まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

ゆすはら座は終戦直後に建てられた芝居小屋

2021-04-11 22:28:23 | 建築まち巡礼四国 Shikoku

隈氏の建築の迫力には驚きましたが、こちらは、少し違った種類の、心を揺さぶられる感動です。ゆすはらの人たちの文化的なレベルに敬意を表したくなりました。梼原座です。

 

 

この建物が終戦後間もない昭和23年、1948年に建てられたということは驚きです。木戸銭を払って中に入ります。

いやーぁ、大舞台です。花道もあります。客席も2層、格天井の見事なものです。

 

2階に上がってみます。2階席も本格的です。

 

舞台に上がってみました。

見上げるといわゆるぶどう棚。舞台上の鳥屋(ごく小さなしたく部屋)もあります。さすがに奈落やすっぽんなどはないようでしたが、戦後の大変な時期にこれほど本格的な芝居小屋をつくるというのはどういう状況だったのでしょうか。他の地域にもあるのかもしれません。これも調べてみないといけません。どんどん宿題が増えます。

宇野重吉さん一座も来てたんですね。もちろん控室から、花道へもでられるように

造られています。

 

ゆすはらに来て思いがけない建築に出会うことができました。

 

 


町役場、図書館、まちの駅・・・・・・

2021-04-11 21:48:08 | 建築まち巡礼四国 Shikoku

 

雲の上レストランで洗礼を浴び、心の準備をした後は、隈氏の建築巡礼です。

まずは梼原町役場。中の空間に圧倒されて外観を取るのを忘れてしまいました。かろうじて、竜馬脱藩の道からの遠景写真が一枚。

入るといきなりの大吹き抜け。4本の柱を組み合わせた組柱で井桁に組まれた梁を持ち上げています。大迫力です。

組柱です。たまたま隣は防火区画のシャッター。防火区画など大変だったと思われます。

下の写真は、吹き抜け上部の2階ギャラリーから駐車場方向を見下ろしています。駐車場側の壁はには開閉機構が組込まれていました。これが動くときは、それ自体が一種のイベントでしょう。

素晴らしい力技を見せていただきました。続いて図書館へ。

二宮尊徳さんがいらっしゃいます。敷地は小学校の跡地なんですね。

こちらも木の存在感に圧倒されました。ここまで徹底すると全くうるさくないですね。変化があって面白い空間です。

どでかい吹き抜けだけではなく、下の写真のように小さな落ち着いた雰囲気の空間もあります。

 

構造は鉄骨造なんですね。

天井はぶら下げられた杉材、壁(立面)は本で仕上げられているといったところでしょうか。

大空間を一つの原理でまとめ上げる、その潔さが人々に感動を与えているのでしょうか。

続いて、まちの駅。

外壁が、かやぶき屋根(の一部)なんですね。驚きました。

この道路の先には、木の橋がありました。これも、隈氏の建築の影響でしょうか。あるいは梼原町は、昔から地元材の杉を使ったまちづくりを行ってきているのでしょうか。少し勉強しないといけません。

高谷時彦

建築/都市デザイン

 

 


梼原まちの入り口から早速 隈建築の洗礼

2021-04-11 21:13:03 | 建築まち巡礼四国 Shikoku

道に迷ったおかげで、旧道で尾根越えをして梼原町に入りました。ようやく地上の道に合流してしばらく進むと、早速隈市の建築がお出迎え。雲の上レストランと、KENGO KUMA MUSEUM. レストランの入り口に「梼原町での隈建築一号」ということが、看板に書かれているので驚きました。絶大な人気です。

 

薄いレンズ型の屋根が空中に浮かんでいます。足元には水が張られているので、さらに浮かんでいるイメージを出しています。完全に隈ワールドですね。

 

このレストランで昼食とします。

お隣のMuseumは比較的新しいものだと思います。

切妻屋根でL字型の平面。Lの字の1辺が橋のように、浮いています。構造は日本建築の枓栱という木材の組み物をイメージしているようです。

鉄骨の柱も見えるので、基本はS造かもしれませんが、内外ともに「徹底して日本の伝統的な構法を意識している」ということがストレートに表現されています。お見事です。

高谷時彦

建築/都市デザイン