まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

ゆすはら町には、桃源郷のような風景がありました

2021-04-17 21:23:05 | 建築まち巡礼四国 Shikoku

ゆすはら座の、感動をのこしたまま、竜馬脱藩の道を散策してみました。

こちらでも素晴らしい風景と出会いことができました。下の写真は、竜馬のたどった道を見返していることになります。なんか、映画の一シーンのような峠の風景。この地域に残る、旅人のおもてなしや寄合に使われた茶堂も右に見えます。

茶堂の建築。

見上げ。

なぜか脱藩の道は、絵になります。

 

立派な門の民家。なぜかみんな庄屋さんお家のように見えます。

近くには、旧掛橋和泉邸。幕末の志士です。小さいけど格式のある武家屋敷です。

典型的な大黒柱。

美しい合掌。

 

上段の間もあります。神殿かもしれません。

張台構えですね。武家の家の格式だと思います。

左から式台玄関、普通の玄関、土間入り口が並びます。ここまできちんとしていると気持ちがいいですね。

この道沿いには、きちんとした格式を感じさせる建物が並びます。梼原町の繁栄の歴史を知りたくなりました。

 

高谷時彦

建築/都市デザイン


ゆすはら座は終戦直後に建てられた芝居小屋

2021-04-11 22:28:23 | 建築まち巡礼四国 Shikoku

隈氏の建築の迫力には驚きましたが、こちらは、少し違った種類の、心を揺さぶられる感動です。ゆすはらの人たちの文化的なレベルに敬意を表したくなりました。梼原座です。

 

 

この建物が終戦後間もない昭和23年、1948年に建てられたということは驚きです。木戸銭を払って中に入ります。

いやーぁ、大舞台です。花道もあります。客席も2層、格天井の見事なものです。

 

2階に上がってみます。2階席も本格的です。

 

舞台に上がってみました。

見上げるといわゆるぶどう棚。舞台上の鳥屋(ごく小さなしたく部屋)もあります。さすがに奈落やすっぽんなどはないようでしたが、戦後の大変な時期にこれほど本格的な芝居小屋をつくるというのはどういう状況だったのでしょうか。他の地域にもあるのかもしれません。これも調べてみないといけません。どんどん宿題が増えます。

宇野重吉さん一座も来てたんですね。もちろん控室から、花道へもでられるように

造られています。

 

ゆすはらに来て思いがけない建築に出会うことができました。

 

 


町役場、図書館、まちの駅・・・・・・

2021-04-11 21:48:08 | 建築まち巡礼四国 Shikoku

 

雲の上レストランで洗礼を浴び、心の準備をした後は、隈氏の建築巡礼です。

まずは梼原町役場。中の空間に圧倒されて外観を取るのを忘れてしまいました。かろうじて、竜馬脱藩の道からの遠景写真が一枚。

入るといきなりの大吹き抜け。4本の柱を組み合わせた組柱で井桁に組まれた梁を持ち上げています。大迫力です。

組柱です。たまたま隣は防火区画のシャッター。防火区画など大変だったと思われます。

下の写真は、吹き抜け上部の2階ギャラリーから駐車場方向を見下ろしています。駐車場側の壁はには開閉機構が組込まれていました。これが動くときは、それ自体が一種のイベントでしょう。

素晴らしい力技を見せていただきました。続いて図書館へ。

二宮尊徳さんがいらっしゃいます。敷地は小学校の跡地なんですね。

こちらも木の存在感に圧倒されました。ここまで徹底すると全くうるさくないですね。変化があって面白い空間です。

どでかい吹き抜けだけではなく、下の写真のように小さな落ち着いた雰囲気の空間もあります。

 

構造は鉄骨造なんですね。

天井はぶら下げられた杉材、壁(立面)は本で仕上げられているといったところでしょうか。

大空間を一つの原理でまとめ上げる、その潔さが人々に感動を与えているのでしょうか。

続いて、まちの駅。

外壁が、かやぶき屋根(の一部)なんですね。驚きました。

この道路の先には、木の橋がありました。これも、隈氏の建築の影響でしょうか。あるいは梼原町は、昔から地元材の杉を使ったまちづくりを行ってきているのでしょうか。少し勉強しないといけません。

高谷時彦

建築/都市デザイン

 

 


