まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

ニューシネマパラダイスはやはり良かった

2012-05-27 23:53:53 | 建築・都市・あれこれ  Essay

まちキネの2周年記念日の最後の日でした。記念日なので、食事も映画もポイント2倍です。

   

例によってヒラボク食堂でビールと食事。そのあとレイトショウの「ニューシネマパラダイス」をキネマ4で見ました。

    

今日、はじめて気づいたことがあります。最後のシーン、映画技師で少年時代の主人公の「親友」アルフレードの形見となったフィルムを見るシーンに関することです。

    

上映してみるとアルフレードが主人公の少年時代トトにやるといいながらも渡さなかったフィルムの切れ端をつないだものでした。いつの日にかあげようと思ってちゃんと繋いでおいてくれていたのです。まちの映画館PARADISOで上映禁止でカットされていた男女の抱擁シーンが次から次へと出てきます。 

   

懐かしい思い出が駆け巡っていきます。カットシーンを集めただけあって当時見た映画が次から次へと出て来るのですから。主人公は映画が本当に好きだった少年のころを生き生きと思い出すのです。

  

今日気づいたのはこのフィルムは映写技師アルフレードがつくったひとつの「作品」としてみないといけないということです。アルフレードに鼓舞されることで映像技師にとどまることなく映画監督として成功した主人公。その彼にアルフレードは自分の「作品」を通して再び語りかけます。愛を信じない生活に溺れる主人公を再び叱咤し、鼓舞するかのように・・。この「作品」のテーマは愛情賛歌なのです。

    

アルフレードの「作品」を見て主人公は、おそらく「人間の愛」について考え、また新しい作品に取り組む意欲を取り戻したに違いありません。節目節目でのアルフレードの教えが少年トトの生き方に大きく影響したように・・・。

   

  

   

    


柏の葉のUDCKで「まちづくり会議in鶴岡」を発見

2012-05-20 15:53:47 | 建築・都市・あれこれ  Essay

昨日はアルケッチャーノ奥田シェフの関わったレストランを見学しようということで柏の葉キャンパス駅にいきました。未来の環境都市を標榜している社会実験都市です。

    

 

数年前に故北沢先生に声をかけてもらって発表に訪れたことのあるUDCKにも立ち寄ってみました。すると私たちの研究室の皆さんががんばってまとめた「まちづくり会議in鶴岡」が本箱にありました。世界の都市デザイン関係の立派な本に伍して堂々と場所を占めています。

Udck

世界のアーバンデザインセンターの更にセンターともいえるUDCKの貴重な図書スペースの一角で地方からのまちづくりの重要性を発信していました。

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Tokihiko Takatani

Architect/Professor

Tokihiko Takatani and associates, architecture/urban design, Tokyo

Graduate school of Tohoku Koeki Univ. Tsuruoka city, Yamagata

高谷時彦/建築家・都市デザイナー

設計計画高谷時彦事務所/東京都文京区千石4-37-4

東北公益文科大学大学院/山形県鶴岡市馬場町14-1

 

 


酒田の建築士会で話しました-その3

2012-05-13 21:06:52 | 講義・レクチャー Lecture

やっと話の中身に触れます。

わたしは自己紹介もかねて生まれ故郷讃岐の風景と庄内の風景を対比的にスライドで示しました。こんな調子です。

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広い平野と勇壮な山、気高い山の庄内。

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狭くて多くの人が住む平野と、親しみやすいお椀状の山の讃岐・高松。

しかも山と見えるのは瀬戸内海に浮かぶ島だったりします。下の写真がまさにそうです。

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こういった風土の違い。建築の形も違います。讃岐平野に多い四方蓋の民家。

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私はこういった風土や風景の違いこそ地域の魅力であり個性であること。それを大事にしていくことがこれからの交流人口拡大にも繋がるし、私たち建築に関わるものが設計や建築行為を通して地域の風景を創造的に継承していくことが必要であることを伝えたいと思ったのです。そのために自分自身が設計のときに考えていることを3枚のスライドで説明しました。

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とはいえ、いくらよいことをしゃべっても、自分の作品でそれを実践できていなければ何の価値もありません。このあと私は鶴岡まちなかキネマと藤沢周平記念館を通してどのように風景創造をおこなってきたのかについて お話しました。

      

   

いつも自分の与えられた敷地の中で、また自分の担当する職種の中で格闘されている方々に少し違う視点から建築を考えるきっかけを与えられたとしたら望外の幸せですが・・・。


香梅咲でのお話し-その2

2012-05-13 20:47:14 | 講義・レクチャー Lecture

お隣の相馬楼は見学コースがあるので入ったことがありましたが、こちらの香梅咲は初めてです。レクチャーまで時間があるので、控え室で待つようにとのこと。

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やはりなかなかにこった部屋です。天井は、同じく酒田の吉野家さんでも見ましたが、角竹の竿縁天井。違い棚の小襖の絵には「昭和15年」の文字が見えます。やはり村松貞次郎先生の言う近代和風建築の一つといえるでしょう。

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会場をここにしたのは前支部長Aさんの「料亭文化を守りたい」との意向によります。全国有数の港町酒田には全国でも指折りの花街があり、大変洗練された料亭文化がありました。それをしのぶよすが・痕跡が町のいたるところにあるのが酒田です。

Tokihiko Takatani

Architect/Professor

Tokihiko Takatani and associates, architecture/urban design, Tokyo

Graduate school of Tohoku Koeki Univ. Tsuruoka city, Yamagata

高谷時彦/建築家・都市デザイナー

設計計画高谷時彦事務所/東京都文京区千石4-37-4

東北公益文科大学大学院/山形県鶴岡市馬場町14-1