何を見ても何かを思い出す

He who laughs last laughs best

なお一層心を一つに、②

2021-09-07 12:38:11 | ニュース
新型コロナのワクチンを接種することになった。
ブログは最近かなり不定期だったが、これで途絶えてしまったら、不測の事態が生じたということ。
べつに陰謀論を信じているとか、新薬にケチをつけるということではない。
以前かなり酷いアスピリンによる薬疹がでたため、掛かりつけ医により、予防接種にストップをかけられていたのだが、日本人の接種から時間もたちデーターも(ある程度)出揃ってきたし、「当院はファイザーなので、大丈夫」?ということで、ワクチン接種をすることになった。
 
明神池のたもとにあるワンコお名前の由来の
穂高神社 奥宮
 
ワクチン接種禍ということもあるので、予防接種は決して強要するものではないし、私自身は薬疹という理由もあるので、コロナワクチンを打たないことは仕方がないと思っていたが、ワクチンパスポートだの、未接種の人が感染しただのと、まるで未接種が悪いかのような報道が続くのを見るにつけ、気が滅入っていた。
だから、雅子皇后陛下が予防接種をされたかどうかを公表されないことを、マスコミの表現を借りるならば、「かたくなまでに」公表されないことを、有難く感じていた。
真偽は定かではないが、皇后さまには花粉症などのアレルギーがおありだと、これまで報道されてきた。そのようななか皇后さまが、「予防接種された」と報道されれば、不安を持つ人に対しては「打つべし」という圧力になりかねないし、「予防接種されてない」と報道されれば、「やはり危険なのか?」と更に不安を煽ることにもなりかねない。
 
何事も、開かれた皇室とばかりに詳らかにすればよい、というものではない。
開かれ白黒はっきりさせれば、国民のなかに分断が生じることもあるのだ。
 
国民のことを思えばこそ、御簾の向こうにいて下さる方が良いこともある。
そこは、崩れ土塀の御所におわしても、江戸から300年ちかく取り残されようとも、国民との紐帯が確かだったことでも明らかだ。
 
そこで思い出したのが、先の戦没者追悼式での天皇陛下の御言葉の一節だ。
~引用~
私たちは今、新型コロナウイルス感染症の厳しい感染状況による新たな試練に直面していますが、私たち皆がなお一層心を一つにし、力を合わせてこの困難を乗り越え、今後とも、人々の幸せと平和を希求し続けていくことを心から願います。
 
戦没者追悼式で先の大戦以外の内容に触れられるのは極めて異例とのことだが、そのお言葉を拝聴しながら家族は、「コロナ禍、国民は耐え難きを耐え、忍び難きを忍んでる」としみじみ言ったものだった。
そんな全国民に大きな影を落としている新型コロナの恐ろしさは、その病の症状だけではない。
ワクチン接種、行動制限、飲食店への規制、そのそれぞれに立場があり考えがあり、そして、ネット社会の今はそれが容易に他者への攻撃につながっていく。
 
だからこそ、「私たち皆がなお一層心を一つにし、力を合わせてこの困難を乗り越え」という文言に強く心うたれたし、「私たち皆がなお一層心を一つにし」というフレーズが「人々の幸せと平和を希求し続けていくこと」にもかかっているように感じられることに感動した。
穂高神社の休憩所には、
第一回山の日制定記念の式典のため上高地へ来られた時のお写真が今も大切にかけられている。
 
 
秋の風物詩のようにまた総理大臣が代わるそうだが、変わらない御存在がでんと御座すことは有難い。
コップのなかの醜い権力闘争のあとはちゃぶ台返しの嵐もあるかもしれないが、それでも(だからこそ)「なお一層心を一つにし、力を合わせてこの困難を乗り越え」ねばと、思う。
 
少しは希望が見えてきた、そう思いたい。
 
 
 
 
 
 
 
