リッツ・カールトンには「ミスティーク(神秘性)」というものが存在しております。
その中でも有名なストーリーの1つをご紹介します。
アメリカ・フロリダ州にあるリッツ・カールトン・ネイプルズでの出来事です。
ビーチ係が、砂浜に並んだビーチチェアを片付けていました。
そこにひとりの男性客がやって来て、「今夜、この浜辺で恋人にプロポーズ
したいんだ。できれば、ビーチチェアをひとつ残しておいてくれないか」
時間が来たら椅子を片付けるのが彼の仕事でしたが、そのスタッフは
「喜んで」と言ってにっこり笑い、ビーチチェアをひとつ残しておきました。
ここまでは気の利いたホテルマンならば誰でもできます。
ところが、彼は違いました。
彼は椅子のほかにビーチテーブルもひとつ残しておきました。
そしてテーブルの上に真っ白なテーブルクロスを敷き、花とシャンパンを
飾りました。また、プロポーズの際に男性の膝が砂で汚れないように、
椅子の前にタオルを畳んで敷いたのです。
さらに彼はレストランの従業員に頼んでタキシードを借り、Tシャツに
短パンのユニフォームから手早く着替えました。手には白いクロスをかけ、
準備を整えてカップルが来るのを待っていました。
いうまでもありませんが、プロポーズは見事成功しました。
リッツ・カールトンには”どうすればお客様に感動を与えられるか”を
基本理念に据えて、お客様と接するあらゆる場面で感性の高いホスピタリティを
提供しようと努力しております。
ホテル関係者だけではなく、人と接する仕事に関わっている方には
お薦めの本です。