9月2日はPiolencの宿から一気にLyonまで150km、そしてAmanzeの農家宿Ferme Auberge までの70kmを移動しました。途中Lyon郊外にあるCouvent de la Touretteに立ち寄りました。
夏のオープン期間は先週で終わっているけど特別に入れてあげるということで、ドイツから来た人たちなど10人あまりで中を見ることができました。入れたのは、北側の礼拝堂と、エントランスレベルの階(図書室や神父の部屋がある)の共用廊下部分です。
とにかくあらゆるものが繊細です。荒々しい打ち放しの素材感と、大胆な色彩にまずは目がいきますが、次第にすべてのものが緻密で繊細な計算の基に構成されていることに徹底的に思い知らされます。この迫力には圧倒される思いです。少し、頭を整理してまた後日報告したいものです。
夕方には農家宿Ferme Auberge de Collinsに着きました。今までのプロヴァンス地方の空には一点の曇りもありませんでしたがこの辺りまで来ると、空にも雲が見えます。風景も心なしたしっとりとした感じです。
宿はまさに農家そのものです。御主人が牧場で牛を飼い、奥様が宿をやっています。御主人は地場の人ですが奥さんはお嫁に来て、宿をやっているからこれまでやってこれた、すなわち宿を生きがいにしてきたというところでしょう。
上が宿です。周りには自分の農場と教会が見えます。
驚いたことにLyonから70kmも離れているこの宿にも日本の自治体の方々が多く調査に訪れています。交流人口の拡大に農家宿などを活用しようという方たちが参考にすべきものや地方が生き残っていくヒントのひとつがここにあることは確かです。しかしおいしい農産物には恵まれているものの、時間をかけて自然と人間の力でつくりあげたと美しい風景がどんどん失われている日本の地方は、この宿や集落の風景のありように学ぶことが多いのではないでしょうか。