山の過酷さを、映像で見て知り、震えた。
美しい山は、こんなにも「壮絶」なのか。
それでも人は山に魅せられる。