どうしちゃったの？日本の物づくり

　一流企業が建設したマンションが傾いてしまって大騒ぎになっています。

　地盤改良のために打った杭が強固な地盤まで届いていなかったとか、杭を固めるためのコンクリートがアカンかったとか、そもそもの地盤データが改ざんされていたとか・・・、いくつもの原因が積み重なって起こった事件です。

　何千万円も出してマンションを購入した住民は気の毒でなりません。

　建設した会社は「すべて建て直す」と言っていますが、それには何年もかかるし、基礎の基礎の手抜き工事で莫大な損失を出すなんて馬鹿げています。

　建設会社は、基礎工事を請け負った現場責任者にすべてを擦りつけているようですが、本当の所はどうなんでしょう？

　「どうせ基礎工事なんて」とご予算をケチったんではないでしょうか？

　安く作って高く売るというバブル崩壊以降の日本の守銭奴主義が蔓延して「金をケチっても、こんなことにはナランだろう」という甘い考えがあったんじゃないでしょうか。

　これとよく似た話が、全国にある原発が次々と安全委員会のお墨付きをもらったと言って、本当に安全かどうか分らないまま再稼働しそうな勢いだというものです。

　原発そのものの安全性はともかく、住民の心配は何か起こった時の「避難方法」です。

　福井の高浜原発周囲３０キロの約５万人（京都府も含む）の人が車で避難するには、もの凄い渋滞が発生し２４時間以上もかかり、地震で道路が寸断されていたら避難することさえできないというＴＶレポートを見ました。

　あまりにも危うい日本の原発事情です。

　そんなことは百も承知のはずなのに、原発の再稼働を急ぐ経済界べったりの安倍政権…。

　国連の常任理事国入りしたいばっかりに（まあ他にもいろいろあるだろうけど）アメリカべったり、政治献金を一杯くれる業界にはべったり、儲からないしＴＰＰで文句ばっかり言う農林水産業界や「特定秘密保護法」「安保法」に大反対した一般国民の声は無視…。

　こんな独りよがりな政権に頼っている国民は一体どうしたらいいんでしょう？

　「物づくり大国」と言われた往年の日本人気質は影を潜め、拝金主義の世の中で真っ当に生きて行くことも難しい時代になってしまいました。