先日のブログで藤沢周平記念館における「外延の焦点を手がかりに建築を組み立てる発想」について説明しました。
われながら回りくどくて言い訳がましい説明であったという気がしてきます。かつて大谷幸夫先生は「建築は雄雄しくあるべき」「言い訳は必要ない」というようなことをおっしゃっていたように記憶しています。
先ごろソウルを訪れる機会がありました。大変わかりやすい建築に、素直に感動しました。
最初は梨花女子大のキャンパスセンター。ドミニク・ペロー。
緩やかな丘をゆったりとしたスロープが切り裂きます。
底にいくと今までにない体験。かなりの迫力です。
中に入ると、堂々たる長いギャラリー状の吹抜け。
学生たちは自由に勉強の場所を見つけています。実にわかりやすく、そのダイナミックさに感動しました。
続いて、三星LEEUM美術館。
ジャンヌーベル、コールハースに囲まれてマリオボッタのエントランスホールと博物館。
中に入ると、上からの自然光に導かれて入り口に足が向かう。
中は、光と影の抽象的な空間。
大変わかりやすい空間。そしてありそうで今までになかった感覚。
このわかりやすさこそ、嬉しい。