feel.

レンズを通してみえたもの。感じたこと。

ライカが人生に仲間入り。

LEXUS LC500/500hを試乗.

2017年05月30日 | クルマ
元ISF乗りのお客様がお出かけついでにレクサスに連れて行ってくださった。

到着するとそこには一線を画すプロポーションで佇む情熱的な赤と知的でクールな白の美しい双子たち

店に入るまでもなくカメラを構えようとするとゼネラルマネージャーが「さぁどうぞ」と。

はぁ…とりあえず促されるままに乗り込んでみて内装の見事さに感心してたらいきなり出発することに。え?もう?

誓約書を求められることはなく、横にディーラーマンが乗るでもなく「行ってらっしゃいませ」って自由すぎる。LC500ですよね?


ということでいきなり始まったV8・5L NAの強心臓を積む真紅のLC500。因みにODOメーターはたったの119km。

現代の車らしく動き出すまでの動作は至極簡単で、シフトノブを右手前にずらすだけで準備が完了し

パーキングブレーキの操作をすることもなくスルスルと動き出す

ディーラーさんの誘導で道路手前で一旦停止、ウィンカーレバーを動かそうとするも右手が必要であることにビックリ

冷静に考えれば当然のはずだけど、無意識で僕の体はLC500を超高級外車だと判断してしまったのだろう。

一瞬しっかり考えて右レバーを上げ、道路に出て流れに乗る

低回転からV8の低く迫力のある、しかしドロドロしたアメリカンなV8ではなく大型肉食獣の勢いを潜めた唸り声のような迫力のサウンドで、期待感が募る。

恐る恐るアクセルを踏み込んでみると想像通り、いやそれ以上に美しいサウンドとともに淀みなくレブリミットまで針が跳ね上がり、窓から入ってくるエギゾーストが鼓膜を刺激してきてゾクゾクする。

さて高速の料金所をすぎ普通ではあり得ない円形ルートにならない逆ルートに乗る。その先は次の料金所まで延々とトンネルになっているから。ディーラーさんが同乗していないからこそなせる技。

本線に乗りトンネルに飲み込まれるなり、ええ。いきなりマニュアルモードで全開です。

もうね。最高。

パワーがすごいのは言わずもがな、凄まじい咆哮がトンネルの中でこだまして昇天しそうになるほど気持ちいい。

猛々しくも美しい音に、この車は音を購買動機にできるなと感じた。そんなことを思いつけたのは他にフェラーリくらいじゃないか

いや、今のフェラーリはほとんどターボ車となってしまったから、音で買えると思えるのはもっと少ないかも…

車という趣味に対する音の重要性は、料理に対する香りのようなものだと思う。

味だけでなく香りが素晴らしい料理がより美味しいように、スピードに官能的な音が加味されればより素晴らしい運転体験になるのではないか。


因みにコックピットの平均燃費をチェックしたら4.2km/L。さすが大排気量5L!

社会環境を無視し、中国の税制を無視し、これほどまでに背徳感を背負い込みつつ官能に浸れる車をトヨタが造るだなんて。

いや、トヨタだからこそ造れるのか

凄いっすトヨタさん。レクサス最高。


興奮冷めやらぬままインターを降り、コンビニの駐車場でひと休憩しつつ今度は撮影をスタート。

美しい… 改めて車体をしげしげと眺めてみると幅に余裕があるからか、自由に我慢せずって感じのボディラインが魅力的。

上の写真でもわかるがウエストのプレスラインがグラマラスなボディを綺麗に引き締めているのが一番好きかな。フローティングデザインはイマドキ風

奥行きのある感じのストップライト。Sパッケージというのを選ぶと羽も出ます

誇らしげな500のエンブレム

エンジンカバーはカーボンが素敵だけどもっと主張してもいいのに。サスペンションの付け根の造りが凄い。

とかく複雑なフロントライト周り。

Fの字のよなPの字のよな

フラッシュサーフェス化されたドアハンドル。格好いいです

ため息が出る美しさに参った。ここまで思える日本車が出るなんて。

ここからはお客様にハンドルを譲り僕は助手席で内装チェックと撮影タイム。分厚いレザーで快適なシートに改めて身を委ねてみる





ベージュ一色の内装が若干寂しいかなと思うが、同色ながらも本革とアルカンターラの素材を混ぜた造りこみがお見事。

画面の左隣のスペースがもったいないような。ここも液晶ならベンツを超えるくらいのインパクトですごかったのになとか妄想

助手席に乗った感じはあくまでゆったり快適。パートナーに無理を強いない感じでよろしいね^^


ディーラーに戻ったら早速次は3.5L・V6+ハイブリッド機構搭載のLC500hに。もったいのうございます

500に乗ったら乗る必要はないですよと伝えられたが個人的にはまさにその通り。

走りを求めるというよりスマートに乗りこなす感じ。好みの差なんだろうな。

フォルムが気に入り走りや音を求めず燃費の良さが気になる主に女性に評判が良いのだそうだ。

4L未満で歓迎される国にも有効な選択肢なんだと思う。

美しい。内装は俄然こっちだ

ドアからはえているノブが特徴的。造形が複雑で、ここ以外にも窓を開けるスイッチだとか手に触れる部分の作りにいちいち手がこんでて感心する。

肉厚のシートは柔らかく滑らかで高級ソファのように快適。シートヒーターはもちろんベンチレーションも備えており、暑い日であったが快適こ身を委ねる事ができた

後部座席は足元は広くないものの深く座り込めるのでスペースは意外にもある感じ。でも天井が低いからやっぱり窮屈かな。荷物用とすれば十分なスペース。トランクは狭めだけど、後部座席と合わせれば十分といったところか。

爽やかな色が夏を迎えるビーチにぴったり

格好いい…

様になりすぎる


車は社会的責任を背負わされ安全にそして便利になっていく代償として原始的な愉しみが減っているように思うところを憂い、趣味としての自動車に関心が薄れてしまってきている今日この頃であったが、

このような原始的に愉しくかつ安全にも仕立てられたものがイマドキ造られるのだということに、驚き喜びを感じざるを得なかった。

今だからこそ、こういう”趣味のクルマ”を造り続けていただきたいと心から願う。

前々から気にはなっていたもののこのグレードの車となると一見で乗せてもらえるとも思ってなかったし、喜びはひとしお。

素晴らしい試乗体験をさせていただいたレクサスのゼネラルマネージャーさん、手配してくださったウチのお客様に多大なる感謝。



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