梼原まちの入り口から早速 隈建築の洗礼

2021-04-11 21:13:03 | 建築まち巡礼四国 Shikoku

道に迷ったおかげで、旧道で尾根越えをして梼原町に入りました。ようやく地上の道に合流してしばらく進むと、早速隈市の建築がお出迎え。雲の上レストランと、KENGO KUMA MUSEUM. レストランの入り口に「梼原町での隈建築一号」ということが、看板に書かれているので驚きました。絶大な人気です。

 

薄いレンズ型の屋根が空中に浮かんでいます。足元には水が張られているので、さらに浮かんでいるイメージを出しています。完全に隈ワールドですね。

 

このレストランで昼食とします。

お隣のMuseumは比較的新しいものだと思います。

切妻屋根でL字型の平面。Lの字の1辺が橋のように、浮いています。構造は日本建築の枓栱という木材の組み物をイメージしているようです。

鉄骨の柱も見えるので、基本はS造かもしれませんが、内外ともに「徹底して日本の伝統的な構法を意識している」ということがストレートに表現されています。お見事です。

高谷時彦

建築/都市デザイン

 

 

 


津野町白石集落活動センターは廃校利用、川のほとりのナイスプレイス

2021-04-10 23:00:07 | 建築まち巡礼四国 Shikoku

本山町上下関集落活動センターの現場監理。珍しき哉、空き時間!

せっかくなので、建築家隈研吾さんが建築を通したまちづくりにかかわっている梼原町に向かいました。

高知市内から、須崎まで高速高知道、須崎からは県道197号線に降りて、ナビの指示通り車を走らせました。すると途中の津野町で、「白石集落活動センター」の看板が目に入りました。思わず、わき道にそれ、新荘川の渓谷沿いにセンターを目指します。

白石活動センターは旧白石小学校を利用しています。たまたま活動の中心を担っているMさんがおられて、突然の訪問にもかかわらず、活動内容をお話しいただくだけでなく、センタ―(旧小学校)の隅々まで案内してくれました。まず驚いたのがこの小学校が、平成の建築だということです。学校としての創立は明治初期で大変長い歴史があるのですが、校舎は1990年、なんと平成2年築とのこと。まだ、世の中が浮かれていたバブルの時期ですね。大都市のバブルからは決して生まれない、「味のある」学校を建てていたんですね。

教室もうまく活用しています。活動している方々は、昔の机椅子で会議をしているそうです。

もちろん、今の活動も活発のようです。

残念ながら今日はやっていませんでしたが、ピザを焼いて、食事と(おそらく)ワインやビールを愉しめるテラスがあります。なんと2台あるピザ窯の一つは手作りだそうです。

 

屋根の一部も自分たちでつくったとのこと。

写真の左手は新荘川、もうすぐ蛍も飛びます。

やはり、旧小学校をうまく活用しているので、とにかく広いですね。例えば普段使うキッチンのほかに元の家庭科教室も使えるといった風です。2階には泊まれる場所もあります(今は使っていないそうです)。またシェアオフィスも試みているそうです。

運動場も広くて、しかも川のすぐそば。キャンプ場にすることも考えておられるとか。子供たちは大喜びでしょう。

Mさんに御礼を言って辞した後、車をとにかく西に走らせましたが、せっかく教えていただいたのぼり道を間違えてしまいました。ナビが自信のある声でガイドしてくれるのでそれを信じて、どんどん(おそらく)西に向かっていくとだんだん険しい山の上に出てしまいました。道も往復一車線です。途中の景色は素晴らしかったのですが、対向車が来ないことを祈り、緊張して運転していたので写真を撮る余裕がありません。ようやくとったのがこのお茶畑。ここから谷を見下ろす素晴らしい展望があったのですが、写真はありません。残念!この後梼原へ。

高谷時彦

建築/都市デザイン

 

Today, I'm in Koch city, approximately 800 km far from Tokyo. We have designed the community house for villagers of Motoyama Kami/Shimo-seki and the community house is now under constrution. As Motoyama Town where the building site is located is a small town without a so called "buisines hotel", I stay in the hotel in Kochi city, a center of the prefecture. 

I'm off today, so I took a long drive to  Yusuhara Town where architect Kuma has designed many buildings including Town Hall and the municipal library. On may way to Yusuhara, I dropped in for seeing Community house of Shiraishi district. It was a nice place where town people are proud of. It is a community house made of wood, converted from the primary school of  Town. Mr. M , a leading person of the center, was very kind to show me the building and explain how they use the building. I appreciate  their activities and I'm grateful to his kindness.

Tokihiko Takatani

architect/urban desiner