まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

大阪めぐり2015(その5)

2015-07-28 17:12:19 | 建築まち巡り近畿 Osaka, Kansai

木津川と土佐堀川の合流する地点にある「ぽんぽん船船着場」に上陸。お昼は中之島漁港へ。中之島漁港は旧税関の場所を暫定利用した海鮮市場です。入り口には昭和初期と推定される事務所建築。中に入ると楽しい市場の雰囲気です。対岸には中央卸売市場が見えます。

此処で漁師丼とビール。食事風景を写せばよかったですね。あまりの暑さでビールに気持ちが集中してしまったようです。

JUDIのエクスカーションは此処で解散。ご案内いただいたJUDI関西の皆様ありがとうございました。近くの駅に向かっていると川口居留地の教会に再会しました。中もすばらしい。れんが積みの壁に木の小屋組みが乗っています。

その対面にも事務所兼住宅として使われている面白い建物があります。これは明治の居留地時代よりも後の建物だと思いますがどうでしょうか?

 

 


大阪めぐり2015(その4)

2015-07-28 12:05:08 | 建築まち巡り近畿 Osaka, Kansai

いよいよ「水都大阪・水の回廊めぐり」です。JUDI関西の皆さんがガイドしてくれます。出発はほたるまち港。ABCホール前。福沢諭吉誕生の地、ということは中津藩のお屋敷跡でもあります。いきなり阪神高速のお出迎え。

次は渡辺橋? すでに記憶が怪しい。

大阪でも河川敷を積極的に活用しようという取り組みがなされています。右の写真は難波橋(ライオン橋)。

なんていう乗り物でしょうか。水遊びを楽しんでいる人もいます。右の写真は「川の駅:はちけんや」。全体監修が安藤忠雄さんで、JUDI関西の高原さんが設計されました。一番右の写真は大林組の旧本店。武田五一の京大での教え子の方の設計。武田五一の影響力は大きいですね。

ここまでは大阪の市外を東西に流れる堂島川。ここからは南北方向の東掘割側を南に下ります。東掘割側は大阪城の外堀でもあり、堀の東は武家地、西は町人地だったとのことです。今でもその違いは人々の意識の中に残っているそうです。真ん中の写真は水門のゲートを上げ下げするアーム。此処で水位調整します。一番右の写真ではゲートが上がってきています。

左の写真ではだいぶ上までゲートが上がっています。(右写真の)下流側はゲートの方式が異なり、開き戸形式。

いくつかの橋をくぐると、運河は東西方向の道頓堀川に変わります(右の写真)。今まで南に走ってきた船は、此処で西方向に向かいます。

大阪の南の中心街を貫く道頓堀川は今までの運河と大きく表情を変えます。

いかにもゴテゴテの大阪の風景のそこを船が進みます。右に行くと心斎橋、左は難波です。

グリコ看板も健在です。

さらに進むと少し雰囲気が変わります。港町リバープレイスや、キャナルテラスなど若い人にも受けそうなスポットが続きます。右の写真には京セラドーム。

しばらく行くと南北方向の木津川と交差しますがその前に再び水門。木津川に入ると川幅も広く、広々とした爽快な雰囲気になります。

左手(西側)には明治の外人居留地(川口居留地)に建てられた教会(1920)が見えています。私たちの船旅ももうすぐ終点です。

 

 

 


大阪めぐり2015(その3)

2015-07-28 10:01:47 | 建築まち巡り近畿 Osaka, Kansai

翌2015.07.26は、JUDI関西メンバーの案内で「水都大阪・水の回廊めぐり」。

まずは淀屋橋に集合。武田五一がコンペ審査員かつ設計者として関わった淀屋橋。そこから見える御堂筋のまち並み。このあたりには100尺高さ制限があったころの軒のラインがそろったまち並みが残っています。現在は軒の高さをそろえつつ、上空をセットバックすれば、どこまでも高くしてよいということになっているそうです。ただし、伊丹空港の航路制限でこのあたりだと100数十mになるとのこと。南へ行くほど(伊丹から遠ざかるほど)高くしてよくなります。

