生誕100周年を迎えたマルセル・マルソーのドキュメンタリー映画を観た。遺志を継承しようとする彼の家族達を通して描かれていた。大戦の最中、意図せずアイデンティティーと向き合うことになり、マルソーとなった。父を亡くしながらもレジスタンスに身を投じ、多くの子ども達を国外に逃し救ったそうだ。証言を知るだけでも彼の背景を印象的に感じられる。同時に、創造のキャラクター『ビップ』を体現していく。性を越えたマイムは、この世のあらゆるものを表現出来ると話していた。大戦後、世界を駆け回り活躍する彼を目の当たりにした家族達の思いが数多く紹介され、それが彼を唯一無二なものにし、同時に家族達の葛藤の深さをも知ることに。彼のマイム作品を詳細に紹介するものではなかったが、描かれた映像の端々からは、観る側に彼についてのヒントを教えてくれているようだった。残念ながら彼の舞台を観る機会はなかったが、表現の後継者達が多く活躍しているので、いつかは公演を見に行ってみたい。戦火があちこちで起きてる今こそ、この映画からマルセル・マルソーの思いをひとりでも多くのひと達が感じ取ることができればいいなぁと思った。
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