 
令和は三年、長月にはいってようやく、天皇ご一家が皇居へお住まいをお移しになられる。
べつに新しい家、高額な家に住む人が立派だとは思わないし、何よりそのようなことを両陛下ご自身がお気に留めてもおられないだろうが、両陛下はご両親が30年以上お住まいになった東宮御所を改修して住まわれ、御即位後もまた前の天皇が30年近く住まわれた御所を改修してお住まいになる。
ご両親が毎回巨額の費用を投じて新築されたお住まいに住まわれ、弟ご一家が今回も住まいのために50億ちかくを投じる(数年の仮住まいの建物が10億とか)ことを考えると、皇太子になられても、天皇陛下になられても、築30年を改修してお住まいになることが、なんとも・・・。しかも、天皇陛下がお住まいになる御所の改修が、陛下の時節柄低額に抑えるようにとのご意見を反映し、8.7億というのが、弟ご一家の50億と比較し、なんとも・・・。そのうえ、緊急事態宣言下で行動制限があるため、お引越しの間は不自由な宮殿でお過ごしになられるというが、それについても陛下は「工夫すればできる」と側近におっしゃったと伝えられている。
不自由の多いコロナ禍だが、工夫すればできる、と前向きにとらえようと思っている。

神を利用する斯界異界

2021-07-04 11:51:21 | ニュース
右も左も、こういう時は揃い踏みで批判するのが以前から不思議だったのだが、考えてみれば、現状わが国にはまっとうな右も左もいないのだから仕方がないのかもしれない。
 
今上陛下の、東京五輪開催による感染拡大懸念、拝察、表明の件だ。
 
天皇陛下の政治利用だと宣う者あれば、天皇の政治関与だと怒る者もいるが、現下の状況に鑑みれば、今上陛下のご懸念が本当だっとして、それを表明されることを許可されていたとして、一体全体なにが問題なのか、私にはさっぱり分からない。
 
これがもし、春先 いやG7前だったら、オリンピック開催・延期・中止議論に大きな影響を与えただろう。その影響力をもって政治的云々をいうなら、そうかもしれないが、開会式まで一月となり、大方の国民も内心 延期・中止が妥当だと思いながらも、もはやここまでくれば開催されるのだろう、という心情になっている時での、「ご懸念」「拝察」表明に、開催そのものに影響を与える影響力があるとは思えない。
 
それでも、右や左から批判が起こるのは、平和の祭典ということになっている五輪がまさに政治案件になっているからだろう。
 
「復興五輪」と銘打ちながら開催地は東京という謎も、そのスローガン自体がいとも簡単に、「コロナに打ち勝った証の五輪」にすり替わったことで、これが開催誘致のための詭弁お題目でしかなかったことが、露呈した。だからこそ、お題目はともかく困難に打ち勝ち成功したという実績を、秋の選挙の景気づけとしたい与党と、そうはさせまいとする野党が、選手の思いも、国民の安心安全もそっちのけで、五輪を政治利用している。
 
だから、今上陛下のご懸念が、自分たちの選挙にどう影響するかが心配な政治家が反応するのは分かるが、右や左の学者までが批判するのは、どうしたことか?
ここに、まっとうではない右と左しかいない状態での立憲君主制度の難しさがある。
 
今上陛下の五輪開催による感染拡大のへのご懸念、の拝察、の表明
 
私の周辺は、積極的に五輪に賛成という気持ちではないものの するからには成功してほしいと願う、平均的な考えの人が多いのだが、誰もかれもが今上陛下の御心中(大御心)を「拝察」し、両陛下への尊崇の念を深めたように感じている。おそらく、それを非難する声が大きければ大きいほど、尊崇の念は高まるに違いない。
 
それが、えせ右も左も、怖いのだろう。
 
この度の皇位継承者を確保するナンチャラ会議の結論を見ても、右といわれるナンチャラが、皇室に知性や良識を求めていないのは明らかだ。おそらく男子だけ製造してくれれば、絡繰り人形でいてくれるのが望ましいのだろう。
では、五輪中止で選挙はいただき!と目論んでいるナンチャッテ左が、今上陛下のご懸念を歓迎しているかというと、そうではない。なぜなら国民が有難くその大御心を頂戴していることが、気に食わなくて仕方ないのだ。
 
右も左もどいつもこいつも(失礼)、自分の飯のタネしか頭にない。
 
両陛下はこれまで多くのスポーツ選手を讃えてこられた。
特に障害者スポーツへの造詣が深い両陛下におかれては、パラリンピックとそこで活躍される選手への思い入れも強いと私ごときも「拝察」している。
だから、五輪の意義や開催に本来否定的なお気持ちではないはずだが、それでも、この感染状況と国民生活をご覧になり、ご懸念を表明せずにはおれないとお考えになるのは、象徴としてむしろ当然ではないだろうか。
 
