『放課後の淫らな研修医』

遠く北の大地からエスロ兄貴が湘南にやってきた。
別れて暮らしていた愛犬が亡くなったためだという。

もちろん急遽だったので、急遽飲むことになり、急遽店を予約して、
会社を急遽退社して、ビールをキューっと飲んだ。

以前から気になっていたスペイン系の店を予約して行った。
『エルマンボ』というご機嫌な雰囲気で、
スタッフはみんな女性で、これまた気の利くナイスな人たち。
はっきりした言葉とくっきりした笑顔で応対してくれた。

気の合う仲間たちと飲むビールはとってもサマーな感じでナイス。
ウインドや波乗りや女の子の話をたくさんした。
男同士はいいものである。
ウインドや波乗りや女の子の話だ。

一旦お開きにして、結局最後に見た時計は３時だった。

何時だろうと会社には行く。遅刻しない。
これで休んじゃうとカッチョワリィので、何とか行った。

ところが無理して行くと、椅子に座ってるだけでも辛い。
休めばよかった～、と思うくらいキツイときはあるよね。
こみ上げるムカムカ感と、ズキズキのボンバーＨｅａｄ！

幸いなことに会社には休養室があって、ベッドが数個並べてある。
ちょっと頭が痛くて、と総務に言ってベッドの部屋の鍵を借りる。

１時間ほど熟睡して目が覚めた。
誰かが部屋のドアを開けた音がしたのだ。
入ってきたのは女性の産業医だった。

化粧っけのない、肌の黒い産業医で、見るからに波乗り女だ。
会社の産業医はサーファーだと聞いたことがある。

『頭が痛いのね？』
彼女は寝た振りをしてるオイラの左手を優しく握り、
自分の胸元へそっと持っていった。

（うおおおおお！大胆な女やんけ！！いきなりかよ！）

まさかのいきなりの出来事にオイラは気が動転した。
オイラは、保健室シリーズ『放課後の淫らな研修医』の男子高校生になった。
研修医はアイダユアがいい。


アイダユアはオイラの左を握りながら、こう言った。

『ハイハイ！ちょっと血圧測っちゃいますねー！』

なんだ、血圧かい(ーー;)