何を見ても何かを思い出す

He who laughs last laughs best

どのような時にも幸いの種を②

2021-03-03 23:51:05 | ひとりごと

このコロナ禍。

天皇陛下の御誕生日のお言葉は、医療に従事される方々への感謝と労いのお言葉や、困窮する国民への励ましのお言葉など、新型コロナ関連が多くを占めたのは当然なのだが、その中で私が注目したのは、敬宮さまの大学生活について言及された件だ。

宮内庁ホームページより
昨年の4月から大学生になった愛子は,新型コロナウイルス感染症の影響により,オンラインでの授業が続いておりますが,昨年秋に初めて大学に登校した際に「大学では新しい知識を得たときに感じられる喜びを大切にしながら,様々なことに取り組んでいければと思っています」と語っていたように,大学での勉強に意欲的に取り組んでいることを私と雅子もうれしく思い,また,少し頼もしくなったように感じております。オンラインでの授業では,課題もかなり多く,愛子もその一つ一つに一生懸命に取り組んでおり,大変そうですが,授業を準備される先生方のご苦労も大きいものと思いました。私たちも,愛子がオンラインで授業を受けているのをそばで見る機会もありましたが,私たち自身も,新たな知見を得ることができたり,何か学生時代に戻ったような気持ちになりました。今後,どのような状況の大学生活になるかは分かりませんが,愛子には,有意義な学生生活を送ってもらいたいと願っております。
https://www.kunaicho.go.jp/page/kaiken/show/43

 

こういう事を書くと反発批判を招くとは思うが。
大学のオンライン授業に必要以上と思える批判があることに、私はずっと異論を持っていた。
もちろん、「ニュートンが万有引力の法則の着想を得たのは、ペスト禍でケンブリッジ大学が長期休校となったため故郷で独学思索している一年半の間のことだ」と、ニュートンを引き合いに出し「甘えるな」と言いたいわけではないが、それでも、このコロナ禍、独学がまだ出来ない子どもの学びを守り、大きな経済活動を少しでも保つためには、申し訳ないが(本来独学ができるはず、そして行動範囲の広さに反して動かすお金の小さい)大学生には、社会の為に負担を大きくしてもらうしかないと思っていた。(昨年春せっかく赤門をくぐったのに入学式も行えなかった悔しさを知っているので、それが特に一回生にとって如何に辛いことかは分かってはいるが、誰かが負担をより負わなければならないとしたら、それは大学だという考えは変わることはない)

これを書くと更に反発をかいかねないが、対面授業を求める世論の強さに気を良くしていた旧帝大の教授が、「(意気揚々と)実際に対面授業を復活させたら、授業登録していた生徒の8割ほどが授業に来なかった、これならオンライン授業の方が出席率が良かった」と嘆いておられるのを耳にしたことも、私の異論の理由になっていた。

それが、天皇陛下の御言葉で、目が覚める思いがした。

公務の在り方で、オンラインの活用に利点を見出しておられる事にとどまらず、オンライン授業の用意をする大学側に対し、『授業を準備される先生方のご苦労も大きいもの』と、思いをめぐらせたうえで、『愛子がオンラインで授業を受けているのをそばで見る機会もありましたが,私たち自身も,新たな知見を得ることができたり,何か学生時代に戻ったような気持ちになりました』と述べておられるのだ。

確かに大学施設を利用できない状況でその学費に見合うのか、という検証はせねばならないとは思うが、オンライン授業をするために投じられた費用や労力を正当に評価する向きはなかった。まして、オンライン授業だからこそ家族で聴講でき(保護者の)新たな知見が広がった、などと評価する声は皆無だった。
そのような世の空気のなか、天皇陛下は他にはない善の視点をあげられたのだ。

そこで思い出したのが、天皇陛下のご成長の過程だ。

浜尾侍従の書物のファンだった母は、その書物にあったという言葉を度々私に言って聞かせていた。

「(子育てをするとき)幸せな人になるよう願うのではなく、
  どのような環境にあっても幸せを見出だせる人になるよう願うべきだ」 

シンビジュームのプリンセス雅子さま
今年は、6本立ちと素晴らしい成績
いいことあるぞ!!

思えば、長く闘病されていた雅子妃殿下と、女児ゆえに酷いバッシングの餌食にされた敬宮様を穏やかにしかし敢然と守り抜かれた天皇陛下は、あの厳しいなかにあっても、穏やかで品格のある佇まいを崩されることは決してなかった。

それは、どのような事態にあっても天皇陛下はそこに良いものを見出すことがおできになるからなのだと拝察する。

afterコロナは、この国が既に抱えていた問題を、更に増幅させ我々に突きつけてくる厳しい時代となるだろう。だが、どんな時にもそこに少しでも良いものを見出し、希望をもって一歩一歩歩めば、次へと繋がっていくと信じさせて頂けた。

日本一の日
おめでとうございます


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