このタイミングで、おそらくは感染対策の万全を強く願われるからこその、「ご懸念」「表明」
 
それすら許されないなら、そもそも大会の名誉総裁などお願いしてはならないのではないだろうか。
 
時を同じくして、御即位後初めてとなる「国連水と災害会議」での今上陛下のご講演があった。
6月25日の講演の全文はまだ公表されていないが、過去のご講演を紐解くと、度々、多くの災害や疫病から立ち上がった我が国の歴史に言及されている。
 
今上陛下は歴史学者としての知見から、災厄に打ち勝つことを信じつつも、その痛みが最小であることを痛切に願われ、批判も顧みずお気持ちを表明することを決意されたのだと、拝察している。
願わくば、能吏として名高い長官がその能力を、(えせ右的権力に惑わされることなく)国民の真の安心安全を願われる両陛下をお守りすることに発揮されんことを。
 
 
 
 
 
 
しっかし、なんちゃって左の立ち位置も理解しがたい。
皇室の政治関与を許さないが第一義ならば、先の陛下のご退位お気持ち表明など、二重橋に座り込み抗議するべきだったのではなかろうか。
懇意のマスコミに世論を誘導させるかのようなリークがあり、お膳立てできたところで、お気持ちビデオメッセージが降ってきて、政治はお気持ちに沿うかたちで法整備せざるを得なかったのだから、これ以上の政治的関与はないはずだ。
また、兄の一世一代のお代替わりの式に関し、その多くが国事行事であるにもかかわらず、身の丈にあった小規模なものにすべしといった弟の発言、あれは政治的関与ではなかったのだろうか。しかもご自分たちは、新しい身位のために50億円もの費用を投じて仮住まいと増改築を行っているという、摩訶不思議さ。
おそらく、なんちゃって左は、草の根に近いだけに、本当国民から敬意を集めているのが どなたなのか知っているのだろう。
だからこその一連の反応なのだろう。

Dogwood 祈り②

2021-03-11 14:46:02 | ニュース
東日本大震災から10年

被災地を直接お見舞いされたいと両陛下は希望されていたそうだが、このコロナ禍では、それは叶わずオンラインでのご訪問とあいなった。
それを伝えるニュースで、折々に読む絵本の作者のお名前を見つけた。

「ハナミズキのみち」(文・浅沼ミキ子 絵・黒井健)

本書は、東日本大震災で息子さんを亡くされたお母様が書かれた絵本だ。
今年は庭のスイセンがよく咲いている
我が家はそれぞれ好きなスイセンを植えているのだが、
私とワンコのスイセンは、毎年一番たくさん咲く
そんな黄色いスイセンの花言葉は、
私のもとへ帰ってきて

 
「ハナミズキのみち」後書きより
『津波で息子を失ったあと、眠れない日が続き、胸が苦しくなり、呼吸困難になることが何度かありました。
どうしても会いたくて、会いたくて、泣いてばかりいました。
そんなある日、息子の声が、私の耳にハッキリと聞こえてきたのです。
そうだ、私には後世に伝えていく大きな役割があるんだ・・・・・。
「いのちを守る木を植えたい」
亡き息子の声に教えられて、私は今日も生かされていることに感謝しました』

「ハナミズキのみち」より一部引用
『もう泣かないで。
 楽しかったことを
 思い出して
 笑っていてね。
 ぼくは、
 ここから見ているから。

 おかあさん、おねがい。
 僕が大すきだった
 ハナミズキの木を、
 たくさんたくさん
 植えてね。

 津波が来たとき、
 みんなが
 あんぜんなところへ
 逃げるめじるしに、
 ハナミズキのみちをつくってね。

 町の人たちが
 もう二度と
 津波で
 かなしむことが
 ないように、
 ぼくは
 木になったり
 花になって
 みんなを
 まもって
 いきたいんだ。
 ~略~
 とおくに海が見える
 ハナミズキのみちを、
 ぼくも
 おかあさんといっしょに
 歩いているよ。

 どこまでも
 どこまでも・・・・・。』

 
本書はワンコお告げの本だったが、ハナミズキは英語でDogwoodと呼ばれ、まさに「犬の木」でもあるし、ワンコはハナミズキの木陰で過ごすことが多かったので、息子さんの思いも、それを叶えようと立ちあがられた浅沼氏にも感動し、ハナミズキの季節や三月になると読み返してきたものだ。

先日、ワンコが見守ってくれていることを体感した私としては、お母さんの耳の届いた息子さんの思いに、胸がつまる思いがする。(幸いの源 ワンコ - 何を見ても何かを思い出す)

