デマ情報をパッチワークしてひとつのストーリーと化した作り話に過ぎない「神話」が世間に流通し出すと何が起こるかという問いは古くから問われてきた。ところが今や世間一般をはるかに越えて世界的規模で流通し出しているのがこれまた「神話」だという事態。そこへさらに「魂のトラブル」=「煽られて発生した不安」を付け加えてますます「自分たちだけの特権的権力」を「安定させるために」に煽動・利用される。「神話・煽られて発生した不安」は今の権力構造を安定させるために意図的に捏造されているに過ぎないことへの問いがあまりにも足りないというほかない。
「『哲学が何の役に立つのか』と問い尋ねる者に対しては、こう答えるべきである。自由な人間のイマージュを立ち上げること、その力能〔=権力〕を安定させるために神話と魂のトラブルを必要とする一切の力に廃棄通告すること、この程度のことにでも関心を抱いている者が他にいるのか、と」(ドゥルーズ「意味の論理学・下・P.178」河出文庫 二〇〇七年)
それは例えば、「台湾・沖縄から南西諸島にかけて」なぜあれほど煽情的な情報ばかりがほとんど一方的に行き交うのか、その過程でどのような人々が他の誰を犠牲にしつつどんなふうに大儲けしているのか、そう問うことで始めて見えてくるだろう。
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