豊川斎赫氏の力作『群像としての丹下研究室 戦後日本建築・都市史のメインストリーム』を読みました。日本の成長拡大の時代に建築と都市を不可分に論じ、また理論を建築デザインとして実体化して見せてくれたのが丹下先生です。その丹下研の集団、組織としての力、理念、考え方を資料に即して存分に明らかにしてくれる本です。
私も高校時代は毎日隣の香川県庁舎をながめ、、大学では丹下先生(あるいは丹下的なるもの)に惹かれて都市工学科というところに進学した身です。この本を通して何か時代の精神、あるいは丹下先生の精神を少しながら感じられたように思います。
時代が違うということで丹下的なるものを過去のものとしてしまうのは少し早計です。都市を考え、建築を実践するのが私の生業ですが、丹下先生の思索とデザインを今一度トレースしてみたい気になりました。
以前私の結婚式で大谷幸夫先生が「高谷君が進学してきたときに、この顔は四国の顔だと直感した。はやりそうだった」というお話しをしてくださいました。丹下先生、浅田孝さんたちと同じ四国勢という意味でも、もう少し勉強が必要です。
そういえば、大谷先生の講義ノート(『都市空間のデザイン 歴史の中の都市と建築』)も読まないといけません。40年前に習ったことが十分身についてないことを発見するのが少々怖くて、まだ開いてない・・・というのはいいわけですが。
Tokihiko Takatani
Architect/Professor
Tokihiko Takatani and associates, architecture/urban design, Tokyo
Graduate school of Tohoku Koeki Univ. Tsuruoka city, Yamagata
高谷時彦/建築家・都市デザイナー
設計計画高谷時彦事務所/東京都文京区千石4-37-4
東北公益文科大学大学院/山形県鶴岡市馬場町14-1