10年たっても大きな余震に見舞われる被災地

それどころか、新たな大地震の前兆すらあるという被災地
 
息子さんの思いが、ハナミズキの道が、人々を強く守ってくれることを心から祈っている。
 
 
<両陛下オンラインご訪問、岩手の被災者ら「目が合い、涙が出てきた」> 産経新聞3/4(木) 23:33配信より引用
東日本大震災から10年を前に4日、オンラインで実現した天皇、皇后両陛下の岩手県ご視察。懇談は約1時間40分にわたり、両陛下は画面越しでも被災者一人一人と視線を合わせ、励ましやねぎらいの言葉をかけられた。  
「本当に多くの方が亡くなったことは残念なことでした」  陸前高田市では、天皇陛下は冒頭、戸羽太市長に対して犠牲者への哀悼の言葉を述べられた。また、陛下は平成23年に同県大船渡市を訪問した際、皇后さまとともにヘリから陸前高田市の被災状況を見たことに触れ、「本当に心の痛む思いをいたしました」と当時の心境を明かされた。  
震災で長男=当時(25)=を亡くし、防災教育として子供たちへの絵本の読み聞かせや、避難路にハナミズキを植える活動をしている同市の浅沼ミキ子さん(57)に、陛下は「ご長男を亡くされたことは本当に残念でしたね」と語りかけられた。皇后さまは「後世のために動きだされたのはお強かったと思います」とねぎらわれた。浅沼さんは懇談後、「画面越しに目が合い、マスクをしていてもにっこりとほほ笑まれているのが分かった。ありがたく、涙が出てきました」と話した。  
25年のご訪問に続き、今回オンラインでの「再訪」となった釜石市。鈴木堅一さん(77)が、まだ11歳だった孫を含む家族4人を亡くしたことを話すと、皇后さまは「心が痛みますね」と寄り添われた。家族と暮らした場所にもう一度家を建設し、完成を待ちわびているという鈴木さんに、陛下は「楽しみでいらっしゃるでしょうね」といたわられた。  両陛下と懇談した同市の野田武則市長は終了後、「両陛下は釜石の復興の様子を非常に心配されていた。それにお応えできてよかった」と話した。

Dogwood 祈り①

2021-03-11 14:46:00 | ニュース

あれから10年の年月が経ったが、あれほどのことがあったのに、同じ轍を踏もうとしていることの愚かさに愕然としている。

10年前の今日 3月11日 未曽有の地震が東日本を襲った。

このコロナ禍。
何度となく被災地の方々はどのような思いで過ごされているのだろうかと思い、胸が痛んだ。
政策(時短や休校)などのため、様々な問題や弊害や困窮する事態が生じているのは分かっている。だが、それへの反応として、直ぐに金銭的救済とセットだと言い募ったり、不平不満ばかりが噴出するのを見聞きするたび、近年さまざまな大災害に見舞われた被災地の方々が、黙って耐えておられることに、胸が痛んだ。

たしか、東日本大震災のときには、これからも未曽有の災害は続く可能性はあるのだから今回だけ過剰な支援をすることは公平の観点から難しい、と言い放った国会議員もいたと記憶しているが、私がこれに驚愕したのは、公平性が求められるとして、それをこのタイミングで言うのかということ、又それに対して世論が思いのほか淡白な反応しか示さなかったことにある。

それが、このコロナ禍。
耐え難きをを耐えるには、ともかく金銭的救済がセットなのだと、言う。

被災地にも、等しく及んでいる、コロナ禍。
大切な命をうしない、住まいも仕事も失い、ようやっと一歩歩み始めたばかりの方も多いであろう被災地をも襲っているコロナ禍。

かく云う私とて、少しでも平穏に過ごされることを祈るしかない、それを恥じている。


見えざる手? part3

2020-10-01 22:30:32 | ニュース
ワンコお告げの本の第二弾をなかなか書けないでゴメンよ ワンコ
こんなニュースがあったから、これもワンコの警告のような気がして今日こそは!と記録しているよ

<東証:全銘柄の売買を停止、相場情報の配信に障害> Bloomberg 10/1(木) 8:49配信より一部引用 
東京証券取引所は1日の株式全銘柄の売買を停止すると発表した。
広報担当者は、相場情報の配信に障害が発生していると説明。注文受付についても不可になるとして、復旧については現時点で未定だと述べた。