三度、錦橋。正面にはフェスティバルタワーのレリーフ。下右はフェスティバルホールのスーパーフレーム階です。

乗船場のすぐ近くにダイビル本館。渡辺節設計、担当は村野藤吾、構造は内藤多仲、1926。

乗船場の前はこんなストリート。大阪の皆さんも公共空間を上手に楽しんでいます。乗船した直後にメールが・・・。

なんと調布飛行場の前の住宅地に小型機が墜落!すぐに家に連絡・・・無事でした。我が家はさらに滑走路に近いところにあります。なくなった方には本当にお気の毒ですが、そのときはほっと一安心。クルーズに向かいます。


大阪めぐり2015(その2)

2015-07-28 09:19:13 | 建築まち巡り近畿 Osaka, Kansai

総会終了後、懇親会までの時間を利用して再び灼熱の太陽の下、まちに出ます。早速気になっていた錦橋(伊藤正文設計、1931)へ。やはり部分を見てもすばらしいバランス。モダニズム建築です。先ほどは表から見た登録有形文化財の建物は土佐堀川から見てもきちんとした表情を成立させています。

 

隈研吾氏のABCホール。ひとつのテーマを貫く、わかり安さが魅力でしょう。

フェスティバルタワーの前を通ります。ホールの上に高層オフィスビルを載せています。中間階のスーパーフレームを翌日見学できるとは、このとき思っていませんでした。巨大建築ですが、ディテールの緻密さもあります。

 

会場に向かって歩いていくとなにやら不思議な建物があります。中を撮ろうとしたら管理人さんに制止されました。この方も文化財のような年輪を感じさせる趣でした。

次は弁護士会館。それにしても日建設計が多いですね。

大型タイルで端正なグリッドを表現しています。足元のスケールも好もしいものでした。残念ながらこの日は5時で閉館。中には入れませんでした。この周囲は天神祭りの陸渡御の行列が通ります。

会場です。土佐堀川の河川敷にデッキを張り出しています。


大阪めぐり2015(その1)

2015-07-27 20:59:53 | 建築まち巡り近畿 Osaka, Kansai

JUDI都市環境デザイン会議は私たちの生活の場である都市環境のデザインにかかわる設計者や研究者の集まりです。今年の総会の参加のため久しぶりに大阪へ。天神祭りの当日ということで、単独では宿の予約が取れません。ANAのパックでやっと確保。ということで、伊丹からモノレールと阪急で梅田に向かいました。

まずは梅田スカイタワー。空中庭園で結ばれた連結超高層。テーマに沿った明快で潔いフォルム。そして、含意に満ちた部分の挿入。原広司氏の面目躍如・・・と同時に、何かすごく大阪的な風景のような気もします。自由に存在感を主張する「部分のパワー」のせいでしょうか?構造家、木村俊彦先生のことも思い出されます。いずれにしても、ほかの超高層にはない建築家の手の跡と思い入れがはっきりと刻印されているところに好感を持ちました。

足元には、今流行のこんな昭和のまちがあります。懐かしいミゼットってこんなに小さかったのですね。

駅の南北通路も広場のようになっており、大きなトラス屋根で覆われています。下のホームと吹き抜けています。私は何本もの線路を超える跨線橋から下を通る列車を見るのが子供のころからお気に入りです。ここもいいですが、ホームのシェルターが邪魔ですね。とは言いつつハイネッケンをいただきながら、雑踏の風景を楽しみました。

この後はお初天神を経て、御堂筋を南下。淀屋橋へ。翌日のJUDI関西岸田さんの説明ではコンペ審査員だった武田五一先生が自ら設計にも加わったとか・・。ある意味では不明朗なコンペ。昭和10年築。この橋はアールデコの趣ですが、武田五一はクラッシックからアールヌーボー、アールデコなどいろんなスタイルをこなします。

向こうに見える橋が気になります。次の日にJUDI関西の方にお聞きすると錦橋、伊藤正文の設計です。これは橋というよりも水上の建築物です。水上から、また橋上からのエレベーションがきちんと意識されてつくられています。バランスもよいです。この橋はJUDI総会後、懇親会前の時間を利用してもう一度見に行くことにします。

このあと土佐堀通りのほうまでぶらぶら。今も現役の近代建築や金光教の教会(いずれも登録文化財でした)などに遭遇。

その後は当時の巨大オフィスビル住友本館。それから中ノ島図書観の玄関と玄関ホール。

中央公会堂、ライオン橋(難波橋、宗兵蔵設計、1915)を経て会場へ。途中に、なんと言うこともないけどちょっと気になる橋爪の喫茶店。

会場です。

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