まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

ブルーノタウト日向邸補遺

2013-08-17 15:37:11 | 建築まち巡礼中部 Chubu

以前のブログで都市環境デザイン会議の熱海まち歩きを紹介しました。

http://blog.goo.ne.jp/1210tokihiko/d/20130426

その中で、ブルーノタウトの日向邸を訪れたことを簡単に記しています。今日は少し補足します。


日向邸は1933年から3年間滞在した日本での唯一の建築作品です。

事前に申し込んでおいたので、10名ほどの観光客と一緒にボランティア建築家の案内で隅々まで見ることができました。

クイズ形式で大変面白く楽しい説明でしたが、床の間の落掛け(床の前の小壁の下端にある水平の材)が長押と同じレベル(普通は一段上にあげます)にあることを指摘してくれました。当然大工は常識に従って施工しようとするでしょうから、タウトの強い意志の結果です。

その理由はタウトも残していないとのことでしたが、私は住宅を通しての生活改善的なことにも尽力した合理主義者そしてモダニストの譲れないデザインポリシーであったと思いました。鴨居の高さ(内法寸法)の統一や幾何学的な造形にこだわっていることは、ひしひしと伝わってきます。落とし掛けを合理的な理由なく持ち上げることにより、単純な十字形の幾何学が壊れるのを避けたのだと思います。

・・・ということを見学したときには思っていましたが、最近タウトの本を読み返していたら、これに関する具体的な記述がありました(『忘れられた日本』中央公論2007、p10)。彼は桂離宮を小堀遠州の作とし彼の創作態度の独創性、哲学性を称賛するとともに、大徳寺狐蓬庵の「(小堀)遠州の居間(忘筌)」の落掛けが長押のレベルとそろっている唯一の例であることを指摘しています。

日向邸の床は、既成概念や世事にとらわれず、自らの中に静寂な精神的境地をつくりだすことから設計に臨んだ遠州の精神と相通じる造形であったといえるようです。


同級会にて帰郷

2013-08-15 14:42:31 | 建築まち巡礼ふるさと編 My Home Town, Setouchi

高高2年11組の同窓会に出席するために四国高松へ帰郷。楽しい時間を過ごしました。

実は、設計の締め切りと重なったため、前日まで帰るかどうか逡巡が続きました。何とか見通しがついた(と思った)ので、翌日の新幹線に飛び乗り夕方の会に出席。同窓会の翌日は、すぐに帰郷という忙しい旅になってしまいました。

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おりしも丹下さん生誕100周年のイベントが開催中。是非行ってきたらと勧められましたが残念ながら今回はパス。高松駅で連絡船を思い出しながらかけうどんをいただきました。

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話は突然飛びますが、夜遅いテレビで吉永小百合と坂本龍一の対談をやっていました。思い出の音楽について二人で楽しそうにしゃべっていました。

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私も少し余裕も持って、今までを振り返る時間がほしいものです。


地域デザイン講座 建築都市のパブリックスペースを考える

2013-08-15 11:16:00 | 建築・都市・あれこれ  Essay

次回地域デザイン講座のお知らせです。

A2


第14回は8月24日午後3時から府中グリーンプラザB1階府中NPO活動センターで行います。
講師は、建築家・東京電機大准教授松下希和先生です。


松下先生には東北公益文科大学大学院まちづくりデザインスタジオのクリティックをお願いしたり、工学院大学の設計課題でご一緒させていただきました。建築都市を問わず人々の活動の基盤となるパブリックスペースについてきちんとした考えをお持ちの方だなあといつも関心していました。

 

 

今回は設計者の視点から「都市と建築のパブリックスペース」についてお話しいただきます。皆さんとのディスカッションの時間も取り体と考えています。


府中駅のすぐそば、ケヤキ並木沿いの便利な会場ですので、お気軽にお越しください。

Tokihiko Takatani

Architect/Professor

Tokihiko Takatani and associates, architecture/urban design, Tokyo

Graduate school of Tohoku Koeki Univ. Tsuruoka city, Yamagata

高谷時彦/建築家・都市デザイナー

設計計画高谷時彦事務所/東京都文京区千石4-37-4

東北公益文科大学大学院/山形県鶴岡市馬場町14-1