出口戦略の見えない異次元の国債発行の危険性については、ここでも何度か書いてきたけれど、
昨年冬から今年の2月にかけて、新型インフルパンデミックやワクチン支給の優先順位や医療崩壊についての本ばかりお告げしてきたワンコが、このタイミングでお告げしてくれたのが、金融危機関連の本であることが、
怖いよ ワンコ
 
「大暴落 ガラ」(幸田真音)
 
ワンコお告げの本の第一弾が「国債暴落」(桐谷新也)なので、だいたいの予想はつくのだけれど、
読み始めて驚くのは、クラッシュの引き金になるのが、東京を襲う大洪水だというから、恐ろしいよ
それは、近年降れば50年に一度の大雨で「命を守る行動を!」と言われる日本にとって、絵空事ではないからね
 
本書はね、大暴落ガラになりそうなところを、
日本初の女性首相(しかも経済のプロフェッショナル)が、
個人的知己を頼りに危機一髪のところで日本を救う話なのだけど、
現実には、そんな顔は思い浮かばないね
いや、日本初の女性首相の足を引っ張ろうとするオッサン(もとい、Y染色体の持ち主ゆえに周囲が勝手に忖度したくなるような殿方)の顔なら、次々あれこれ思い浮かぶんだけどね
 
それはともかく、
本書のなかで、金融が果たす役割が書かれているんだよ
 
『かつて国を中心とする債券市場というのは、政府や金融当局が誤った政策を進めようとするとき、「暴落」という形をとって強く警鐘を鳴らす存在だった。だから政府や当局側も市場側も、互いの力量を怖れもし、またそれゆえリスペクトもし合いながら、真正面から対峙してきたものだった。』
(『 』「大暴落 ガラ」より)
 
もともと護送船団方式だったことを考えると、
本書の’’市場が警鐘を鳴らす’’とか’’真正面から対峙してきた’’とかも微妙な気がしないでもないけれど、
政府日銀一体となって、大量の国債を無限ループのようにグルグルさせ、
国の借金が1千兆をこえても、市場が何の反応も示さないというのは、
さすがに、異常だね
 
それに「強く警鐘を鳴らす」のが、
桐谷氏や幸田氏のような元金融機関勤務の作家の本だけというのは、哀しいね
 
ただ本書はね、強い言葉で危機感を煽るのではなく、
静かに考えさせられる一言が、あるんだよ
 
『はたして、今のこの国に、どこまで希望が残っているかだ』
 
未曽有の水害に東京が襲われているのに、国債市場がピクリとも動かない状況について発せられる言葉なんだよ
 
繰り返し襲ってくる大規模な自然災害や、一千兆をゆうに超えるまで積み上がってしまった巨額の公的債務、
にもかかわらず、適切に動けない政治と、国民
 
幸田氏は、本書で国民の責任には言及していないけれど、
そのような政治を許し続けている国民に、一番問題があるのは確かなんだよ
 
悪いニュースどころか、良いニュースにも動かなくなってしまった国債市場は、
もしかすると、「動かない」ことこそが、我々国民にとっての警鐘なのかもしれないね
 
少し前に、若者に「希望という言葉で何を連想するか?」という調査をすると、
「戦争」という答えが一番多かったことが話題となったけれど、
 
ピクリとも動かない国債市場は、「希望は戦争」と云うほどの絶望を示しているのかもしれないね
いや、「戦争」と答えていた頃はまだ何某かの変化を待っていたかもしれないね、
今なら差し詰め、「べつにー」とか聞こえてきそうだね
 
本書はね、金融のプロフェッショナルでもある女性首相の個人的才覚で、危機一髪数われるのだけど、
現実社会では、そうそう上手く事は運ばないし、
本書の救われ方も、実はかなり問題を孕んでいるから、
(AIIBあたりに救われるくらいなら一旦破綻した方がましだと叫ぶ輩が目に浮かぶけど、現状では破綻すらできなんだな)
だから、作者は救われた体をとりながら、それでいいのかと問題提起をしているんだと思うんだよ
 
そんなことを今朝一番の「東証全面停止」のニュースは思い出させたよ
 
シュウメイギク 花言葉 忍耐
 
 
 
昨夕久しぶりに、会社法について一席ぶったけれど、
人が資源の国だから、人を応援しなければいけないね
 
そう思わせてくれた本をお告げしてくれてありがとう ワンコ
 
でも、ガラはごめんだよ