5月も終わりの日曜日、自宅から6キロほど離れたところにある小さな山を走った。
湘南平といって、高麗山(こまやま)と泡垂山(あわたらやま)からなる181mの丘陵地帯である。
山頂一帯にはテレビ塔と展望台があり日中は家族連れ、夜はデートスポットになる。
湘南平トレイルのコースは複数あるが、平塚側から入り大磯に抜けるコースがメイン。
高来神社に車を置き、そこからいきなりトレイルに入る。
男坂、女坂に別れてのスタートになるが、女坂と言えどもあなどれない。
山のきつさというのは標高の高低差関係ない。
心臓破りの急坂が続き、それからはしばらくなだらか。
小さなアップダウンを繰り返し最後はアップして展望台ゴール。
そこで相模湾を一望してから大磯側に向けてダウンヒル。
住宅地に出たところがゴール。(そこから2キロも走れば大磯港に出る。)
純粋なトレイルだけで約6キロ。
時間がないとき、軽めのランにしたいときに最適。
こんないいところが地元にあったのかと嬉しい。
で、実際山に行ってみると、沢から流れてくる水の音や、
野鳥のさえずりや、木漏れ日とか、風にざわつく葉の音とか、
もう本格的な自然がある。
落ち葉を踏みしめる感じや、土の柔らかさや、ゴツゴツした岩の粗さも、
アスファルトで走る自分にとっては、とても新鮮で刺激的なものだった。
思い返せば、、、、
自分は秋田高校というところに通っていて、
校舎の裏手に手形山っていう手付かずの山があった。
山から月輪熊が下りてきて授業中騒然となったときがあったな。
ここはスキー部の夏の練習の舞台になった。
キャプテンだった高2のとき、放課後にその山を走る練習を考案した。
ストックを持って山を走りまくれば、きっとスキーに役立つ。
そういって練習に取り入れた。
練習をサボりがちな部員も山走には参加してくれた。
楽しかったのだ。
岩を飛び越えたり、笹の草むらに突入したり。
スキー部の少年たちは探検、冒険気分で文字通り縦横無尽に山を走りまくった。
よく競争をしたものだ。
当時、トレイルランニングという単語はなかったけど、
オレらスキー部員はまさにトレイルランニングの開拓者だったかもしれない。
ストックを持って走るとはね。
手形山はその後、都市整備で切り崩され昔の面影はなくなった。
山が一つなくなった。
。。。。湘南平は標高からして高校の裏山レベルで、
走りながら高校のころを思い出したのだ。
高尾や丹沢を走ったときは思い出さなかった。
昨日、思い出したのだ。
懐かしさを持って目の前の道に臨む。
しばし、ノスタルジックに浸りながら楽しめた。
山にいれば海に憧れる。
海にいれば山を懐かしむ。
少々海に傾倒し過ぎた。
自然は誰にでも公平で、そこで楽しむ権利がある。
山へ入る時間をたくさん持とうと思う。